里の瓦版

野間みつねの個人ブログです。
時には「千美生の里通信」のWeb版として、
そして時には創作活動の報告の場として……
余程に気が向いたら、書きかけの小説の断片を掲載するかもしれません。
 

里長の執筆部屋にて 2018

 ななさん企画の「創作TALK」参加記事・第二弾です。
 野間みつねの中にある「千美生《ちみぶ》の里」の主要な住人達が、忘年会宜しく今年を振り返ったり来年の見込みを語ったりする楽屋モノの小品になっていますので、さらっと読み流していただければ。
 ゆるゆるながらも一応は小説っぽい体裁を採ったので、行間は少し広めにしておきますね(汗)。
 あと、傍点は便宜的に、文字の強調で示します。

 なお、文中のリンク先は原則、サイト内の紙媒体作品データまたは作品そのものの公開ページとなっておりますが、一部に外部サイトがございます。予め御了承ください。



 「千美生《ちみぶ》の里」の里長《さとおさ》・野間みつねの執筆部屋には、時折、里の住人がやってくる。
 里の住人――有り体《てい》に言うなら、野間みつね作品の登場人物達のことだ。野間みつねの作中人物は、里長の〝被造物〟ではなく、里に住んでいる住人なのである。……だから、作者たる里長の思惑を超える方向に走っていって、話自体を長くしてしまうことさえある。
 ……おっと、話が逸れそうになった。話題にすべきは、執筆部屋への彼らの来訪だ。
 普段、彼らは、里内にある自分達の宿所――作品世界ごとに分けられており、互いに交わることはない――に居て、好き勝手に過ごしている。しかし、里長の執筆部屋は、あらゆる作品世界と通じている場所なので、別の作品世界の住人達と鉢合わせすることも少なくない。
「……って、鉢合わせにも程があるだろ。一体何人呼んだんだ、ぎゅうぎゅうじゃないか」
 ぶつぶつ文句を言っているのは、里の中では一番の古株に近い住人、頼山紀博《よりやま のりひろ》。里長が主に中学から高校時代に掛けて書き散らしてきた『レジェンダリィ・クレイン』シリーズの主人公で、反則級の超・超能力者である。オフセット印刷物として纏まった形では『エモーショナル・サイオニック』しか里の外には出ていないが、短編集などで小品に顔を覗かせることはある。……ただ、去年も今年も全く動きがなく、そういう点では、暇を持て余していると言えなくもない。
「里長の急な呼び出しに応じられるほどに暇な『主人公くらす』とやらがそれだけ多かった、ということだろう」
 二〇〇八年に上下巻で完結済みの似非歴史物『まなざし』の主人公である土方歳三《ひじかた としぞう》は、相変わらずの洋装で座椅子にゆったりと胡坐《あぐら》を掻く。作中、宇都宮城の攻防戦で足指を銃弾に削られ、僅かに不自由になっている……と見做されている為、座席が少ない場合でも優先的に座ることが出来るのである。
「……里の歴史を見るに、こういう場合の仕切り役は大抵方ケーデル殿が務めていたと思うが、今回はどうなるのかな」
「作品世界を跨り過ぎると流石に厳しいですね、私に限らず、所謂〝架空世界物〟の登場人物は」
 里長が高校時代から書き続けている〝準ライフワーク作品〟『ミディアミルド物語』の主人公その二、と言われている〝マーナの知将《ドー・ルーム》〟ケーデル・サート・フェグラムは、歳三の真向かいにある座椅子で慣れない正座に手間取りながら、苦笑気味に肩を竦める。生粋の日本人で黒髪黒目の紀博や歳三とは異なり、陽光の流れ落ちるような輝きに彩られた金色の髪と、深く澄んだ青い瞳の持ち主だ。決して美男子と呼ばれる男ではないのだが、低さと涼やかさが同居した美声の故に〝黙って座っていれば十人並だが口を開けば美男子〟と言われることもある。
「それよりも、我々がどの立ち位置に居れば良いのかが……。特に私の場合は、一度『改訂前版』で退場済みなのですが、『おふせっと改訂版』とやらではまだ十巻までしか出ていない現在、その頃の私として喋らねばならないのか……」
「そんなの当たり前だろ。話の展開だって、『改訂前版』とは思いっ切り変わってるんだし、そもそも『改訂前版』なんて、片手の指で数えられる面々にしか読まれてないじゃないか」
 座椅子が足りずに立ちっ放しの組としてケーデルの後ろに居た『ミディアミルド物語』主人公その一こと〝青い炎《グルーグラス》〟ミディアム・カルチエ・サーガが、紀博と全く同じ声で口を挟む。……まあ、見た目の顔立ちも殆ど紀博と変わらないのだが、髪と目の色が濃青色であるし、何より服装が異なるので、その点で見分けは付く。
「あ、お前の〝大転機〟は、来る年齢以外は殆ど変わらないみたいだけどな?」
「……改訂版十巻の頃の私として喋る以上、その話題には触れられないのだが?」
「今のお前だとしても触れられないだろ、展開ネタバレって奴になるから」
 ミディアムは笑う。……里の住人は原則、作中で死を迎えている場合は〝死の直前の時間軸〟から切り取られた状態で暮らしている。だが、『ミディアミルド物語』は、現在まさに改訂刊行中の作品である。ミディアムとケーデルの会話は、それを踏まえた上での、「自分達は実際には改訂前版の状態で暮らしているのだが、現在進行中の改訂版の立場に合わせるべきか否か」談義であった。
「それにしても、作品の長短に関わらず上限二名までってのは厳しかねェか? おかげで色気が殆どねえぞ」
 歳三と全く同じと言っても良い顔立ちなのに歳三の後ろで立ちっ放し組に加わっているのは、『綺譚 月石《げっせき》の民』シリーズの内藤隼人《ないとう はやと》。……まあ、彼は、箱館戦争での戦死後に月石の民として〝生まれ変わった〟土方歳三で、既に月石の民として生きている時間の方が長いこともあり、『まなざし』の歳三よりも捌けた雰囲気が強い。また、月石の民は〝不老難死〟であるが故に〝生前〟の負傷による不利益も解消されており、為に、こうして立ちっ放しでも支障がないのである。……因みに、里の外へ作品として公表された中で最も時代が新しいのが、現代を舞台にした短編「Escape!」「それは、二月十五日の夜に」……否、300字ショートショートの「歳三《おれ》達の場合 2017」で、今のところ作中での〝もう生き返れない〟落命には至っていない為、里内ではその辺りまでを踏まえた状態で暮らしている。
「大体、主人公クラスって指定なのに、お前ら主人公だったか? って連中が来てるし」
「……悪かったな」
 むすっとした表情で呟いたのは、緑色の飾り布を巻き込んだ白ターバンに黒マント、の下に黒ローブという出《い》で立ちの青年。最初は立ちっ放しの組、しかも「土足禁止が面倒だ」と言って部屋の外に居たのだが、此処に集まった里人の中で最も背が高く、突っ立たれてたら鬱陶しいし邪魔だから座れと歳三から強引に隣の席を与えられ、黒ブーツを脱いだ裸足の片胡坐《かたあぐら》で不本意そうに長身を屈めている。
「いや、別に悪かねェが、お前らのとこの『小説BADOMA』とやらは、パーティー八人の中で誰が主人公とはハッキリ決められてなかったンじゃなかったっけか?」
「あ、それ、誰が行けばいいのかなって里長に訊いたら、『もう続編の執筆には取り掛かってますから、タンジェ君とクニンガン君で無問題ですねー』って言われたんだ」
 体毛が茶色く背中の針が緑色という〝ハリネズミ〟を、そのまま人間の子供サイズに大きくして、少し手足を伸ばした……といった感じの外見、そこに衣服らしきものを器用に纏った生き物が、申し訳なさそうに耳の裏を掻く。タロパ族と呼ばれる種族の青年、クニンガンである。短い足を座卓の下に投げ出して座りはしているが、尻尾が閊えるので……と座椅子は使わず、座卓の短辺側で畳に直に陣取っている。完結済みノベライズ作品『小説BADOMA』の勝手な続編では、斜め隣で片胡坐を掻いている友人・黒魔道師タンジェと共に旅に出る……ことになっているが、残念ながら、まだ執筆がそこまで辿り着いていない。
「あー成程、シリーズの主人公クラスだから無問題、ってわけか。確かに、続編の方なら、ゲームノベライズの方で割と目立ちまくってた吟遊詩人の兄ちゃんの出番は三巻辺りまでないらしいしな。考えたな里長」
 にやりと笑った隼人は、場に集った面々を見渡し、「んー……この中だと、全体を見て司会が出来るのは頼山氏だけじゃねえか?」と首をかしげた。
「呼び出した里長自身が仕切るのが一番なのに、席を外してやがるんだもンなァ。……頼山氏なら、何だかんだで里の事情に一番通じてるだろ。何故か妙に里の事情に通じてるって辺りだとケーデルの奴もそうなんだろうが、今回の場合は〝改訂版本伝十巻までモード〟で喋らなきゃならねえってな制約があるし」
