野間みつねの個人ブログです。
時には「千美生の里通信」のWeb版として、
そして時には創作活動の報告の場として……
余程に気が向いたら、書きかけの小説の断片を掲載するかもしれません。
 

「その他作品進捗」のブログ記事(古→新)

 お、およー?
 久し振りに「nehan3」を使おうかなーと思ったら、バージョン上がってるではありませんか(汗)。
 JavaScriptはダウンロード → 自サイトにアップして使う派なのですが、更新が頻繁となると、推奨されている方式での導入が吉なのかもしれません。
 という次第で、jsファイルを自サイトに置かない形で、新たなバージョンを導入してみました。
 以下、テストの為に貼ります。以前の「nehan3」と比較して表示が「ん?」という箇所がありますが(句点ぶら下がり+改行になる行の次に、余計な行が入って見える(汗))、乏しい知識の及ぶ限り、望ましい形に近付けてみました。
 IE8以前のブラウザ以外なら、傍点も見えると思います。
=== 5/11 14:37 追記 ===
 此処に記載していた不具合は、縦書き文庫さまの方で解消していただいてます。また、縦書き文庫さま御推奨の方法を使用することで、IE8(またはIE9互換モード)でも傍点が表示されるようになりました(深謝)。
=== 追記此処まで ===

=== 12:34 追記 ===
 ボタンの動作がおかしいですが、nehanの表示画面上でホイールを上下に動かすと、ページが右左に流れます。
=== 追記此処まで ===

=== 22:42 更に追記 ===
 ボタンの動作、修正出来ましたので、正しく動くようになりました。
=== 追記此処まで ===

 ……この(↑)目次を外せないかなあと思っているところ(汗)。 
 章組みしている中編小説なら便利なのですが、今回のような短い部分抜粋を載せたい時に、これが表示されると「ナニコレ?」状態に陥りますので(苦笑)。

=== 5/11 01:29 追記 ===
 縦書き文庫さまの方で、見出しタグがない場合は目次を出さないように変更してくださいました。有難うございます(深謝)。
=== 追記此処まで ===

 なお、しれっと掲載したのは、現在叩いている作品のプロローグ部分の、更にその冒頭。
 複数巻必要な長編では使えないけど使ってみたい装幀の本を出してみようと、単発物に出来そうな、ウン十年前にコピー誌に連載した、それ以前の作品群よりは少しマシな作品をリライトし出してみたところ、がんがん長くなり始めまして……現時点で、此処に載せた分量の倍ぐらい書いてしまい、しかもなおプロローグの半分ぐらいしか来ていないという為体《ていたらく》でございます……。
 そもそも、元が、中学生の頃から書いていた長編シリーズ物の一エピソードという位置付けの作品でしたから、「読者は既に前作の数々を御存じ」という無意識の甘えが今読み返すと物凄く(汗)、改めて単発作品として出そうと思うと、世界の約束事を諄《くど》くならない程度に早期に混ぜ込んでいかねばならない、あーんど、登場人物の関係も以下同文、という訳で、長くなるのは当たり前と言えば当たり前なんですけどね(苦笑)。

 此処に載せたモノ自体は何しろ未推敲の代物なので些かアレですが、「あー、『通り名はムーンストーン』と同じ地球世界を使った未来物なのね」と生温かく眺めてやってください。……えー、そして、コレの大元の作品を御存じだという皆様、くれぐれも、掲載誌のお掘り起こしなどなさいませんように(爆)。


=== 2014/02/28 追記 ===
 参照先が変わって読み込めなくなっていたことに気付いたので(汗)、追い掛けて色々修正しました(苦笑)。
 御紹介したブログ記事も、こちらに変わっています。


 たまには、こっちに書きますかねえ。
 ツイッターだと、この種の雑談は、字数が足りなくて語り切れない上に、それでも語ろうとするとツイート数が無駄に増える、という性質を持っていますので(苦笑)。

 という訳で(?)、中学~高校時代に書いていた『レジェンダリィ・クレイン』シリーズの中から、某作品を、現在リライト中です。
 ええ、いつぞや少しだけ此処でもお出しした、アレです。
 実は一昨日、よーやっと序章のリライトが終わり、一太郎に移植出来ました。

 ……って、あのう、これ、本編が11章もある作品なんですけど……(焦)。

 元々は、巻数を重ねる続き物では使えない装幀を試してみたい、でも、本に出来る手頃な単発作品が見当たらない(汗)……という事情から、こっ恥ずかしい過去作品を読み返し、手直しすれば何とか見られるものになりそうな一篇を発掘して、割に軽い気持ちでリライトを始めてみたものでございます。
 ところが、昔の文章、これがまあとにかく事前予想を遙かに超える描写の粗さでして……我慢出来ずに手を入れまくっていったら、同じなのはプロットぐらいというほど、元の作品と掛け離れた代物になりつつあります(苦笑)。
 こんな状態で、あと11章もリライトしていて、次のイベント(無事に受かっていれば来月20日のコミティア)に間に合うのでしょうか(汗)。……あ、いえ、無論、前にチラ見せした5月からずーっと書き続けていて一昨日やっと仕上がった、というわけではありません。皆様御存じの通り『ミディアミルド物語』の外伝集刊行が間に挟まっていますし、他にも、『魔剣士サラ=フィンク』の続きの執筆に取り掛かったり、『ミディアミルド物語』本伝8巻の原稿を叩いたり、などしておりましたから(苦笑)。

 『レジェンダリィ・クレイン』シリーズの主人公は、クレインこと頼山紀博《よりやま のりひろ》くん。
 中高生の頃に描きがちな(?)キャラクター、〝突然に超・超能力に目覚めてしまった青少年〟ですね(苦笑)。
 シリーズのスタート地点が2107年となっていますが、例によって例の如く、SFだともアクションだとも言えやしない作品群。どうしても何かジャンル名を付けろと言われれば〝未来世界物(?)〟……ええ、つまり、あの『通り名はムーストーン』と同じ世界の、100年近く過去の時代から始まる物語です。
 高校時代、現在の『ミディアミルド物語』の原型となった所謂〝改訂前版〟を書き始めるまでは、シリーズ物として、彼の登場する話を色々と書き散らしておりました。
 今の私の目で読み返すと、シリーズ中のどの作品も、物凄ーく大雑把なプロットを言えば、

 主人公は反則レベルの超・超能力を持っているが、なるべく世を騒がせることなく平穏平凡に暮らそうとしている。しかし、その力を利用したいと思う、或いは脅威と感じて抹殺しようとする、はたまた彼を倒して名を上げようと考える……等々の組織やら個人やらに狙われてしまう。そのせいで様々に大変な目に遭うことになるものの、最終的には返り討ちにしてのける。

 ……の、よーな気がします(爆)。
 で、彼が大変な目に遭う場面ばかりで筆が乗り、結果なかなか完結させられないという、典型的な〝物書きはサディスト〟モードでした(苦笑)。……今、「過去形にするな!」という抗議の声が里内から聞こえた気がしますが、取り敢えず脇へ置いておいて~と。

 そんな次第で、リライト中の作品も、そーゆー基本プロットに見事に嵌まっています。
 執筆当時のタイトルは「Rhapsodic Requiem」……あの話がどうしてこんなタイトルになるのか、今となっては意味がわかりませんわ(苦笑)。
 これ、当時友人知人達が発行し、その友人達と一緒に参加していたコピー同人誌に、せっせと連載しておりました。書き溜めた話をとにかく少しでも早く読んでもらいたいばっかりに、増刊と称したコピー誌を拵えて途中の章を一気に載せるという禁断の荒技まで使っています。……いやはや、恐ろしいことを。今の私の目から見ると、随分と極道ですよ、このやり方(汗)。本誌の他に増刊も買っておかないと、次号でいきなり話が何章も先に進んでます、って……何という大顰蹙モノの仕打ちかと、当時の購読者様達に謝りたくなります(滝汗)。
 そして、しかも、案の定、「次号、いよいよ最終回!」とラストに書かれている第10章の原稿までしか存在しないという、安定の未完成っぷり(爆)。
 ……ただ、その第10章の原稿が手許に残っているということは、編集サイドに原稿を提出出来ていないということで(原稿返却はないシステムだったので)……んー、どうやら、第9章まで連載したところで、掲載誌自体が出なくなってしまった模様でございます(汗)。