「うーん、俺は司会向きの性格じゃないんだけどなぁ」
 紀博は苦笑いしたが、仕方なさそうに軽く両手を挙げ、クニンガンの向かいに当たる座卓の短辺側、座椅子が置かれていなかった場所にすとんと腰を落ち着けた。
「まあいいか、今年の振り返りと来年の見込みについてだし、あんまり面倒な話にはならないだろ。……で、今年の振り返りと言えば、まずは何と言っても『魔剣士サラ=フィンク』のおふたりさん……って言うか、他の作品は本の形では里の外に出てないも同然だから、おふたりさんに訊くしかないんだけど、えーと、サラ=フィンク、兎にも角にも完結はしたようで、今年を振り返ってどうだった?」
 その言葉に、ミディアムの隣の位置で佇んでいた黒ずくめの青年――サラ=フィンクは、居心地悪げに身じろいだ。紀博やミディアムほどには野間みつね作品の典型的な主人公顔というわけではないが、タンジェ同様に黒い髪と黒い瞳、しかも一重瞼で切れ長の目、という点では間違いなく野間みつね作品の主人公顔の要素を持っている。……まあ、皆々、疲れてきたり目をこすったりすると奥二重であることが判明するというパターンが多いのだが、これは歳三や隼人もそうなので、何だ結局主人公クラスはみんな何処かしらが同じ目鼻立ちってことではないのか……という疑惑が涌いてこないでもない。……あーいや勿論、そもそもケーデルは全然〝野間みつねの主人公顔〟ではないし、紀博とミディアムが髪と目の色が違うだけのそっくりさんで、歳三と隼人が作品世界が違うだけの同一人物である、という事実は勘案していただきたいところではあるのだが。
 因みに、サラ=フィンクの場合、強いて言うなら、同じ切れ長一重瞼の黒目と黒髪でも、紀博よりはタンジェと似通っていると言えなくもない。……特に、耳の形が。
「……脱稿が、こっちの暦で五月で、入稿とやらの締切が六月末だったから、結構ぎりぎりだった。だから推敲し切れてなくて、印刷後に、ぼろぼろミスが見付かってる。もう半年寝かせられていれば、もっとまともな状態で出せてたんだろうが……どうしても、今年の夏の祭典とやらに間に合わせないとならなかったらしい」
「あーっと、そういう振り返り……でいいのかな? 何か違う気が……」
「違う?」
「違うと言い切るのは語弊があるけど……」
 紀博は苦笑いを浮かべた。彼の知る限り、『魔剣士サラ=フィンク』の面々には、この種の楽屋モノ座談会の経験がない。そのせいだろう、何をどう話せば良いかが今ひとつピンと来ていない様子が窺えるのだ。
君の振り返りの側面が欠けてるんだ」
「作品の今年を振り返るわけじゃないのか?」
「あ、わかった。今サラ=フィンクが喋ったのって、里長さんの代弁みたいなコメントだったでしょ? 多分、そういう振り返り方じゃなくて、今年のあたし達がどう過ごしたかを訊かれてるんじゃないかしら」
 この場の紅一点、サラ=フィンクの前で座椅子に横座りしているミルシェことミルシリア・エル・カーリーが、草色の瞳をパッと輝かせ、正鵠を得た言葉を挟む。先日里長のインタビューを受けていることもあって、多少は勝手がわかっていたのかもしれない。
「でも、そういう意味だと、今年の新作部分って、去年から書いてて越年になった話からよね。……そう言えば、あの話って、珍しくサラ=フィンクの語りで進んだのよ。サラ=フィンクが語り手になるのはあたしと出会う前の昔の話だけよねーって思ってたから、吃驚したわ」
 彼女が言っているのは、「北行の旅路」篇のことである。第二部最終話「王の復活」のひとつ手前の話で、確かに、サラ=フィンクの一人称で物語が進行する。
「ああ、あれは、わざとだな。前に、語り手が伊東の奴だった話の話題で、里長が話してたことがある」
 歳三が低い笑いを洩らす。……伊東、とは、新選組で一時期参謀を務めたこともある伊東甲子太郎《いとう かしたろう》のことである。『まなざし』に於いては、無茶苦茶簡単に言えば、歳三に恋着した余りに身を滅ぼすことになった人物として描かれている。
「確か、語り手の思考が揺らいだり矛盾したり一方に偏って凝り固まったりする様を書いて、その流れに読み手を引き摺り込む……と言って悪ければ誘導するのに向いている、といった趣旨のことを言っていた」
「今回の話だと、視野が狭くなる辺りを狙ってたんだろうな」
 紀博もくすくすと笑う。
「里長の手口をよーくよく知ってる俺の目から見たら、うわぁ、やばいぞこいつ、事前に情報を得るチャンスを何度も貰ってるのに全部自分で潰して回ってるぞ……都合の好い方向に自分を納得させて油断しまくってるぞ……だったしなぁ。ついでに、改ページと改段のタイミングまでガッチリ調整された最後の最後でドン! って遣り口も、里長のお馴染みの技だったし」
 サラ=フィンクは不機嫌そうな表情を見せたが、流石に何も抗弁は出来なかったらしく、沈黙を守った。
「まあ、それでも概ねの大団円には辿り着けたわけですから、良かった方でしょう」
 何処か場を取り持つような口調で、ケーデルが涼やかな低声を挟む。
「めでたしめでたし、とは言い切れない終わり方だったとは思いますが……」
「え? 全くの平和な結末に読めたけど、違うのか?」
 首をかしげるミディアムに、ケーデルは肩を竦めた。
「サラ=フィンク殿にとっては永訣が潜んでいただろう。大方の面々にとって平和に見える結末でも。……ともあれ今年は、ようやく〝里の外に出た〟ばかりですし、続編はないにせよ外伝集の話も出ているようですから、来年もそこそこ動きはありそうですね。所謂ネタバレに抵触しない範囲で、来年の抱負などありますか」
 ケーデルの奴、何だかんだ言いながら結局司会っぽい発言を始めてるじゃねェか――と思った隼人であったが、黙っていた。どんな役割にせよ、場で最も向いている者が務めるのが無難であるに決まっているのだ。
「あたしは出番がなさそうだから暇だけど、サラ=フィンクは少しは出番があるの?」
 ミルシェの問い掛けに、サラ=フィンクは中途半端なかぶりの振り方をした。
「……出るとしても、子供の頃の俺だ」
「つまり、予定されている外伝集は親世代の話が中心になるということですね?」
「ああ。ただ、来年の刊行は無理だと思う、と里長が話していた。何でも、発表から一年間の他出制限を受ける話が混じっていて、そちらが今年の内の公開にはならないらしいから、自ずと来年の刊行は無理、という話だった。だから、来年は、リファーシアを舞台にした話が本の形で里の外へ出ることはないと思う」
 ……相変わらず、里長の代弁めいたコメントだと舌が滑らかになるサラ=フィンクである。
「成程。……恐らく来年は、我々を含め、今年の内には外へ出してもらえなかった作品世界の住人が外に出る番になるのでしょう。そちらの方も、確か動いていましたね」
 ケーデルから「そちら」として話を振られた黒魔道師タンジェは、やや不本意げに肩を竦めた。
「動いていると言えるのかどうか。あんなに短いプロローグが、まだ終わってない為体《ていたらく》だし。……動き始めれば一気だと言いたいところだが、そっちも動いてるみたいだし、どっちが先になるか」
「本伝の続き、何年も出ていってないからなぁ」
 「そっち」と目を向けられたミディアムが、苦い笑みを浮かべる。
「夏までに形になってくれたら少しホッと出来るんだが、こっちもまだ最初の章が終わってないんだ。次の十一巻で色々と大ごとが起きて、ケーデルの奴にも〝大転機〟ってのが来るわけだから、さっさと出せよって感じなんだけどな」
「……展開ネタバレは厳禁だぞ、ミディアム・サーガ」
「この程度じゃ展開ネタバレとは言わないだろ。精々仄めかしって奴だ」
「あー、ほら、そこ、陰険漫才やってないで、話を進めるように」
 紀博が苦笑気味に割って入った。……一応、脱線しかけたら自分が引き戻さねばならない、という意識は残っているらしい。
「見込みとしては、タンジェのところの続編第一巻か、ミディアムのところの続きか、どちらかが夏の祭典に間に合えば、という感じかな?」
「うーん、俺達としてはそうだと有難いんだけど、番狂わせの大穴も有り得るからなぁ」
 ミディアムはまたぞろ苦笑いでかぶりを振る。
「番狂わせの大穴?」
「例えば、今日此処には来てないけど、『通り名《ランナーネーム》はムーンストーン』のところの新作とか、あとは『まなざし』のところの傍話集の下巻とか」
「ああ、亡霊の奴が語り手になる話か」
 歳三が笑う。……「亡霊の奴」とは、先述の伊東甲子太郎の成れの果て、殺されても成仏し切れず歳三の周囲に暫く居続けた亡霊のことである。この里の『まなざし』エリアには、「生身先生」とも俗称される生前の伊東甲子太郎と、「亡霊先生」とも俗称される亡霊の伊東甲子太郎とが、全く違和感なく同時に存在しているのである。
「こっちには、余程のことがない限り来ないと思う。何しろ里長が、『下巻を出すより、全部纏めて一冊にしようかなあ』とか何とか呻いてるからな。何でも、下巻の原稿が、単純計算で上巻と中巻を足した分量よりも多くなる見込みなんだとさ」
 下巻だけ太いんじゃ恰好が付かないから、いっそ一冊に――ってことらしいな、と歳三は唇を緩めた。
「それはこっちも……えーと、代理応答になるけど、『通り名はムーンストーン』の方も似たような事情があるから、多分、来年は無理だと思う」
 咄嗟に「こっち」と言ってしまって言い繕いながら、紀博が言葉を挟む。勿論、作品世界は別でも背景世界は同じ〝架空の世界史の延長線上にある未来世界〟だから、「こっち」と言っても変ではない、のだが……作者たる里長の目から見ると明らかに〝うっかり口を滑らせかけた〟発言である。おいおい。
「そのシリーズの新作を出すなら、品切絶版になってる第一作『600万ダラーの仕事』先に改訂再版しなきゃならない、って言ってるもんな、里長。因みに、第二作目のタイトルは、前々から『サイオニック・リョーコ』になるって決まってるらしい」
 ……『600万ダラーの仕事』のタイトル元ネタがわかる方なら、何ゆえ次作タイトルが『サイオニック・リョーコ』に決まっているのかも恐らくわかっていただけるのではなかろうか……というのが里長の密かな呟きである。
「そんな訳だから、どっちの作品も『新しいのを書いて出せばいい』という話にはならなくて、その分、刊行へのハードルが高い。それよりは、『ミディアミルド物語』や、『小説BADOMA』続編の方が、書いたらそのまま出せる分、世には出易いと思う」
 あと、夏の祭典とやらには〝創作文芸〟ジャンルで参加してるから、刊行の優先度は『ミディアミルド物語』の方が高いんじゃないかな――という紀博のコメントに、ミディアムは嘆息を洩らした。
「どうかなぁ……そういう時に限って、タンジェの奴の方の話が先に進んだりしそうなんだよな、里長の今迄の所業を見るに」
「……それなら、こっちとそっち、二冊とも出せばいいだけの話だろ」
「タンジェ、そんな気楽に言っちゃ駄目だよ」
 タロパの青年クニンガンが、困ったように制する。
「新年からの半年なんて、意外に短いんだ。……どっちも間に合わない可能性だってあるんだし」
「下手をしたら、新刊は『蔵出しミックスナッツ』系の第三弾『捻り出しミックスナッツ』です、って羽目になっちまうよな。避けたい未来だろうけど」
 隼人が肩を竦める。……冗談に聞こえないのが怖い。
「流石にそれはないと思いたいですね。……順調に行けば、我がマーナでの話が大半になる予定の巻ですから、本命は私達の本伝十一巻でしょう」
「何だよケーデル、レーナでの話が大半だったら出ないだろうってか?」
「穿ち過ぎだな、ミディアム・サーガ。……次巻の流れはマーナ側に向かうし、里長が前から『書いておきたい』と話している諸々がマーナ側の人間の方に大いに溜まっているという事実を捉えての話だ。……ともあれ、なるべく早めに、里の外へ出ておきたいものですね」
「……さらっと誤魔化された気がするぞ、くそっ」
 ミディアムは軽く口を尖らせたが、気を取り直したように「まあいいか」と呟いた。
「仮に夏の祭典には無理だったとしても、来年の内には何とかなるだろ」
「ま、何にせよ、忙しいのは結構なこった。……俺の方は、今年全く動きがなかったからなァ。来年も動く気配は皆目ねェし、まあ、里の外に出ねェ辺りを色々冷やかして歩くさ」
 軽く伸びをした隼人が、「ん、そう言えば、俺で最後だったか?」と些かばつが悪そうに呟く。視線を受けたケーデルは、静かに微笑みながら頷いた。
「そうですね、土方殿は何げなく話されてしまわれましたし、あとは内藤殿だけでした」
「そっか、悪ィ悪ィ。……とは言え、実は、俺の話も、大穴の一角ではあるんだぜ? 『歳三《おれ》達の場合』は、何でか知らねェが思い出したように貰われていく話で、『もっと読みたい』ってな読者が一部に居るらしい」
「だけど、里長はひとりしか居ないし……動く時は一気だけど、動かない時は本当に動かないから」
「だよなぁ」
 紀博が苦笑気味にかぶりを振ると、ミディアムが同様に苦笑気味の嘆息で応じた。
「今年はとにかく『魔剣士サラ=フィンク』に明けて『魔剣士サラ=フィンク』に暮れるみたいな年だったから、来年はもっと色んな話が里の外に出ていく年になればいいよな」
「最低でも二冊は新作を、というところだろうな。……さて、では、そろそろお開きですか。皆さん、何か語り残したことはありますか」
 ケーデルが面々を見渡すと、「はい」と隣で手が挙がった。
「でしたらミルシリア姫、どうぞ」
「有難う、ケーデルさん」
 ミルシェは、会釈程度に頭を下げる。……後ろでひと括りに束ねられている金髪が、動きにつれて流れる。
「えーっと、来年、確かにあたし達は里の外には出ないと思うけど、あたし達の本は次の夏の祭典までは確実に最前面で積まれてると思うから、宜しくね、って」
 その後は、ちょっとわかんないけど……と小声になるミルシェに、後ろのサラ=フィンクは肩を竦めた。
「初めてのイベントとやらに行く場合は、夏以降も最前面に積まれるだろう。……多分な」
「でも、他の本より桁外れに厚いでしょ? 物凄く場所取っちゃうからなぁ……」
「そこは里長が何とかしますから、心配しなくて良いですよ」
 ケーデルは涼しい顔で宣《のたま》ってくれる。……うん、まあ、確かに、里長は今迄も何とかしてきたし、今後も何とかするけどね。
「では、本日はこれにてお開きと致しましょう。皆さん、お疲れ様でした」
 結局場を仕切り終えてしまったケーデルが発した締めの言葉で、里長の執筆部屋に集っていた面々は「じゃあな」だの「好いお年を」だのと挨拶し合いながら退席してゆく。
 ……が、紀博とケーデルだけは何故か、立ち上がろうとせず、その場に残っていた。部屋の入口から最も遠いが故に動き出すのが最後になったミディアムが、怪訝そうに振り返る。
「何してるんだ、ケーデル。戻らないのか」
「結局、司会のような恰好になったしな。皆の退席を見届けてから戻る」
「ふうん、律儀だな」
 じゃ、お先に、とミディアムが執筆部屋を出ていく。それを見送ったケーデルは、紀博に目を転じた。
「どうされたのですか、頼山殿」
 ……素知らぬ顔で胡坐を掻いたまま居残っていた紀博は、問われて初めて、半眼で薄い笑みを浮かべた。
「いやー、折角だから、ちゃんと皆の退席を見届けようと思って」
「……それは確かに、最初は頼山殿が司会をされてはいましたが……結局は私が仕切らせていただきましたし、お気遣いは無用に」
「気遣って残ってるというか、見たくて残ってるというか。……ま、取り敢えず、足を何とか崩すこった。正座のままじゃ、ずーっと立ち上がれないぞ?」
 にやっ、と人の悪い笑みを浮かべる紀博に、ケーデルは二度瞬いた。……この〝二度の瞬き〟こそは、滅多なことでは動揺を面に出すことのない彼が、内心でひどく動揺した時の無意識の癖であった。
「……お人の悪い」
「いや、俺も何年か前に、里長から同じことやられたから。悪いが、正座に慣れない奴に敢えて正座させてるって時点で、オチは見えてたさ」
 紀博は、ケーデルの足の裏を容赦なく――ぽんと軽くではあったが――叩く。流石に、くっ、と小さな呻きを洩らしたケーデルであったが、それでも可能な限り平然とした表情で、そろそろと用心深く足を崩した。
「……予想していたなら、その時点で教えていただきたかった」
「いやー、里人は、恰好悪いところを描いてもらえてこそ一人前、だろ。……なんてことは、お前も里長との付き合いが長いからよく知ってるもんだと思ってたんだが」
「……正直、油断していました」
 ケーデルは座卓に突っ伏す。……作品世界が違う分、些少の弱さは見せても良い、と判断したのだろう。
「ま、作品世界なら〝らしくない〟油断でも、この部屋に来てる時は色々緩くなるから仕方ないさ。……出来るなら超能力《ちから》でさっさと治してやりたいところだけど、お前相手だと、そうも行かないしなあ。……ミディアムの奴には黙っててやるから安心しろ」
「……痛み入ります」
 突っ伏したままで呻くケーデルは、まだ当分は動けそうにない。紀博は短く声立てて笑うと、さも何も知らぬげに今更入室してきた里長に、ぱちりと片目を瞑ってみせた。