 現在、本編自体のリライトに入っておりますが、昔の文章を読んでいたら恥ずかしさの余り身悶えするばかりでなく、文章の余りの粗さに笑い出してしまい、結果、筆が全く進まなくなる傾向が強まっている為(汗)、大まかなプロットだけを頭に入れて書き進めようかなーと思案しています。……何かもう、リライトってレベルで済まなくなってますよね(苦笑)。

 ……本当にコミティアに間に合うのかなあと自問しつつ、ひとまず、執筆経過の御報告まで。


ぼちぼち入稿

 久々に、執筆関係の話を。
 以前にも此処とか此処とかで話題にした『レジェンダリィ・クレイン』シリーズのリライト作品についてです。

 先月下旬に全ての収録作を書き上げ、只今、読み返し推敲中でございます。
 既に印刷所からは見積を出していただいておりまして、今月中に入稿する予定です。……うげ、クロマティコ、たっけええええ……(汗)

 表紙込み92ページになったので「冊子」と書きますが、そのタイトルも『エモーショナル・サイオニック』と決まりまして、この間の三連休に表紙絵も何とか描きました。
 ……元々イラスト類の力量は「……」な上に、もンのすっっごーく久し振りに絵を描いたのでアレですけど(汗)、クレインこと頼山紀博くんのビジュアルは全ての野間みつねキャラの原点ですから、下手なりに自分で描き出しておきたいと考えた次第。自分の絵を取り込んで彩色するのも初めてで、巧く行ったとは思いにくいですが、生温い目で見逃してやってくださいまし(苦笑)。

 前回の記事では話題になっていない辺りから少しだけ採り上げますと、

  • 私の作品にしては短い?
  •  「エモーショナル・サイオニック」単独ですと、最終ノンブルが68までしか来ていません。献辞やら目次やら人物紹介ページやら章扉やらが入った上でこれですから、もう長編ではなく中編ですかねえ(苦笑)。一応は歴史物(?)という意識を心の何処かに持ちつつ書いていて登場人物も多い『ミディアミルド物語』辺りとは作品の性格が全く異なるせいだろう、と思いたいところです。
  • なのにどーしてトータルが表紙込み92ページになった?
  •  ……それはもう、番外編として書いた短編「異動」が、編扉抜きでも8ページ(扉とインターバルページを入れたら10ページ)に達したせいです(苦笑)。今回の「エモーショナル・サイオニック」ではプロローグの過去話に出てくるだけの脇役に過ぎない筈なのに、どうしてこうなったヒュー・マッカーサー(汗)。

 フルカラーカバーを付けるような長さの作品か、とも正直感じるのですが、単発だからこそ試せる、ちょっと頑張った装幀。
 ただ、無論、頒価には一切反映させません。ウチの刊行物は、一次創作の場合、ページ数だけしか考慮しませんから、92ページとなった時点で450円になります(笑)。

 このブログでは、納品されましたら、また御報告したいと思います。


 かつて、株式会社アスキー(当時)から、『MSXマガジン』という雑誌が発行されていました。
 初めて手にした(勿論、自分のお金で買った)パソコンがMSX2であった私にとって、MSXの推進母体(?)でもあったアスキーさんの出すこの月刊雑誌は、大切な情報源でした。

 1990年、その『MSXマガジン』──以下、「Mマガ」と当時の略称で書きますが──2月号誌上で、新しく発売されるRPGコンストラクションツール「Dante」の特集が、大々的に組まれます。
 当時、下手糞な小説やイラスト等を生産しまくっていたのみならず、ぽちぽちとプログラミングなども始めていた私は、当然、この「コンピュータRPGを作れる」というソフトウェアにも強い関心を持ち、早速購入に至りました。

 ソフトを立ち上げ、当たり前のように、収録されていたサンプルゲーム『BADOMA 血塗られた伝説』をプレイ。
 有り触れた、フィールド型のコンピュータRPGだろーなーと思ってたんです。
 よく知られているゲームで言えば、ドラクエみたいな(……やったことはないですが(汗))。

 ……そして、見事に、すっ転びました
 特に、パーティーメンバーのひとりである、タンジェという名の青年に。

 このゲームに……と言うよりタンジェ君に、ぞっっっっこん惚れ込んでしまったことから、全てが始まりました。彼や仲間達を描いたパロディ漫画やイラスト類を毎月のようにMマガに複数枚(最低でも2枚、多い時で4枚)投稿するだけでは飽き足らず、ゲームをノベライズしてMマガ編集部に送るわ、「Dante」で勝手に続編ゲームは作るわ……(そのゲームの方も、後に、是非コンテストに送ってほしいと言われたので、恥ずかしながらタンジェ君へのラブレター代わりに送らせていただきましたが)……ゲームBGM、特にタンジェ君が主役となったエピソード(@デーナ国の寺院)で流れ続けていたBGMのアレンジ曲は次々と作り倒すわ……(汗)

 (……当時のMマガをお読みになっていた方なら、タンジェ君にド嵌まりしてバレンタインチョコレートを送ったりイラスト投稿しまくったり果ては続編ゲームまで作ってコンテストに応募し誌上で紹介されたりしていた大馬鹿者が居たことは、何となく御記憶にある……かもかも……)

 ……ですが、完全受注生産のコピー本ノベライズ(コピー実費のみで頒布)を3巻まで出したところで、社会人になって趣味に割ける時間が激減し、また、締切のある『芸術研究誌 AIM』連載作品『魔剣士サラ=フィンク』の執筆に追われる中で、何となく中断。その後、著作権法上では黒に当たる行為であるということも学んでからは、著作権法違反には当たらない周辺作品は書いても、既存ゲームの翻案に当たるノベライズ自体は封印してきました。……当該ゲーム『BADOMA』の原作者・そらまめ様からは、「著作権なんて気にしないでどんどん書いてください」という有難いお言葉を頂いたのですが、法の上では黒ですからね(苦笑)。

 とは言え。
 更に更に大人になった近年は、当該作品の著作権を持っていたアスキーさんが角川さんに吸収されてしまったり(汗)、そもそも多くの権利者サイドが所謂二次創作については「……えーと、上手にやってくださいよー(小声)」というスタンスでいるのだなーということが見えてきたり……という事情もあって、色んな作品の区切りが付いたら、ちゃんと完結させておこう──と考えるようにはなっていました。
 何しろ、3巻のあとがきに、「完結するまで後には退《ひ》きませんからね」と堂々明記してあるんです……このままだと、完全なる逆フラグじゃないですかー(滝汗)。

 ……ただね。
 まだ色んな作品の区切りが付いてないにも拘らず、何で、今まさにリライトやってんのかと(汗)。
 我ながら、突っ込みたくはなります。……昨年最後に出した『蔵出しミックスナッツ』のあとがきで、今度こそ、次は『魔剣士サラ=フィンク』でお会いしましょう!」って書いたのが、完っっっ全に逆フラグになっちゃってるじゃないですかー(泣)。

 ……まあ、これはもう、折角「Text-Revolutions」さんの立ち上げ回に参加するのに、なーんにも新刊がないっていうのは寂しいよなあと思っていた時に、長らくクローゼットの肥やしになっていた「Dante」を動かせるハードウェアを幸運にも手に入れることが出来、『BADOMA』やその勝手な続編を二十何年か振りにプレイすることが叶ったことで、焼け木杭に火が点いたから、なんでございますよ(爆)。