 以上、お粗末様でした~。
 来年も、里人共々、拙作をどうぞ宜しくお願いします。……年が明けましたら、毎年恒例の年頭抱負記事を公開致しますね(笑)。

2018年の纏め

 年末恒例(と言うほど続いてない(汗))年頭の抱負記事と突き合わせての答え合わせ記事を、今年も掲載しておこうと思います。

 なお、こちら、ななさん企画の「創作TALK」参加記事・第一弾となっております。

年頭の抱負
【出したい新刊リスト; あくまで希望】
8月……『魔剣士サラ=フィンク』全1巻(第一部総集編も合本/上製本にする)
      ※出来れば夏コミ合わせの新刊で
その他……『ミディアミルド物語』本伝11巻、『小説BADOMA』続編、ミックスナッツ系の短編集、ほか

 ……「その他」が全滅ですね(汗)。
 まあ、でも、やっと『魔剣士サラ=フィンク』を刊行出来たのは良かった……。

現実
【出した新刊リスト;改訂部分の殆どない再版モノは除く】
『第4回「長編上等」 マップ兼ブックレット』
7月……『第4回「長編上等」 マップ兼ブックレット』

※企画参加者様の作品紹介を、文庫目録風に纏めた冊子。自作品とは言いづらいのだが、編集・発行は当方で行なったので、まあ、まあ……。なお、編集時期が『魔剣士サラ=フィンク』の修羅場と重なることがわかり切っていたので、僅か8ページのうっすい冊子に(汗)。


『魔剣士サラ=フィンク』
7月……『魔剣士サラ=フィンク』

※納品されたのは8月だが、公式刊行日は7月17日なので、7月扱い(苦笑)。表紙込み820ページ・背幅5cm弱・1,090gにつき、通称、「超鈍器」……。


『ミディアミルド物語 超かんたん試し読み』
10月……『ミディアミルド物語 超かんたん試し読み』 改訂第四版

『ミディアミルド物語』の各巻から2ページずつの抜粋を掲載する、無料試読用の冊子。うすーく見せる為に、敢えて薄手の本文用紙を使用している(苦笑)。外伝集6巻の抜粋が新たに加わった為、おまけ収録されている朱美てんてーのイラスト類は、第三版より2ページ減(汗)。


『魔剣士サラ=フィンク 44/820』
11月……『魔剣士サラ=フィンク 44/820』 無料試読冊子

※従前の刊行準備冊子で使った内容は、展開こそ変わらないが細かな部分で実際の刊行物とは異なっていることから、作品の舞台になっている世界の地図と人物紹介も掲載し、装幀を超鈍器に近付ける形で出し直した。……超鈍器に見た目のインパクトがあるせいか、夏コミ以降試読冊子の需要が俄かに増加し、刊行準備冊子がパカパカ貰われていくようになったことが遠因(汗)。


 もうちょっと新作を出したかったなあ、というのが本音ですが、超鈍器を見せびらかして回る為の直参&委託イベント出まくりもあって(汗)、金銭的にも時間的にも体力的にも難しかったです(苦笑)。
 来年は、最低2冊は、再録モノではない本を出したいですねー……。



 イベント参加の方は、突き合わせと一緒に載せます。
 直参したイベントでは報告記事にリンクを張っておりますので、御用とお急ぎのない方は、お気が向かれましたら覗いてやってください。……大抵の記事が長いので、御注意を(汗)。

【イベント参加リスト】
1月21日(日) THE ADVENTURES project010 (@郡山/委託参加/年間委託)★
3月11日(日) 花鳥風月 137 (@松江/委託参加)
4月1日(日) ADVENTURESin郡山-Revolve- (@郡山/委託参加/年間委託終了)★
5月6日(日) 花鳥風月 138 (@松江/委託参加)
6月10日(日) 第二回 静岡文学マルシェ (@静岡/委託参加)★
6月17日(日) 北海道COMITIA 8 (@札幌/直接参加/報告記事
7月15日(日) 花鳥風月 139 (@松江/委託参加検討)→申込時期がテキレボ準備期と重なり、参加見送り
7月16日(月・祝) 第7回 Text-Revolutions (@台東区/直接参加/報告記事☆☆
8月12日(土) コミックマーケット 94 (@江東区/直接参加/報告記事
8月26日(日) 花鳥風月 140 (@松江/委託参加)
9月9日(日) 第六回文学フリマ大阪 (@大阪/「夢花探」さまへの委託)
10月7日(日) 尼崎文学だらけ (@尼崎/委託参加)
10月14日(日) 名古屋COMITIA 53 (@名古屋/直接参加/報告記事
10月14日(日) 花鳥風月 141 (@松江/委託参加検討)→名ティア参加と重なり、参加見送り
10月21日(日) 新潟COMITIA 50 (@新潟/委託参加)★ ※無料配布は出た
11月4日(日) 九州COMITIA 2 (@北九州/日程によっては直接参加を検討)→日程が合わず、参加見送り
11月25日(日) COMITIA 126 (@江東区/直接参加/報告記事)★ ※無料配布は出た
12月2日(日) 北海道COMITIA 9 (@札幌/委託参加)
12月9日(日) 花鳥風月 142 (@松江/委託参加)

 例によって、後ろに付いているマークは、有料頒布物が1冊でも出たか否かを示すものです。(白星/星の数は桁数)は出たもの、★(黒星)は出なかったもの。……勝敗というわけてもないんですがね(汗)。
 んで、当方、売上金額や頒布数を曝すことは原則ないのですが、まあ、白星の数でお察しくださいと(苦笑)。
 因みにテキレボでの白星数は、「お買い物代行サービス」対応分を含んでいます。

 ……しかし、相変わらず、花鳥風月さんの凄さが際立ちますね……今年は特に、思い切って枠一杯に預けてみた『ミディアミルド物語』をいきなり全種一気にお持ち帰りになった&どうやら続きも押さえ続けてくださっている神ばかりか、新たに最初の方の複数巻をお求めくださったおふたり目の神まで現われるという、神(々)在りイベントっぷり(平伏)。委託で此処まで「毎回、何かしらが貰われてゆき続ける」のは、花鳥風月さんだけです(驚)。……勿論、この結果は、1サークル当たりの委託枠が破格の9枠という花鳥風月さん特有の条件にも助けられているものと思っております。9枠もあったら、冊数の多いシリーズ物でも比較的預け易いんですよね(笑)。

 今年の全体的なトピックとしては、超鈍器が出て以降、各地への委託で超鈍器チャレンジャーが何人か出現された&超鈍器の無料配布冊子が普段より貰われていったことが挙げられます。あのガタティア――他所では少なからず引き合いのあった、稀少体験を綴った100円冊子ですら全く動かなかったので流石に一時撤退した委託イベント――でさえ、試読向きの無料配布冊子が減って戻ってくるという驚愕の事態。
 ちょっと趣旨とはズレますが、秋のコミティアまで待てないからと、「架空ストア」さんでの通販でお求めくださった方々も。有難いことです……。
 頒価に目を向けてしまうと、お手に取っていただくのはなかなか厳しい……とも思う超鈍器なのですが、1冊で完結していることや見た目のインパクトが大きいことが、御関心を持っていただける結果に繋がったのかな、と思っております。