 それから凡そ3週間が経過した現在、1巻に当たる部分は、一太郎への移植完了を指呼の間に望むところまで来ています。
 って、はえーよ! (汗)
 これで、初回テキレボ合わせの新刊として間に合うことは確実となりました(苦笑)。
 多分、表紙込み116ページになることでしょう。

 ……それにしても、因果なものですなぁ。
 かつて、己が余りにも『小説BADOMA』執筆にのめり込みすぎていることにオリジナル物書きとしての危機感を覚えて書き始めた『魔剣士サラ=フィンク』が、結果として『小説BADOMA』から私を遠ざけてしまったわけですが、巡り巡って、『魔剣士サラ=フィンク』を完結させようと作業している現在の私の許へ、『小説BADOMA』が颯爽と戻ってくることになろうとは。
 何となく、タンジェ君たちに、かるーく復讐されている気分です(苦笑)。

 そんな思わぬ伏兵として二十数年振りに浮上した『小説BADOMA』……余りにもニッチ過ぎる二次創作(元ゲームを覚えている人がどれだけおいでなのか(汗))ですが、刊行の暁にはお手に取ってやっていただければ嬉しい限りです。

 ……あ、ただ、ノベライズとは言いながら、オリジナル展開てんこ盛り、エピソード切り捨て・換骨奪胎も山ほどありますんで、原作ゲームに忠実な代物とは到底言えません。
 万が一にも元ゲーム『BADOMA』を御存じの方、そこのところはどうぞ御寛恕くださいませませ(汗)。


【参考: 『小説BADOMA』関連作品】
  『四番目の魔道士』
    『BADOMA』内で伝説として登場する魔道士たちを描いた連作(?)短編集
    表題作 「四番目の魔道士」 → 全文掲載ページ
  『蔵出しミックスナッツ』に収録
    「伝説の前に」
    「誓言から逃げる魔道師」 → 抜粋ページ


 この記事は、以下のツイートで指定されているお題に対応するものとして投稿するものです。


 7RTまで頂いてしまったので、流石にツイートでお答えするのは厳しいな……ということで、ブログ記事に持ってまいりました。
 では、以下、御紹介します。
 都合上、ちょっと回答の順番を変えますが、御寛恕ください……。



【作品タイトル】 ……どれを選ぶか悩んだけど、これにした。
 魔剣士サラ=フィンク
※間の「=」は本当は二重ハイフン「゠」(U+30A0)だが、Webでは、環境によっては表示されない為、半角等号で代用。なお、自身の印刷物では外字を使用。

【あらすじ】 ……じゃなくて導入だよな、これ(汗)。
 リファーシアと呼ばれる世界がある。
 人間世界──太古の時代に神々の肉の身を滅ぼしたと伝えられる神獣・竜の姿にもなぞらえられる巨きな大陸オルディアーナと、大小多くの島々とから成る、物質界──を核とした、剣と魔法の世界である。
 神々に近い種であったという古代人達が魔道の法で支配していた古代ダランバース魔道王国は、一千年の昔に滅び──現在の人間達が最初に築き上げた“新生王国”アスティア建国からでさえ、数百年の歳月が経過し──現在、五大王国と呼ばれる国々の他にも、様々な国がリファーシアじゅうに散らばっている。

 そのアスティア王国以来使われている「新暦」で、520年の夏──五大王国のひとつケルリが、若き地方領主アラン・シィ・アラスの反乱によって潰えた。辛うじて王城からは逃げ延びたものの、ならず者どもの手に落ちかけるケルリ第二王女ミルシリア・エル・カーリー。だが、突如として現われた黒ずくめの青年が、ならず者をひとり残らず斬り捨てる。“魔剣士”サラ=フィンク──かつて無差別殺人鬼としてケルリ王国から永久追放された筈の若者は、自分も殺されると覚悟したミルシリアの前で静かに剣を鞘に納め、「ブリザードは、今日のところはもう血は必要ないそうだ」という不可解な言葉を残して彼女に背を向けてしまう。
 ミルシリアは、そのまま立ち去ろうとする相手に向けて咄嗟に、「あたしも連れてって!」と叫んでいた……。

 様々な秘密を抱える“魔剣士”サラ=フィンク青年と亡国の王女ミルシリア・エル・カーリー(ミルシェ)との旅の途上で起こる事共を描く長編作品。恐らくライトファンタジー。

     ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞

 ……いつもとは異なる導入紹介でお届けしてみました。
 因みに、普段の紹介は以下の通り、サラ=フィンク側から書かれています。

 かつてケルリ王国を恐怖のどん底に陥れた無差別殺人鬼“魔剣士”サラ=フィンク。しかし、たまたま助けてしまったケルリの第二王女ミルシリアの存在が、彼を次第に変え始める。血に飢えた魔剣ブリザードと己自身を救う手立てを求め、彼女と共に“魔道王国”ルーファラを目指す彼の旅の途上に待っていたのは……
 ……と、こんな感じです(笑)。

【主人公について】
 おまけで、当時の挿画から人物カットを作ってみました(ミルシェも)。双方、1994年に星村朱美様に描いていただいたものです(利用許可は頂いています)。
 なお、今後の刊行物では挿画は入りませんが、過去に頂いた挿画類の内の幾枚かは再録予定です。

  • サラ=フィンク
  • サラ=フィンク/(c)1994 星村朱美 かつて老若男女お構いなしの無差別殺人鬼としてケルリ王国を恐怖のどん底に陥れ、“魔剣士”と呼ばれるようになった青年。
     物語開始時点で24歳。黒髪黒目の持ち主。但し、或る状況下に置かれると、瞳の色が……(もにょもにょ)
     とある事情から、恐るべき切れ味を誇る魔剣“ブリザード”を操るようになってしまった身であるが、当人はあくまで「自分は魔道士だ」という意識が強い模様である。
     ……そもそも、この『魔剣士サラ=フィンク』の第一部自体が、“主人公サラ=フィンクに纏わる秘密や謎をひとつひとつ明かしてゆく”という構成になっている物語である為、余り詳しく御紹介出来ないのが残念である(苦笑)。

【主要人物紹介】
 取り敢えず、過去に刊行物として纏めた第一部のみから引っ張ってきました。
 ネタバレを最小限にしたいので敢えて詳しく書かない部分が多いですが、御容赦ください(汗)。

  • ミルシリア・エル・カーリー(ミルシェ)
  • ミルシェ/(c)1994 星村朱美 反乱で滅びたケルリ王国の第二王女。通称ミルシェ。
     物語開始時点で17歳。淡い金色の髪に草色の瞳の持ち主。なお、この色の組み合わせは、旧ケルリ領の辺りでは余り珍しくもない。
     攻め落とされた王城から脱出した先でサラ=フィンクに“助けられた”のが縁で、そのまま一緒に旅をすることになる。
     多少気位の高いところもないではないが、折々にお忍びで町中を歩いていたという“型破りな”一面を持つせいなのか、歴史ある国の王女だったにしては随分と気さくな性格で、環境への順応性も高い。
  • サラ=ルティイ
  •  サラ一族の最長老である老婆。通常、一族の者からは「おばば」或いは「おばば様」と呼ばれている。
     過去に“外界”に出たことがあるらしい。
  • サラ=アヴァス
  •  サラ一族の族長。
  • サラ=アルク
  •  サラ一族の一員である若者。族長サラ=アヴァスのひとり息子。
     本来であれば次期族長候補ではないのだが……
  • 魔王レラサドス
  •  魔世界の永遠の支配者として神々に定められし存在。真の名は、レラス・アレラス・アリアドス。
     何故かサラ=フィンクに関心を示しているように見えるが……?
  • エルシース
  •  過去話「ファルシアスの黒エルフ」に登場。サラ=フィンクがケルリを追放された後に訪れたファルシアスで出会ったダークエルフ女性。
     サラ=フィンクと浅からぬ縁《えにし》を結ぶことになるものの……
  • シルヴィーナ
  •  サラ=フィンクが怪物退治を依頼されて出向いた古代遺跡に居た、魔貴族の女性。
     人間世界に迷い込み、魔世界に戻れなくなっていた。
  • リュキア
  •  スタール王国の都レイリーにある“銀の鏃《やじり》”という娼館に居る美貌の男娼。
     余りに美しい銀色の髪を持つことから“銀の髪のリュキア”と呼ばれ、銀貨何万枚を払ってでも一夜を共にしたいと望む者が後を絶たないが、彼と関わり合った者は碌な目に遭わないとも言われている。
  • セルリ・ファートラム
  •  若くして魔道の奥義を究め、後に“暗黒魔道士《ダーケストソーサラー》”と呼ばれるようになった魔道士。
     弟子であったサラ=フィンクによれば、七年前に殺害されてしまったという……。