 なお、文フリ大阪(他サークル様への委託)、あまぶん(委託)、名ティア(直参)が、今年の初参加ベントでした。そして、どのイベントでも超鈍器がお迎えされていったので、「ああ、つまり目に見える形で『突き抜けている』とわかる本は、そもそも手に取ってもらえるか否かのハードルをクリアし易いってことなんだな……」と実感した次第です。
 来年も、超鈍器を抱えて各イベントをウロウロさせていただきますね(笑)。……皮切りは、『ティアズマガジン』のPush&Reviewで超鈍器を御紹介いただけるとの御連絡を頂いたことで急遽参加が決まった2月17日の「COMITIA 127」から……(白目)



 「創作TALK」参加記事の第二弾は、一応は小説の形を取った、ちょっとした楽屋落ちの振り返り記事になる予定です。
 年内には何とか公開したい……と考えながら執筆しておりますので、宜しければ、そちらも覗いてやってくださいませませ。

 12月9日開催のオールジャンルイベント「花鳥風月 142」への委託予定リストをアップ致します。

花鳥風月142 サークルカット
配置 : 委託 7

 今回は、拙サークルの看板作品である『ミディアミルド物語』の中から、7種を委託致します。委託枠の関係で途中の巻がごっそり抜けますが、もし本作を新たにお手に取ってくださる方がおいでとわかれば、次回以降での委託を前向きに検討致します(笑)。
 初委託となるのは、「花鳥風月138」委託分の続きに当たる本伝8巻及び9巻です。
 なお、今回のサークルカットは重要脇役のタリー・ロファとなっておりますが、これは、まあ、初委託する巻がその2冊ならそりゃそーだよねー、というチョイスでございます(爆)。……んで、そのサークルカットに引き摺られる恰好で、彼が中心となる外伝集2巻までを……☆-(。。)\ばき
 (あ、現在は挿画はございませんので御了承ください(汗))

 前回参加した「花鳥風月140」で幾許かの無料配布冊子が貰われていった『魔剣士サラ=フィンク』も引き続きお送りすると共に、先日新たに作成した無料試読冊子も初委託させていただきますので、どうぞ宜しくお願いします。

 それでは、以下、書影付きで紹介致します。



花鳥風月では初頒布の既刊
『垣間見る未来』 ■ 垣間見る未来 -ミディアミルド物語 8-
 クピー・ニルグリスは、バタールの戦いで負った傷の癒えぬジス・エルミを伴い、故郷であるムグロールへと赴く。しかし、その転地療養の真の意図は、ジスではなく、クピー自身の体調に因るものであった。翌年の初夏、そのクピーからムグロールへ呼び出されたミディアム・サーガは、辿り着いた宿場町ケイで、驚きの光景を目にすることになる……
 A5判、188ページ、頒価700円。
 続く9巻にあっさり抜かれましたが(汗)、それでも、本伝の中では過去2番目の厚さです。
 ……薄い本を沢山頻繁に出すよりも、それなりの厚さの本をそれなりのペースで出す方が、読者の皆様の懐にも作者の懐にも優しくなるんですよねえ、トータルでは(苦笑)。

『祝婚』 ■ 祝婚 -ミディアミルド物語 9-
 レーナの長老候補ソフィア・レグが婚約したという知らせが、未だ新年の祝賀気分も色濃いマーナ宮廷にも届く。マーナ王ララド・オーディルは、その知らせを携えてレーナから来着した使者に対し、早速に慶賀使節を差し向ける由を告げると、その使節団の副使として、近衛副長タリー・ロファを指名したが……。
 A5判、260ページ、頒価1,000円。
 ぶっちぎりで、シリーズ最厚の巻となりました(汗)。
 測ってみたら、2cmとな(爆)。
 この厚さを超える巻は、本シリーズ中では流石にもう出ないんじゃないかと思っています……。
 そして、見た目はそんなに厚いのに、作中時間は1か月弱しか経過していないという(苦笑)。

『魔剣士サラ=フィンク 44/820』 ■ 『魔剣士サラ=フィンク 44/820』 無料試読冊子
 今夏刊行した『魔剣士サラ=フィンク』から、「トータル・プロローグ」及び「砂漠の暗黒神殿」篇第2章までを収録した冊子。
 単行本刊行に伴い、これまでの「刊行準備冊子」から、こちらに移行。820ページ本の試し読みに最適。
 A5判、44ページ。
 820ページの中から44ページ、という意味で、このタイトルにしました。
 初版は、単行本の中身(カバー下)と同じミニッツGA(※色は違いますが)に、カラー印刷表紙です。
 刊行準備冊子には収録していなかった人物紹介とリファーシアの世界地図も掲載しています。
 イベントでは無料配布ですので、どうぞ遠慮なく貰っていってやってくださいませ。


その他の既刊
『ナブ・ナブオーヴァ』 ■ ナブ・ナブオーヴァ -ミディアミルド物語 1-(改訂第五版)
 クデン国ヴェルナーサ村で暮らすミディアム・サーガ少年は、或る日、軍事大国の一として知られる隣国マーナで傭兵隊に所属しているという男ベーダ・アルカナと知り合う。それを切っ掛けに自分も傭兵になろうと考えるようになったミディアム少年は、やがて、母フィーナと故郷を捨てるようにして、マーナの都デラビダへと赴くが……
 A5判、124ページ、頒価500円。
 2017年10月、改訂第五版刊行。
 架空世界〝ミディアミルド〟は、所謂《いわゆる》超能力者が当たり前にごろごろしている世界です。但し、その〝超能力〟は、我々が言うところの「ちょっと足が速い」とか「ちょっと耳がいい」とか、そういった程度のものでしかありません(苦笑)。
 そして、ミディアミルド語で「ナブ」は、否定を表わす言葉。「オーヴァ」は〝能力〟或いは〝能力者〟を指す言葉。と、いうことは……
 因みに、本伝は現在、10巻まで刊行されています。

 第四版での誤りや用字等を改め、第五版となっております。

『鷹の子』 ■ 鷹の子 -ミディアミルド物語 2-
 マーナとの戦いで、伝統ある王国フィリスは滅亡した。だが、フィリス王太子タラティレ・ジェサイアに嫁いでいたマーナ王女ディープレ・オーディルが、その忘れ形見を懐妊していた。生まれてくる赤子の命を奪えという密勅を受けたマーナの女性武人デフィラ・セドリックは、王女の保養先ヴェルナーサ村に共に滞在する……
 A5判、164ページ、頒価600円。
 主人公その2であるケーデル・フェグラムが登場します。
 リライトしたおかげで新たな章が幾つも追加され、リライト前とは最も異なる一冊となりました。

『清水は未だ青く』 ■ 清水《せいすい》は未だ青く -ミディアミルド物語外伝集 1-
 マーナ王国きっての武家の名門セドリック家本家の一女デフィラは、十七歳の秋、一頭の仔馬を与えられる。フィズと名付けられたその仔馬の世話や馴致に夢中になるデフィラ。自ずと剣の稽古も疎かになる中、やがて彼女は、年末恒例の将校以上自由参加闘技会に初めて参加するが……
 表題作の他、掌編「化粧」及び「死の使者」を収録。
 A5判、124ページ、頒価500円。
 本伝2巻と3巻との間でお読みになることを強く推奨しています。
 マーナの女性武人デフィラ・セドリックを中心に据えた外伝集です。
 リライトしたことにより、新章が増えたばかりか収録作品自体が増えております(汗)。
 なお、外伝集は、現在6冊刊行済みです。本伝と異なり続き物ではありませんので、それぞれ単独でも読めます。

『ダグディグル・グルーグラス』 ■ ダグディグル・グルーグラス -ミディアミルド物語 3-
 掛け替えのない女性と故郷を喪った〝青い炎《グルーグラス》〟ミディアム・サーガ。彼が己を解放出来るのは、もはや、血塗られた戦場しかないのか。
 一方、その才幹を発揮し始めた〝マーナの知将《ドー・ルーム》〟ケーデル・フェグラム。目に見えぬ血に汚れてゆく彼の手は、一体、幾つの玉座を潰えさせるのか。
 そして、領土を拡大してゆくマーナの前に、やがて……
 A5判、108ページ、頒価500円。
 リライト刊行した4冊の中では最も改訂要素の少ない巻です……なので、これだけ「リバイス版」と称しております。
 多分、シリーズ中でも最薄の巻になるのではないかと(苦笑)。

『最後の一年、最初の一日』 ■ 最後の一年、最初の一日 -ミディアミルド物語外伝集 2-
 俺、タリー・ロファは、マーナの近衛見習として、十三歳の時から十六歳の現在まで、大過なく務めてきた。十七歳になる今年、いよいよ見習最後の一年を迎えた俺は、自分がこれから一年間専属従卒として付くことになる初年兵の名を近衛隊長から告げられたのだが……
 表題作の他、掌編「夜の一頁」、表題作より遙かに長い(汗)「紳士は豹変す」、短編「幻視」を収録。
 A5判、196ページ、頒価700円。
 マーナの近衛兵タリー・ロファを中心とした話を集めています。
 ……裏の主人公は、先輩近衛兵ノーマン・ノーラかもしれません(笑)。