 本作品は、第一部総集編の改訂版に第二部の既発表作品や続きの書き下ろしも合わせ、一冊完結モノとして刊行予定です。
 一応、冬コミでの刊行を目指していますが、野間みつね作品にありがちな“順調に長引いている”状態に陥っているので(汗)、このまま行くと来年の夏コミ、否、下手をすると来秋……(ごにょごにょ)

 現在、参加している同人誌即売会では、「トータル・プロローグ」及び第一話「砂漠の暗黒神殿」第二節までを収録した『魔剣士サラ=フィンク 刊行準備冊子』を無料配布中です。通販の場合は、送料のみ御負担いただいてお分けしていますので、サイト内のメールフォームからお問い合わせくださいませませ。

たまには進捗の話を

 ……近年、イベント情報&報告と新刊情報ばかりになっている瓦版ブログ。
 たまには、刊行へ向けて執筆等を続けている作品『魔剣士サラ=フィンク』の進捗などを流してみます。……お待たせしまくってますしね(汗)。

 『魔剣士サラ=フィンク』って何、という向きには、こちらの過去記事を。

 まず事務的に記せば、ざっと、以下の通りです。

  • 第一部
  •  全話のテキスト移植、一太郎移植共に完了、打ち出し推敲中
  • 第二部
  •  「族長の器」はテキスト移植中、第四節の途中まで来ている(※全部で十節ある)
     「守秘の流儀」は一太郎移植済み、打ち出し推敲中
     「ノールの吸血女王」はテキスト移植未着手
     「ハイラスの古代遺跡」は一太郎移植済み、打ち出し推敲中
     「パリクールの支配者」は一太郎移植済み、打ち出し推敲中
     「賢者たちの国の内患」は一太郎移植済み、打ち出し推敲中
     「歓楽都市の迎春」は一太郎移植済み、打ち出し推敲中
     タイトル未定の作品(最終話のひとつ前)を執筆中
     最終話は、まだ構想のみ(汗)

 少なくとも、一太郎原稿が全て揃うまでは、ページ数やら装幀やらの話もなかなか出来ないところではあります。
 ……が、一太郎に移植済み作品のページ数を合計し、これまでの移植実績から既発表作品の移植後ページ数を概算し、今後執筆する各作品の長さを予想し、そのトータルを弾《はじ》き出すと、うんまあ、700ページ越えは確実だよね、という結果が出ていることは事実です(白目)。

 厚くても持ち重りがしないように……ということは常々考えておりますので、希望する本文用紙を使わせていただけるよう、ページ数が決まり次第、馴染みの印刷所様に相談させていただこうと思っております。私が希望しているのは、普段その印刷所様では全く取扱のない紙なのですが、もしお金で解決出来ることであれば、頑張って実現させたいです。



 少しぐらいは、内容の話もしておきますか。
 今後、ひとまずの最終話へ向けて大まかな流れは予想しているものの、最終的には、キャラクター達がどう動くかに左右されます。
 因みに、現在執筆中の話は、“東の大国”ハングォの都ラーヤンでの出来事を描くものとなりつつあります。このままハングォ国内のみで終わる話になるかどうかは未だ不分明ですが(汗)、次の最終話に繋がる展開になるのでは……と漠然感じているところです。
 そして肝心の最終話では……「ハイラスの古代遺跡」篇でミルシェに降り掛かった呪いとは何だったのか……その答は出る筈なのですが、舞台が“念術王国”パオミン国内に止《とど》まるという保証はなさそう(汗)。キャラクター達がどのような結末に辿り着くのか、出来るだけ早期に形にしたいと思っております。



 ……なお、考えようによっては、幾らでも続きとなる中編・短編が書けるキャラクター達なので、完結後にシリーズ物と化す可能性もゼロではないです(汗)。
 ただ、先に、『魔剣士サラ=フィンク』の外伝となる、『暗黒魔道士セルリ・ファートラム』を形にする作業が控えてますけどね(爆死)。



【おまけ】

 ……ひとつだけ、句点を読点と見間違えてしまい、「一文」になっていない箇所を採っているものがありますが、スルーしてくださいまし(汗)。

リレーノベル、始めました。

 心残りを、解消したくて。



 こちらは、ななさん企画の「創作 Advent Calendar 2017」参加記事です。
 執筆者は、野間みつね
 物書き歴は、そろそろ40年(汗)。
 「千美生の里《ちみぶのさと》という個人サークルでの活動歴は、22年と8か月と10日。
 大体に於いて、架空世界を舞台にした作品――ひろーい意味でのファンタジー――を物し続けておりますが、似非《えせ》歴史物を書いたりも致します。
 今回の記事では、最近走り始めたリレーノベル企画について、「何ゆえ企画したのか?」辺りから含めて記しておきたいと思います。



 さてさてさて。
 リレーノベルと言えば、物書きが一度や二度は通る道……かもしれない代物。
 当方も、高校時代に友人達と、自作のキャラクター達を持ち寄ってのノート回覧で、学園物や、それぞれの作品のパラレルワールド物などの作品を書き散らしておりました。
 社会人になってからは、その種のリレー作品からは遠ざかっていたのですが、3年前の春、お誘いを受けてコミティア後のとある打ち上げに参加させていただいた折、「此処に集まってる人でリレーノベルやりたいんで!」という「暗黒通信団」のシさんから何故か否応なしに執筆者の一員としてカウントされてしまいまして(汗)……ひと癖もふた癖もある面々(苦笑)に混じってのリレーを、どうにか走り抜きました。


『僕と俺と魔女とオタクの空白のお話』 ■ 僕と俺と魔女とオタクの空白のお話
   著:千洋 誠  頒価:300円
   A5判 36ページ
   ISBN 978-4-87310-009-8 (C0093)
 ドラゴンやら魔女やらが登場するので、ファンタジー? ……なのか……?
 知る人ぞ知る「暗黒通信団」さんの刊行物。
 ……なお、著者名の「誠」は、「あきら」と読むのが正しい。

 正体は、合計七人で書き進めたリレーノベル。
 一昨年の春ティア後の打ち上げで、企画に巻き込まれました(汗)。
 とにかくハチャメチャな物語になっていることだけは太鼓判を押せます。
 因みに、ISBNコードまで付いているので、何と、普通の書店でも注文出来ます(汗)。
 まさか、自分が参加した作品が、書店で売られるような書籍になるとは……まだまだピンと来ませんね(大苦笑)。


 ……ただ、翌年、作品が上記の本に纏まった時、個人的に残念だったことがありまして。
 それは、各人の執筆パートが、節として分割されていたことでした。
 当該リレーノベルには、自分の順番が来た時に「さて」や「ところで」で書き始めるのは禁止というルールがあり、その為、皆々、前の人が書いた文章を承ける形で書き始めていました。
 見ようによっては、折角「誰が何処から書き始めたかがわからなくなるようなルール」があったにも拘らず、刊行物にする時には完全分割……
 勿体ないなあ……と感じてしまったのです。
 誰が何処を書いたかの「答え合わせ」の愉しみが、半分以上薄れてしまうような気がしまして。
 とは言え、自分は一参加者ですから、大声を上げるのも憚られ、一度何げなーく、「シームレスに並べる場合は~」と表明してみた後は、特に強く主張はしませんでした。……何故なら、シームレス収録して、後ろに答え合わせのページを設けるということは、単純に考えて、ページ数が倍近く必要ということですからね(汗)。他人様のお金で作られる本に、そんな我儘を言い続けることは出来ません(苦笑)。

 ……出来なかった、のですが。
 あれがシームレスだったらなあ……シームレス収録を前提としたリレーノベルが出来たら、読み手の側でも二度美味しいんじゃないかなあ……という思いは、なかなか消えませず。
 とうとう、「いっそ自分が主催してリレー回して本にすれば自分が好きなように編集して収録出来るよね?」……と(苦笑)。

 という次第で、当方の知人の中から、ファンタジー系の作品を書くのが苦にならないであろう&少しずつ作風の異なる(と私が感じている)6名の方々に声をお掛けして、一年掛けて回すことに致しました。
 勿論、最終的な収録形態やリレーのルール等についての企画案を事前にそれぞれの方にお示しし、御了承を頂いた上で、です。
 突然の勧誘にも拘らず快く馳せ参じてくださった方々には、篤く御礼申し上げます……(深々)

 企画書に記載した細かいルール等は、文章量が長大になる為に割愛しますが、以前に参加したリレーノベルでの「さて」や「ところで」で書き出しては駄目、という縛りは、本企画でも採用致しました。また、「他人の敷いた伏線、ぶっ壊して良し! 他人の出したキャラ、必要とあらば消して良し! 他人に消されたキャラ、必要とあらば復活させて良し!」……というワイルドな(?)部分も持たせましたので、どんな方向に飛んでゆくか皆目わからない、ファンタジーならぬ「ふあんたじー」小説になるかもしれません(汗)。

 なお、後ろで答え合わせを楽しんでいただく為に、刊行物ではシームレスで、ひとつの作品として収録致しますが、執筆に当たっての用字等の縛りは敢えて掛けておらず、後から揃えることも致しません。なので、小説として見た時の完成度は、やや低くなるおそれがございます。……ただ、執筆者各位には、「周りと合わせても良いよー」と依頼しておりますので、用字等を手掛かりにして「漢字が多くてルビが振り倒されてるから、これは野間の執筆パートに違いない!」などと推理すると、それは間違いになってしまうかも……? (笑)



◆ Relayふあんたじー企画 参加者一覧 ◆
 (主催以外は)筆名五十音順です。執筆順ではありません(笑)。
 因みに、1巡目の執筆順は、「あみだくじドットコム」さんで作成した電子あみだくじを先着順で引いていただくことにより――主催は当然、残り物を頂いてますよ(汗)――恨みっこなしで決定しました(爆)。最後までその順番で行くか、2巡目はシャッフルするか、そこは現時点では不明です。
 ……なお、各人に付いているコメントは全て、野間個人の勝手なイメージに基づくもので事実とは異なる場合がございますので、御容赦ください(平伏)。

  • 伊織《いおり》さん (兎角毒苺堂《とかくどくいちごどう》
     ディープな特殊装幀沼の中にお住まい(※素材は主に石と木と金属)をお持ちの方。思わぬ方向へハンドルを切りそうなフリーダム展開枠?

  • くまっこさん (象印社《ぞうじるししゃ》
     素敵な自作製本沼の畔にお住まいを建てておいでの方。熊だったり象だったり。基本的にファンタジー、ほんわかしていそうなのに、実は……枠?

  • コドウマサコさん (鏡の森《かがみのもり》
     直接の面識はないものの、事物人物へのツッコミ方とタイミングが何故か矢鱈と当方と被る方(苦笑)。正統派(?)ファンタジー枠?

  • 島田詩子《しまだ うたこ》さん (虚影庵《きょえいあん》
     短編・掌編が本領のお方。個人サークル活動歴が当方とほぼ重なる(爆)。幻想系からお馬鹿系まで幅広い、切り込み隊長枠?

  • 藤木一帆《ふじき かずほ》さん (猫文社《ねこぶんしゃ》
     鬼畜遊山《きちくゆさん》にお住まいをお持ちの方。シリアスからコメディまでオッケー、表紙も任せろ破壊神枠? 『僕と俺と魔女とオタクの空白のお話』の表紙イラストも、藤木さん画。

  • ほたさん (夢花探《むかそう》
     長編上等界隈にお住まいを構えるお方だが、切り良く読み切れる作品も多々。幸せにするまでは崖から突き落としまくります、表紙デザインもスマートです枠?

  • 野間みつね《のま みつね》 (千美生の里《ちみぶのさと》
     本企画の言いだしっぺにつき主催。長編上等界隈に長期在住。他所様のリレーノベルでは主に、それまでの展開の矛盾点を繕って整えてトラブルの芽を潜ませてから次に投げる役回りとなっていたが、果たして今回は……?
     ……なお、字数制限のある企画に参加する際は必ず上限字数ピッタリにしてから提出する、という謎のコダワリ持ち。但し増やして合わせるわけではなく、字数オーバーを刈り込んだ結果ギリギリ字数に落ち着くというだけ(苦笑)。

 因みに、各人のツイッターでの公開アカウントを集めたリストを作成・公開しておりますので、御関心を持たれた方は保存などして折々に覗いてやっていただければ幸いです。ぽろっと洩れる各人の呟きやお互いの遣り取りなどから、何処を誰が書いたかの答え合わせが捗るかもしれません(笑)。
 (但し、RT魔人が約一名混じってますので予め御承知おきください(汗))



 で、リレー自体は走り出しており、現在、早くも4人目にバトンが渡ったところです。
 ……某ファンタジーRPG風味で始まった筈なのですが……既に、なかなかトンデモナイ状況になってきたような気がしないでもない……

 ちょっとだけ脱線しますと、当方がリレーノベルに参加する場合の執筆姿勢は、普段の自作とはかなり異なっています。
 自作の場合だと、穴は出来るだけ塞いで回りますし、説明すべき事柄は、極力くどくならないよう気を付けつつも、きっちり押さえておきます。後々の為の伏線を敷く場合は敢えてそれらを抜く、或いは誤認させる方向へ誘導しておくケースもありますが、可能な限り、「あそこで書いておきましたよね?」となるよう心懸けます。
 ですが、リレーノベルで執筆する際は、特に前半戦では、「手を抜き」まくります。
 此処に穴がある、と見えても、塞ぎません。説明も省き、わざとセキュリティホール(笑)を残します。……だって、その穴を使って、後ろの人達が思わぬ展開にしてくれるかもしれないから!
 私にとっては、それこそがリレー中の密かな愉しみなので、「誰か気付いて利用してくれるかな~?」と、によによしながら見守るのです……そして、思惑を遙かに超えた形で引っ繰り返されると、「そ・う・来・た・か・ッ!」……ホント快感ですよ(笑)。

 ともあれ、このリレーノベル、来年2018年の冬までに最低でも3巡させて完結させた上で1冊の本に纏め、再来年2019年の春イベントでの初売りを目指しておりますので、どうぞお楽しみに~!