『魔剣士サラ=フィンク』 ■ 魔剣士サラ=フィンク
 かつてケルリ王国を恐怖のどん底に陥れた無差別殺人鬼“魔剣士”サラ=フィンク。しかし、たまたま助けてしまったケルリの第二王女ミルシリアの存在が、彼を次第に変え始める。血に飢えた魔剣ブリザードと己自身を救う手立てを求め、彼女と共に“魔道王国”ルーファラを目指す彼の旅の途上に待っていたのは……
 魔剣を操る青年魔道士と亡国の元王女との旅の途上で起こる事共を描く長編ファンタジー小説。
 A5判(上製本)、820ページ、頒価3,500円。
 何年間も「出す出す詐欺」状態だった本作も、ようやく、完結刊行まで漕ぎ着けることが出来ました。
 単巻読み切りです! と胸を張るには分厚過ぎる代物になってしまいましたが、二度と同じ装幀では刷れまいと思われますので、品切れ即絶版となることは確実。もしも僅かにでも惹かれる部分がございましたら、取り敢えず押さえておいて積ん読タワーの土台に是非(違)。




 以上、当日「花鳥風月」会場(くにびきメッセ@島根県松江市)に足をお運びの皆様、御遠慮なく覗いていってやってください。
 委託サークルナンバーは、「7」となっております。
 見本誌を除いた委託冊数は、それぞれ以下を予定しています。

   ★ 『魔剣士サラ=フィンク』 : 2冊
   ★ 『魔剣士サラ=フィンク 44/820』 : 10冊
   ★ 『ミディアミルド物語』各巻 : 2冊ずつ

 品切れの際は何卒御容赦ください。

 此処に掲げられていない情報は、本サイト内の紙媒体他作品目録ページを御参照ください。試し読みの為の抜粋ページも、刊行物毎に設けてあります。

 なお、今回委託する有料頒布物については、創作文芸見本誌会場「Happy Reading」にも見本を投稿済みですので、併せて御覧ください。こちらのページからどうぞ。
 テキスト版の試し読みは短いですが、PDF版は結構がっつり(場合によっては一章丸々、短編は一本フルで)提供しておりますので、出来れば、紙媒体と同じ組み方になっているそちらをダウンロードしてやっていただければ幸いでございます。
 (『ミディアミルド物語』は、紙媒体作品目録にも、本伝外伝集とで掲載位置は分かれていますが、各巻毎に試し読みを置いてあります。また、『魔剣士サラ=フィンク』は、こちらのページトップまたは末尾のリンクから3か所分辿れます。いずれも、基本的に、「Happy Reading」さん掲載分とは別の部分です)

「Happy Reading」掲載ページ
   ■ ナブ・ナブオーヴァ → こちらから
   ■ 鷹の子 → こちらから
   ■ 清水は未だ青く → こちらから
   ■ ダグディグル・グルーグラス → こちらから
   ■ 最後の一年、最初の一日 → こちらから
   ■ 垣間見る未来 → こちらから
   ■ 祝婚 → こちらから
   ■ 魔剣士サラ=フィンク → こちらから

 ……そろそろ、他のイベント参加報告と同じタイトルにしておきます(苦笑)。

 さて、去る11月25日、東京ビッグサイトで開催された「COMITIA 126」に、サークル参加してまいりました。

朝の聖地神殿を遠望  あー、色々と工事が為《な》されているのね、ということが見えてくる写真ですな(汗)。



COMITIA126 Z64b 全体
 今回は、憧れの(!?!?!?!?)、1種類しか机に積まないディスプレイに致しました。

 超鈍器タワー(汗)は、夏コミの時より高い、8冊分の高さです(笑)。
 これは、見本誌の隣に裏を見せる本を1冊置いて裏表紙まで見せるディスプレイ方法を採り、手前の横幅感が広がって重量感が増したことから、奥の平積みの高さを上げても高さによる不安感は薄く見える、と考えたからです。
 ……実際にはこの通り、無料配布セットも横に積みましたけれど(苦笑)。

COMITIA126 Z64b 机上  おかげで、拙サークルには珍しいことに、スペース設営も片付けも40分ほどで終わりました。
 これは、合体参加してくださった「虚影庵」さま(深謝)のお手を殆ど煩わせなくても、の時間です! (ぱちぱち)
 いやー、本の種類が少ないと楽ですねー! ……と言いたいところですが、宅配搬出の時に地獄を見ましたので(後述)、次回からは元通りの「既刊全種持ち込み+台車持ち込み」勢に粛々と戻る予定です(爆)。

【おまけ】 ポスター裏面の貼紙

COMITIA126 Z64b ポスター裏面  名古屋コミティアで始めてみたポスター裏面のPOPですが、本家ティアでは、そこまで目立たなかったように感じます(……自分が外出先から戻ってくる時、探しあぐねた(汗))。本家ティアの場合、文芸エリアでも大きなポスターを掲げる方が少なくない為、少々のPOP程度ではあっさり埋もれてしまうというか何と言うか……(苦笑)
 A3判って、自宅で印刷した時には大きく見えるんですが、あの会場では凄く小さいんですよねぇ(汗)。

★★★★★

 さてさて。
 今回のコミティアは文学フリマ東京と同日になった為、小説系を求めてお見えになる方々は少ないのでは……との事前予想もありました。
 ただ、拙サークルのような零細サークルの場合、本家ティアでは殆ど空気なので、お手に取っていただける期待感がそもそも低いです(苦笑)。ならば、ティアにしか参加されない漫画サークルさん(当たり前だ(爆))で買物する為にも、ティア一択ですよね(笑)。

 で、結論から言いますと、有料頒布物(※1種/820ページ3,500円(爆))は全く出ませんでしたが、無料配布セットが、本家ティアにしては仰天するほど貰われてゆきまして。
 おかげで、お預かりしていた300字SSポストカードセットも、割に早めに全てお配りすることが出来ました。預かり物の頒布は自作の頒布よりも責任が重い(と考えてしまう性分)ですから、ホッとします……。
 撤収中にまでお声を掛けていただいたのは、かなり久し振りでした(笑)。
 受け取ってくださった皆様、本当に有難うございました。

 ……と、いつもは曖昧に書いておりますが、たまには御参考までに赤裸々な実数で申し上げますと、昨年の「無料配布物がティアにしては(汗)大いに捌けてゆきました」の時が5セット、今年の「本家ティアにしては仰天するほど貰われてゆきまして」の実績が14セットです。……あーはい、如何に普段のティアで拙サークルが空気であるかがよくわかる数字ですね(大苦笑)。
 という訳で、拙サークルとしては(!)拍手モノの結果でございました。
 何しろ超鈍器(汗)が真横に居ましたから、「こちらの820ページ本の試し読みで44ページ分」と説明し易かったことは大きいでしょう。実物があるとないとでは、試読冊子の価値も大違いですね(苦笑)。
 (余談ですが、後で覗いた見本誌コーナーでは、周囲を埋め尽くす薄い本(物理)の中で明らかに邪魔臭い「物体」でしたわ……(汗))

★★★★★

 ……しかし、今回の一番の難事は、イベント後に待っておりました。
 割と早めに撤収してクロネコ搬出列に並んだ……つもりだったのですが、既にそこは超大手(汗)。しかも、搬出する段ボール箱はひとつでも、820ページ上製本10冊+無料配布冊子20冊弱が詰め込まれたその箱が、長時間持ち上げておくには余りにも重い(汗)。キャリーバッグをキャリーカート代わりにすることで何とか行ける……と考えて頑張ったものの、列の先頭に辿り着くまでに40分以上を要するという大渋滞で折々に列が止まり、その止まった場所が微妙にスロープ(爆)。
 後ろに並んでいる方の足の上に重い箱が落ちないよう、キャリーバッグの持ち手を全力で引っ張り続けていた右腕には、四日経った今でもまだ筋肉痛が残っておりますよ(嘆)。
 来年は、2スペース確保で、マイ台車きちんと持ち込むべし……。
 あと、ガムテープを忘れないこと(爆死)。



 そんなこんなで、今年の直参イベントは、これにて全て終了です。
 特に夏コミ以降は、超鈍器(汗)の実物を見せつつ、その試読が出来る無料冊子を撒いて回る感じになりました。何処までが実際の御購読に繋がるかは来年以降の話となりましょうが、各会場で直に皆様とやり取りさせていただいた印象の限りでは、それなりに御関心を惹くことは出来たのかな、とは思っております……。
 果たして、来年や如何に(汗)。