 企画参加の正式な記事は以上ですが、物のついで(汗)として、2017年の創作活動に係る簡単な(?)纏めも記事に致しました。
 御関心を持たれた方は、こちらへどうぞ。

 2018年5月14日未明、『魔剣士サラ=フィンク』を、「トータル・エピローグ」まで書き終えました。


 1992年4月20日刊行の『芸術研究誌 AIM』創刊号で連載を始めてから26年、ようやく完結です。
 ……まあ、此処から推敲・推敲・版下原稿作成・推敲・版下原稿作成の日々に移行するわけですが(汗)。

 ジャンル的には、所謂“剣と魔法”が幅を利かせる(汗)中世~近世西洋風(東洋風のエリアもある)架空世界を舞台にしている、ハイファンタジー。……昔は「多分ライトファンタジー」と言っていたのですが、ライトか? とツッコミが入りそうな気もするお話なので、最近は殆ど「ライトファンタジー」とは自称しないようにしていますね(苦笑)。言ったとしても、「ライト」の後ろに「(?)」を付けたり(爆)。まあ、ややへヴィな部分もないではないですが、ダークではないなとは思っております。
 大体どんな感じの作品か、という辺りは、過去にアップした「タグ「自分のことはさておきとりあえず(略)」への回答」とか、「たまには進捗の話を」とか、サイト内の試し読みとかとかとか……で掴んでいただければ。

 2013年頃から、「いずれ第一部と第二部を一冊に纏めて出す!」と声を大に(?)していた本作ですが、


 ……ワープロ専用機時代に作成した「第一部総集編」及び第二部の『AIM』連載済み分の移植&リライトに大いに手間取っただけでなく、新規に執筆していた続きの方が順調に長くなったこともありまして(汗)、此処まで掛かってしまった支第です。

 ワープロ専用機時代のテキスト移植は、2013年には始めていたにも拘らず、


 ……見ての通り昨年12月まで掛かりましたし、続きの執筆の方も、


 ……こーゆー為体でしたからね……(苦笑)。
 この数年間の、『魔剣士サラ=フィンク』絡みのツイートをツイログで見ていると、「ホニャララというイベントに間に合わせたい……」という趣旨の発言が頻出しているのですが、「……そっから間に合うわけねーだろ、結局800ページ超になったんだぞ……」と半笑いが浮かびますね……。

 という訳で、今年こそ! 夏コミに間に合わせます。
 但し、表紙込み820ページは下らない作品となります為、印刷製本は丸背に出来る上製本一択。元々「懐事情の許す範囲で、自分がやりたい装幀で出す、持ち出し上等」で活動してはおりますが、拙サークルの他作品とのバランス上からも、頒価は英世さん3枚が避けられない情勢となっております(※因みに、現在拙サークルで最厚の332ページ『まなざし』各巻は、1,500円で頒布)。……いや、流石に、この厚さの本を2,000円台で出すのは憚られますわ(汗)。
 お手に取りづらい厚さと頒価になってしまいそうで恐縮ですが、御寛恕いただければ幸いです。



【2018年7月23日追記】
 ……そう言えば、その後、以下の如き事態が発覚しまして、最終的に表紙込み820ページに落ち着いております。


 総ページ数が800超えの本なのに、ノンブル110から一気に20も間が飛んでおりましてね(汗)、いや、ホント、ノンブル修正が大変でしたし、無茶苦茶焦りましたよ……(苦笑)。

 この夏に刊行した『捻り出しミックスナッツ』で、『レジェンダリィ・クレイン』(以下、略称の「レジクレ」)シリーズの作品をリライトしたことで、困ったことに、主人公・頼山紀博《よりやま のりひろ》君が「千美生の里」内でちょっとばかり活性化してしまいまして(汗)。
 公私共にくっっっっそ修羅場だったのに発表出来る当てのない短編が生えてきたり(汗)、発表レベルには遠かった(所謂「電車の中で読めないレベル」だった)短編のリライトが進んだり(でもまだ「電車の中では読みづらいレベル」だ(汗))、書き直す時間が取れそうにない様々な断片が少しずつ伸びたり(汗)……どれもこれも「すぐに本に出来る当てがない」という点で、本っっ当に困った代物です(苦笑)。
 特に、紀博君の後半生を色々と引っ掻き回……も、もとい左右する存在と言っても決して過言ではない女性アリーズさんが、紀博君と同じくらい元気でな……彼女の絡むエピソードが生える生える生える(汗)。順番無視して、後半生に当たる時代の話から先に外に出すべきかしらんと血迷った考えが過《よぎ》るくらいです(苦笑)。
 ……まあ、元々、いきなり『エモーショナル・サイオニック』(以下、略称の「エモサイ」)を出してるくらいですから、順番通りに出してなんぞおりませんがな? (爆)

 という訳で(?)、レジクレ・クロニクル(?)について、少しだけ(……?)語ってみようと思います。……は、はい、取り敢えず吐き出しますから、何卒鎮まりたまえ紀博君~(汗)。

 なお、この記事を読むに際して知っておいた方が楽かもしれないレジクレの背景となる世界観そのものについては、過去記事に譲りますので、そちらで大体掴んでいただければと存じます。

 なおなお、この記事自体が壮烈なネタバレを多数含みますので、何も知らない状態で作品に接したい、という方は回れ右していただけますと幸いです。

 なおなおなお、当作の性質上、『ミディアミルド物語』最終盤の展開にも関係するネタバレまで転がっていますので、当該作のネタバレを見たくない方は全速後退でお願いします(汗)。




サイオニックとしての覚醒まで
 或る種の大ネタバレをいきなり噛ましますが(汗)、紀博君の超能力者《サイオニック》としての力は、物凄く厳密に言うと、全き彼自身の力とは言い切れないものです。
 彼の力の特徴的な部分は、“護るべき人”と呼ばれる存在の魂(らしきもの)に依拠しているのだそうです……という辺りは、後にサイオニックとして覚醒後の紀博君が辿り着くことになる『ミディアミルド物語』(以下、略称の「MMS」)の舞台ミディアミルドで聞かされること。つまり、紀博君は、MMSの主人公その1たるミディアム・サーガ君の“後任者”なのです……ってゆーか、レジクレの方が物語としての成立年は遙かに早いので、里内ではミディアム君の方が“紀博君の前任者”扱いされているわけですけれど(笑)。
 で、当の“護るべき人”の魂ですが、被選定者(ミディアム君とか紀博君とか)の魂と融合した状態で生まれてきて、或る時期まではその本来の力を完全に隠蔽する方向で働くのですが、時期が来ると、大体に於いて爆発的に覚醒。その時に発現するのが、強大な力を使う際に瞳の色が赤変する、所謂“赤い瞳”と、「一度でも自分が見たり身に受けたりした能力は予知を除けば全て使えるようになる」という特殊な学習能力を併せ持つ“鏡写し応じ返し《サイキックミラー》”――相手が掛けてきた技をそっくりそのまま若しくは二倍三倍にして相手に返す技――です。

 ただ、紀博君の場合、少し奇妙な状況を辿ります。
 中学時代、生命を脅かされるような危機的状況に追い込まれた際に一度“赤い瞳”もサイキックミラーも顕現するのですが、“護るべき人”が「まだ早い」と判断したのか、紀博君自身の記憶からは脱落。高校時代に再び危機的な状況に直面するまで……中学時代の彼の覚醒を掴んでいた太陽系連邦情報局特殊処理部(端的に言うと、サイオニックばかりを集めている部隊)の秘密結社ダークメサイアが接触してくるまで、本人は自分がサイオニックであることを綺麗さっぱり忘れたまま学生生活を送る、という状態でした。
 しかし、高校三年生の時、ダークメサイアへの勧誘を拒絶したことから、凄まじい勢いで“本格的な覚醒”への道が拓かれてゆきます。ダークメサイアのリーダーであるヒュー・マッカーサー大佐から、親友、肉親、友人の命を次々と目の前で奪われ……そして、結婚を約束していた後輩の命までもが奪われたことで、彼の“伝説的な力《レジェンダリィ・サイキックパワー》”は遂に解放されてしまうことになるのです。
 この本格的覚醒の件は既にエモサイの序章でも書いておりますので、そちらを御覧ください(おい)。

『エモーショナル・サイオニック』 エモーショナル・サイオニック -レジェンダリィ・クレイン-
 銀河連邦の植民惑星間を航行する旅客船フェントーク号が、バニラ星上空で原因不明の操船不能に陥り、墜落──挙式間近の婚約者《フィアンセ》をこの事故で喪ったジュード・ナリタ青年は、だが、それが事故ではなく、二百年以上も生きている伝説の超能力者《レジェンダリィ・サイオニック》クレイン・ロードにより人為的に引き起こされたものだと証し立てる映像を見せられる……
 野間みつねが中学~高校時代に書き散らしていた、未来世界で生きる超絶超能力者クレインこと頼山紀博青年が主人公のシリーズから一作品を選び、大幅に加筆改稿。書き下ろし番外編「異動」も収録。
 A5判、92ページ、頒価450円。
 続き物ではなく、単巻読み切りです。
 超能力者は出てきますし、舞台も(野間みつね世界の)未来世界ではあるのですが、SFともアクションとも言えないSFモドキです(汗)。

 他、この時代を描いているレジクレ作品は、以下に収録されています。

『蔵出しミックスナッツ』 蔵出しミックスナッツ -ジャンルごた混ぜ短編小説集-
 「歩出斉城門、遙望蕩陰里……」 聞こえてきた歌声に、青年は覚えず足を止めた。
 一次創作5本「梁父吟 習作」、「Yoriyama Brothers」(『レジェンダリィ・クレイン』シリーズより)、「落星前夜 習作」、「Escape!」(『綺譚 月石の民』シリーズより)、「星祭りにはまだ早い」(『通り名はムーンストーン』シリーズより)と、二次的著作物ではない二次創作(『四番目の魔道士』と同じ背景世界を持つ)2本「伝説の前に」、「誓言から逃げる魔道師」を、7本それぞれ全てリライト/リバイスして収録。
 A5判、60ページ、頒価300円。
 長編体質の野間みつねにしては珍しい、短編集です。
 半ば突発的に刊行しました(汗)。
 レジクレ物は、紀博君とその兄である倫秋《みちとき》君そして後に紀博君の婚約者になる杉原美知佳《すぎはら みちか》さんが登場する「Yoriyama Brothers」です。

『掘り出しミックスナッツ』 掘り出しミックスナッツ  -ジャンルごた混ぜ短編小説集 2-
 ふと立ち寄った図書館で見付けたのは、俺の母校の卒業アルバムだった。……しかも、俺が卒業した、百年前の。
 一次創作4本「百年目の再会」、「倫秋兄様《みちときにいさま》奮戦記」(双方『レジェンダリィ・クレイン』シリーズより)、「それは、二月十五日の夜に」(『綺譚 月石の民』シリーズより)、「最後の帰郷」と、二次的著作物ではない二次創作(『小説BADOMA』と同じ背景世界を持つ)「器を巡りて」を、それぞれ全てリライト/リバイス/書き下ろしして収録。
 A5判、60ページ、頒価300円。
 ジャンルごた混ぜ短編小説集、第二弾です。
 レジクレ物は、「百年目の再会」と「倫秋兄様奮戦記」です。但し、「百年目の再会」の方は、紀博君がサイオニックとして覚醒して後のお話です。

『掘り出しミックスナッツ』 捻り出しミックスナッツ  -ジャンルごた混ぜ短編小説集 3-
 銀河連邦の植民惑星のひとつソイ星で生まれ育った少女レベッカは、或る日、風変わりな目的を持って出掛けた場所で、不思議な青年と出会う……
 一次創作4本「肖像画《ポートレイト》」、「引退」、「今回限り」(以上、『レジェンダリィ・クレイン』シリーズより)、「ミンヘの場合」(『綺譚 月石の民』シリーズより)と、二次創作(『小説BADOMA』の番外編)「来訪者」を、リライト/リバイス/書き下ろして収録。
 A5判、60ページ、頒価300円。
 ジャンルごた混ぜ短編小説集、第三弾です。
 レジクレ物は、「肖像画」、「引退」及び「今回限り」です。但し、「肖像画」と「今回限り」は、紀博君がサイオニックとして覚醒して後のお話です。

伝説の始まり
 覚醒後の紀博君は、2112年4月からニューヨーク・シティ――その昔は「アメリカ合衆国」と呼ばれていた地域の一部――へ渡って半年ほど働いた後、「何処でもいいから、自分が行くべき場所へ」という一種無謀な“瞬間移動《テレポーテーション》”により、地球そのものを遠く離れてしまいます(おいおい)。
 その時に辿り着くのが、MMSの舞台であるミディアミルド(おいおいおい)。彼はそこで、自分の“前任者”であるミディアム・サーガ、そして“護るべき人”の存在について聞かされることになるのです。
 むっちゃぶっちゃけ気味に言いますと、“護るべき人”は、遠い遠い過去の時代から様々な星を巡って“巨きな何ものかを護る為に苛酷且つ困難な役目を負うことになる”者を選んで生誕前に平和裡に取り憑き(……身も蓋もないな(汗))、その被選定者に、先述の能力を始めとした“伝説的な力”と、当人にとって最適な肉体年齢に達して後は老いることなき肉体と、尋常ならぬ死とを与える……存在なのだとか。んで、サイキックミラーに付随する学習能力を以てしても予知能力だけは決して身に付かないものの、死を間近に控えた時にだけ予知が訪れ、為すべきことを為してから逝けと当人に悟らせるのだとか何とか。

 で、ミディアミルドで色々あって後、西暦2113年末に地球へ戻ってきた紀博君は、“謎の生命体”の襲来により滅亡の危機に瀕している“赤い地球”の姿を目の当たりにします。
 所謂“赤星事変《せきせいじへん》”と呼ばれる災厄です。
 神出鬼没、不定形……などなどの特性から銀河連邦軍――あ、2112年に植民惑星マスタードへの正式な移民が開始されたことを機に、「太陽系連邦」から「銀河連邦」に改称しています――を翻弄し寄せ付けなかった“謎の生命体”ですが、紀博君のレジェンダリィ・サイキックパワーに惹き寄せられ、自ら襲ってきます。……居所を掴もうと努力しなくても向こうから来てくれるという点では、銀河連邦軍より紀博君の方が遙かに楽をしているという説も(苦笑)。
 何だかんだで、その“謎の生命体”が取り込んでいた“地球のエネルギー”を地球に還元する形で返り討ちにしたことで、彼は、地球を滅亡の危機から救うことになります。……そのまま姿を消せれば後々の面倒に巻き込まれることもなかったんでしょうが、力を使い果たす恰好で一時倒れてしまったことで、地上へ偵察に出てきた銀河連邦軍情報局の将校(旧知の)に発見されてしまい(笑)、一時的にながら“収容”の憂き目に遭う羽目に。
 この時、彼が“謎の生命体”を倒して“地球を救った”ことを銀河連邦軍情報局に把握されてしまったことが、彼の“伝説”が巷《ちまた》に洩れ流れて広まることになった“元凶”とも言えるでしょう(汗)。

銀河連邦軍情報局とロキシード・コンツェルン、そしてルーク博士
 以後の紀博君は、彼の力を利用したい、或いは危険/邪魔だから抹殺したい、と考える銀河連邦軍情報局、そして超巨大独占企業体《ハイパー・コンツェルン》であるロキシードなどから、折々に狙われる身となります。

 情報局は、かつて特殊処理部内に存在した秘密結社ダークメサイアとの因縁もあるから狙われても仕方ないところがあり(汗)、また、ニューヨーク・シティ……に向かう前に一時滞在したアンカレジ・シティで知り合って奇妙な友情を結ぶことになった情報局特殊処理部の将校・吉沢満《よしざわ みつる》君――最終的には情報局の長官にまで昇り詰めた――も居ましたので、紀博君にとっては「何が何でも絶対拒絶」というほどの相手ではなく、場合によっては協力関係を築くこともありました。