 12月2日(日)、ホテルライフォート札幌の2階ライフォートホールにて開催される「北海道COMITIA 9」(以降「北ティア」と記載)に於ける、委託予定リストをアップ致します。

北ティア9 サークルカット Z24
配置 : Z 24

 ……元々は、今回から北ティアも委託参加はお休みさせていただこうと考えていたのですが、来夏の直参より前に、『魔剣士サラ=フィンク』を見本誌読書会に提供しておこう……と思い直し、参加を決めました。
 という訳で(?)、今回は3種のみ委託です。
 それでは、以下、書影付きで。



委託品全て北ティア初頒布の既刊
『魔剣士サラ=フィンク』 ■ 魔剣士サラ=フィンク
 かつてケルリ王国を恐怖のどん底に陥れた無差別殺人鬼“魔剣士”サラ=フィンク。しかし、たまたま助けてしまったケルリの第二王女ミルシリアの存在が、彼を次第に変え始める。血に飢えた魔剣ブリザードと己自身を救う手立てを求め、彼女と共に“魔道王国”ルーファラを目指す彼の旅の途上に待っていたのは……
 魔剣を操る青年魔道士と亡国の元王女との旅の途上で起こる事共を描く長編ファンタジー小説。
 A5判(上製本)、820ページ、頒価3,500円。
 何年間も「出す出す詐欺」状態だった本作も、ようやく、完結刊行まで漕ぎ着けることが出来ました。
 単巻読み切りです! と胸を張るには分厚過ぎる代物になってしまいましたが、二度と同じ装幀では刷れまいと思われますので、品切れ即絶版となることは確実。もしも僅かにでも惹かれる部分がございましたら、取り敢えず押さえておいて積ん読タワーの土台に是非(違)。

『魔剣士サラ=フィンク』 刊行準備冊子 ■ 『魔剣士サラ=フィンク』 刊行準備冊子(改訂第五版)
 今夏刊行した『魔剣士サラ=フィンク』から、「トータル・プロローグ」及び「砂漠の暗黒神殿」篇第2章までを収録した冊子。
 最終刊行版とは細部が異なっているが、展開は変わっていないので、820ページ本の試し読みに最適。
 A5判、44ページ。
 前回から無配セットには突っ込んでいますが、頒布物として登録するのは初なので、一応「初頒布の既刊」枠で(汗)。
 第五版、これが「刊行準備冊子」としては最後の版となりました。無駄に表紙がミラックスでキラキラしていたり、説明されないとわからない本文2色刷が使われていたりと、色々な装幀を試しています(苦笑)。
 今回が最後の配布となりますので、どうぞ遠慮なく貰っていってやってくださいませ。

『第4回「長編上等」 マップ兼ブックレット』 ■ 第4回「長編上等」 マップ兼ブックレット
 当方が「Text-Revolutions」(以下「テキレボ」)で主催している「長編上等」という「続き物長編小説応援企画」の第7回で発行した、当日のマップを表紙&裏表紙に印刷し、中に簡単な作品紹介を掲載した冊子です。
 「テキレボ7で、3巻以上で構成される続き物小説作品を頒布予定であるサークル」という条件等で参加者を募り、21サークル22名24作品が集結。
 マップは当日限定なのでさて置き(汗)、冊子の中身自体は、様々な長編シリーズ小説の物凄く簡単な案内になっておりますので、気軽なガイド冊子としてどうそ。勿論、今回も無料配布です。
 A5判、8ページ。オフセット中綴じ。
 拙サークルは、『ミディアミルド物語』『小説BADOMA』の2作品で参加。
 テキレボ7に参加したテキスト系の続き物作品紹介を兼ねたマップです。……当日で配り切れなかったので、こちらにも預けます(汗)。




 以上、当日北ティア会場に足をお運びくださる皆様、どうぞ遠慮なく覗いていってやってくださいませ。
 委託サークルナンバーは、「Z 24」となっております。
 預けた冊数は、『魔剣士サラ=フィンク』が3冊、それ以外の無料配布類は10冊ずつ(※頒布には回らない見本誌を除く)となっております。万一品切れの際は御容赦ください。

 本サイト内の紙媒体他作品目録ページでは、試し読みの為の抜粋ページも、刊行物毎に設けてあります。

サイト内の試し読み掲載ページ
   ■ 魔剣士サラ=フィンク → こちらから(ページトップまたは末尾のリンクから3か所分辿れます)

 また、創作文芸見本誌会場「Happy Reading」にも、上記とは異なる場所から見本を投稿済みですので、御参考まで。

「Happy Reading」掲載ページ
   ■ 魔剣士サラ=フィンク → こちらから

 テキスト版の試し読みは短いですが、PDF版は結構がっつり提供しておりますので、出来れば、紙媒体と同じ組み方になっているそちらをダウンロードしてやっていただければ……。
 他の作品も覗いてみたいという奇特なお方は、こちらの作品一覧ページからどうぞ。



【おまけ:当日会場で掲示予定のお品書き】

北ティア9 お品書き

はじめに
 ――今日は、少しでも『魔剣士サラ=フィンク』や主人公サラ=フィンク君を知ってもらう為に、彼と一緒に旅をしているミルシェ嬢に、里長・野間みつねから直撃インタビューを敢行することにしました。

ミルシリア・エル・カーリー(ミルシェ)
ミルシェ/(c)1994 星村朱美 反乱で滅びたケルリ王国の第二王女。通称ミルシェ。
 物語開始時点で17歳。淡い金色の髪に草色の瞳の持ち主。なお、この色の組み合わせは、旧ケルリ領の辺りでは余り珍しくもない。
 攻め落とされた王城から脱出した先でサラ=フィンクに〝助けられた〟のが縁で、そのまま一緒に旅をすることになる。
 多少気位の高いところもないではないが、折々にお忍びで町中を歩いていたという〝型破りな〟一面を持つせいなのか、歴史ある国の王女だったにしては随分と気さくな性格で、環境への順応性も高い。

 ――という訳で、宜しくお願いします。
 え、あたし? あたしに訊くより、サラ=フィンクに直接訊いた方が早いと思うんだけど。
 ――サラ=フィンク君に直接訊いたら、粗方答えてもらえないと思われるので(苦笑)。
 あー……まあ、そうよねえ……。
 しょうがないわねー。でも、何処までなら話していいの? サラ=フィンクって、秘密にしてること一杯あるでしょ?
 ――あ、マズイな、と思った箇所は私の方で伏せ字にしますので、忌憚なく(笑)。
 じゃあ、あんまりり気にしないで話すわね。

出会ってから
 ――では、まずは順当に、サラ=フィンク君と出会った頃の印象などを。
 噂だとそれこそ「老若男女お構いなしの無差別殺人鬼」って言われてた人だし、だから最初は、いつ気が変わって殺されるかって怖かったし、彼も「ブリザードが満足してなかったらお前も斬っていた」っていつも言ってたけど、宿に置いていかれるのは、そのまま置き去りにされるかもって思えてもっと怖かったら、彼が出掛ける時には必ず付いていってたわ。
 でも、付いていった先の街道で彼が狙ってたのは、大体、旅人の懐を狙うならず者だったの。斬り掛かる前には必ず「隠れてろ、邪魔だから絶対に出てくるな」って言われてたし、結局、あたしには一度も剣を向けようとはしなくて。
 ――似たようなことを、作中「賢者たちの国の内患」でも回想してましたよね。
 うん。出会った頃のサラ=フィンクって、ホント不愛想な物言いしかしなかったから、腹の立つことも多かったけど、彼なりにあたしに気を遣ってくれていたのかなーって、今ならわかるわ。
 それに、ブリザード――あ、説明してなかったけど、サラ=フィンクの持ってる魔剣の名前ね――を抜いてない時には全然、無慈悲な無差別殺人鬼だなんて思えない人だったの。それが不思議だったわ。
 ――で、どうしてなのか〝魔道王国〟ルーファラを目指そう、という旅が始まるところから、本編は本格的にスタートするわけですが……
 もー、ホント訳わかんなかったわ。何でルーファラに行きたいのかって全然話そうとしないし、街道を通らないで〝崩壊の砂漠〟を突っ切るなんて言い出すし。
 勿論、全部それなりの理由があったんだけど、あたしには碌に説明してくれないんだもん。……心の中では、あたしには付いていくしかないんだってわかってたから、文句言っても付いてはいったけど。
 ただ、仮に説明されても、あの時のあたしには全然理解出来なかったわねー、きっと。