 他方、ロキシード・コンツェルンは、「問答無用で絶対拒絶」の相手だったようです。ロキシードが「植民惑星内での内乱や抗争を煽って両陣営に兵器を売り付けるという“戦争屋”の顔を持っていた」ことが最大の理由ですが、殺された親友が継ぐ筈だった独占企業体を地球復興のどさくさ紛れに吸収してしまった奴ら、という辺りも気に入らなかったのかもしれませんな(汗)……ってゆーか、その吸収の動きを阻止してくれと道野コンツェルン側の関係筋(※当の道野家ではない)から依頼され、断わり切れず引き受けたものの最終的には防ぐことが出来ず、しかもその折の動きでロキシード側に存在を認識されることになってしまったんですわ紀博君てば(苦笑)。

 しかし、この時代(特に前半)の紀博君にとって、銀河連邦軍情報局やロキシード・コンツェルン以上に厄介だったのが、ジャスティ・ソニーヴ・ルーク博士でありました。
 ルーク博士は、2120年代から抗サイオニック兵器類を次々と世に送り出す天才ですが、銀河連邦軍情報局在籍時代に知った“伝説のクレイン《レジェンダリィ・クレイン》”こと紀博君を“またとない抗サイオニック兵器類の実験台”と見做して憚らず(汗)、「どれほど世間に評価されようとも、クレインに通用しない抗サイオニック装置など私にとって何の価値もない」と執念を燃やすような御仁でしたので(汗)、まーそれはそれは事ある毎に彼の実験に巻き込まれて色々と大変な目に遭わされることになる紀博君……
 ルーク博士亡き後も、博士が開発した抗サイオニック兵器類は折々に紀博君を苦しめ続けることになりますので、まさに“天敵”といったところでしょうか(汗)。

 大体二百年ほどの期間に亙るこの時代の作品で外に出ているのは、『掘り出しミックスナッツ』の「百年目の再会」、『捻り出しミックスナッツ』の「肖像画《ポートレイト》」、「今回限り」、そして略称エモサイこと『エモーショナル・サイオニック』です。
 また、エモサイより少し後の話になりますが、こちらにもひっそり潜んでいます。

『はたとせ』 はたとせ -「千美生の里」 20周年自選蒐-
 野間みつねが個人サークル活動を開始した1995年から出してきた刊行物の中から13本を収集、最後に当たる2015年のみ書き下ろし短編を収録。長編は章または節単位で抜粋(複数の場合あり)。中編・短編は丸ごと一本を掲載。架空世界物は無論、似非歴史物から未来世界物まで、幅広く採用。書き下ろし短編「V《ブイ》回収一件」は『レジェンダリィ・クレイン』シリーズ作品。
 なお、付録として、自家印刷製本の「『はたとせ』あとがきになり損ねた話」を同梱。上記の「V回収一件」だけでなく、こちらにも紀博君が登場(笑)。
 A5判、292ページ、頒価1,200円。
 どうにかこうにか292ページに抑え込んだので、頒価も1,200円に出来ました(汗)。
 作品は刊行順に収録されていますし、まさに20年を概観出来る豪華カタログとも言えます。
 因みに、区切り毎に扉ページを紙替えしていますので、小口や天地を見れば切れ目がわかります。なので、お好きな場所から開いて読むことも出来ますよ(笑)。

謎多き組織グラスラップと総統アリーズ
 情報局やロキシードと散々やり合ってきた経験により、不本意ながらもトラブル対処に慣れてきていた紀博君ですが、2310年代に大きな転機が訪れます。
 幼いサイオニックばかり集めて教育しているという、何を目的としているのか判然としない怪しげな組織、グラスラップ――流れてきたそんな情報に関心を持って接触してみたらば、その情報を流したこと自体が、グラスラップ側が紀博君を誘《おび》き寄せる為に仕掛けた罠(汗)。
 ところが、そのグラスラップの総統アリーズ嬢が紀博君を誘き出して捕まえた理由というのが、実はホニャララだったという……(色々誤魔化しておきまーす(笑))

 まー、そんなこんなで(こら)、アリーズさんには身も心も訝しいほどに惹かれてしまうものの、彼女が頂点に立つグラスラップに所属する超優秀なサイオニック(通称、グラスラップ・ソルジャー)達には折に触れて無茶苦茶やられて死の淵まで追い詰められ……「だって、あなたがそこに居るから」という大変理不尽な理由により(汗)、アリーズさんからグラスラップ・ソルジャー達を嗾けられる境涯に置かれてしまう紀博君なのでした……(苦笑)
 グラスラップは、イリーガルな活動も辞さない組織ですが、どうやらその根底には「サイオニックでも生きづらくない世の中を」という理念が潜んでいるらしく、紀博君としては対処に困惑させられる相手です。ズタボロにされること自体は迷惑極まりないものの、止《とど》めを刺されることはありませんし(これは総統が「何をどう仕掛けても構わないけど、死なせては駄目」と厳命しているから(苦笑))、何よりアリーズさん個人にはどうしても惹かれてしまう。単なる敵対関係には終わらず、しかし、だからと協力関係にもなり切れず。
 “永遠の十八歳”アリーズさんやグラスラップとの奇妙な関わりは、凡そ百五十年ばかり続くことになります。

「伝説がたり」 チラ見せ 伝説がたり
 「Text-Revolutions」名物(?)の「300字SSポストカードラリー」、第4回「桜」参加作品。
 架空の地球史の延長線上にある未来世界が舞台である『レジェンダリィ・クレイン』シリーズの主人公に登場願いました(苦笑)。例によって、300字ギリギリでの書き下ろしです(汗)。
 ポストカードサイズ1枚、無料ですが、既に品切れです(汗)。タイトルに貼ってあるリンクを踏むと、全文&コメントが読める「300字企画」さんでの作品公開ページに跳べますので、そちらでどうぞ~。
 短い作品は得意ではないのですが、ネタが何とか落ちてきましたので頑張ってみました。
 紀博君とアリーズさんの、ささやかなデート風景です(笑)。

銀河連邦の弱体化と神聖銀河帝国の出現
 ……はっきり言って、紀博君の最晩年です。
 なので余り色々書けないのですが……予知能力がない筈の自分に訪れた、予知らしき光景……しつこいほど夢や白昼夢に見続けるその光景に「死期が近い」と悟った紀博君は、或る思いを胸に、自分が実在した痕跡を消そうと動き出します。ところが、その最中《さなか》に、銀河連邦弱体化に伴って“独立”誕生していた神聖銀河帝国の“神帝”が、「銀河連邦の主星の座にしがみつく地球をこの宇宙から消滅させる」と宣言。またしても滅亡の危機に直面することになった地球を何とか守れないか、神帝の“暴挙”を止めるにはどうすれば良いのか――有効な手立てを見出《みいだ》せず煩悶しつつも、自身が実在したという証拠になるデータを“破壊”し続けていた紀博君の前に、やがて、思わぬ事実が立ち現われます。
 そして、紀博君の一連の行動によって図らずも一旦は回避された……かに思われていた地球消滅の危機が再燃したと判明した時、それを阻止出来る最短距離に居たのは――? ……いや、それが誰なのかってことは勿論バレバレですわな(苦笑)。
 そして、全ての“役目”が終わった時、紀博君は、“護るべき人”の真実を知ることになるのです……。





 ……とまあ、ざっくりですが大体こんな感じのレジクレ年代記(?)が、中学時代からのウン十年間も里内に眠っておりまして(苦笑)。
 どれだけ里の外に作品の形として送り出せるかは不分明ですが、少しずつでも本の形に出来るといいな……と……(願)

 だから、ひとまず鎮まりたまえ紀博君~(汗)。
 今やってるMMS続刊の執筆が終わったら、君を出せそうな作品を何か選んで取り掛かってみますから(汗)。
 (……「いいから俺の話を先に書け、書ける時に(笑)」と言い返されそうな今日此頃……)

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