変化した? しない?
 ――ところが、不愛想なばかりと見えていたサラ=フィンク君には、とっくに変化が生じていたわけですね(笑)。
 そうねー、そもそも彼が「ルーファラへ行く」って言い出したことが、彼が変化した証だったんだけど、あたしは気付けなかったから(苦笑)。
 でも、サラ=フィンクが砂漠の遺跡へ行っちゃって、その時に、ああ彼は本当はあたしに気を遣ってくれてたんだ、あたしを護ってくれてたんだってわかって……それで、あたしも彼の為に何かしたいって思ったの。何にも出来ないのにね(笑)。
 ――いやー、結構なことを仕出かされてますよ(苦笑)。
 その話はしないでおくわ。絶対伏せ字にされるから(笑)。
 ただ、サラ=フィンクが不愛想で、色んなこと全然あたしに相談どころか説明すらしようとしないって辺りは、随分と後になるまで変わらなかったわ。
 ――まあ……絶対知られたくない、説明なんて出来ないって思い込んでましたからね、彼は……。
 ひとりで勝手に「斯く斯く然々になるに違いない」って、悪い方に思い込んじゃうところがあるのよ、サラ=フィンクって。
 どうも、彼に言わせると、あたしの方が「軽く考え過ぎる」ってことらしいんだけど、でも、●●●も言ってた通り、秘密の重さって、受け取る相手によって変わるものよね(笑)。
 ――はい、伏せ字一か所頂きましたー(汗)。

第二部に入ってから
 ――第一部最終話でサラ=フィンク君の秘密と目される事柄を大体知って……以降の旅ですが、やっぱり、かなり変わりましたか?
 サラ=フィンクのこと? うん、あたしの目から見ても、随分と変わったなーって思うわ。
 愛想が乏しいところは余り変わってない気がするんだけど、説明した方がいいなって判断したらしいことは隠さず説明してくれるようになったし、何かをするかしないかを決める時に、あたしの意思を確認してくれるようにもなったし。それって、最初の頃の彼を思えば、凄い変化よね。
 あ、あと……あたしが旧ケルリへ戻りたいって望まない限り、誰が相手でもあたしを護るってハッキリ言葉にしてくれるようになったのも、変わったところかしら。
 ――第二部に入ると、ミルシェ嬢自身の身辺が何かと騒がしくなってきましたからね。
 アランがああだったのは理解出来たけど、レムランド王国の方は、正直ちょっと、どうしてそこまであたしに拘るの? って、理解不能だったわ。もし、ナイクさんが話してた通りの目論見があったんだったら、なーんか感じ悪いわよねー、レムランド(笑)。
 でも、後からサラ=フィンクが話してた推理の方が正しかったのかしら。レムランドの第二王子さんが実際に●●に●●●●●●●たってことは。
 ――ですねー。作中で明示的に記すことは敢えてしませんでしたが、結果として正しかったらしい、と読み手に推測させるに足る情報を書くに止《とど》めました。
 どうして明記しなかったの?
 ――えぇ、逆インタビューですか(汗)。……最初は書こうかなーとも思ってたんですが、そっちを書き始めると『魔剣士サラ=フィンク』の本筋の話から外れて、色んな視点や複数陣営の思惑が絡み合う『ミディアミルド物語』っぽくなっていくな……つまりは、もっともっと長くなるなってことがわかってたんで、最低限の結果を手紙に託すだけにして、さらっと流しました。
 ねえ、番外編か何かで書いてくれる? ●●●と●●●●●●が、どうしてあーなってそーなったのかも知りたいし(笑)。
 ――考えておきます(苦笑)。

周囲の人々
 ――さて、そろそろ、サラ=フィンク君との関係性の進展について……を尋ねるとネタバレも甚だしいんで流石に自粛して、差し支えのない範囲で、旅の中で出会った方々について訊くことにしますね。伏せ字にしなければならない面々は除いておいて(汗)、印象的だったのは?
 えー、話したいのって、伏せ字になる人ばっかりよ? 人じゃない人も居るけど(笑)。
 誰なら伏せ字にならない? 勿論●●●は駄目なのよね、さっき伏せられたし。あと……多分、●●●●●も駄目よね、サラ=フィンクの●●●●だし。……おばばさんは? あ、ちょっとなら大丈夫? ●●●●人って、あたし達より長生きだって知識では知ってたけど、幾つになるのか、そう言えば訊いたことがなかったなあって。サラ=フィンクに訊いても教えてくれないと思うし、今度機会があったら直接おばばさんに訊いてみたいわ。
 ――(作者小声:地の文で書いている限り、百二十歳は超えているとのことです……が、折角本人が訊いてみたいと言っているのに横から教えるのも無粋なので~ごにょごにょ……)
 えー、なに? 何か言った?
 ――いえいえ、続けて、他の方についてもどうぞ。
 他ねえ……あっ、あの「やな奴」は? やな奴だったけど。
 リュキアね。もー、ホント、腹立つ奴だったわ。サラ=フィンクにべったべたしてくるし。……あー、勿論あの頃は、あたしも、サラ=フィンクのこと好きか嫌いかなんて意識してなかったんだけど、でも、なーんか腹立ったのよね、あれは。
 ――その割に、シルヴィーナさんには妬かないですね。
 シルヴィーナさん? あたしの知ってる限り、別にサラ=フィンクにべたべたしたりはしてなかったと思うけど……あ、そっか、前に軽く誘惑したことがある、みたいな話をしてたっけ(苦笑)。でも、シルヴィーナさんなら、うん、まあいいかー、って気になるの。自分でも不思議なんだけど。
 シルヴィーナさんの方も、あたしのこと面白くて好きって言ってくれてるし、もう、そこは相性なのかなーって思う。
 そもそも、シルヴィーナさんって、「面白いか面白くないか」で、自分にとって価値のある相手かそうでないかを判断してるわよね(笑)。
 ――あくまでも、彼女にとって面白いか否か、という点がミソですね(苦笑)。他に印象的だった方々は?
 あとは……サラ一族の人たちとか●●●のことは避けておいて……印象に残ったっていう点では、ノールで出会った吸血女王さんかしら。
 あの人の言う愛し方って、あたしには今ひとつ理解出来なかったけど、ああいう人も居るんだなあって、何だか考えちゃった。
 あ、それから、カンダスのノーグさん達! 素敵な人たちだったのに、碌にお別れも言えずに来ちゃったし、●●●と●●●●●●のこともあるから、番外編であの後を書いてね(笑)。
 ――か、考えておきます……(二度目)。

おしまいに
 ――そろそろ締めに入りますが、語り残したなぁと思うことなどありましたら。
 あたし達のお話の続きって、書かないの?
 ――ど直球ですね(汗)。主に●●●様を扱う外伝を集めた本は出しますが、『魔剣士サラ=フィンク』自体は一応完結、ということになっていますので、サラ=フィンク君とミルシェ嬢の「あの先」が入る予定はないです。絶対に何も書かない、と断言するほどのものでもありませんが、執筆する余裕が……(苦笑)。
 うーん、そうね、他にも一杯「……続きは?」って言われてそうな作品があるものね(笑)。
 ――御配慮有難うございます(汗)。では最後に、読者になってくれるかもしれない皆様へのメッセージを。
 あたし達のお話、ちょっと見た目は厚いんだけど、あの一冊で読み終えられるってところは、里長の他の長編作品より有利だと思うの。
 色々あって、みーんなが、それなりに〝なるようになる〟お話だから、宜しくね。
 ――ミルシェ嬢こと、元ケルリ王女ミルシリア・エル・カーリーさんにお話を伺いました。御協力、有難うございましたー!



 ……以下、過去記事からほぼ再掲です。

 『魔剣士サラ=フィンク』に関しては、以下の記事も御参考にしていただければと存じます。
 但し、ふたつ目の記事は、展開ネタバレ満載ですので、「ネタバレがあっても、どんな感じの作品なのか事前に知りたい」という方のみどうぞ(汗)。

   ■ 『魔剣士サラ=フィンク』、遂に刊行
   ■ 【展開ネタバレ注意】 『魔剣士サラ=フィンク』各話紹介

サイト内の試し読み掲載ページ
   ■ 魔剣士サラ=フィンク → こちらから(ページトップまたは末尾のリンクから3か所分辿れます)

 また、創作文芸見本誌会場「Happy Reading」にも、上記とは異なる場所から見本を投稿済みですので、御参考まで。

「Happy Reading」掲載ページ
   ■ 魔剣士サラ=フィンク → こちらから

 テキスト版の試し読みは短いですが、PDF版は結構がっつり提供しておりますので、出来れば、紙媒体と同じ組み方になっているそちらをダウンロードしてやっていただければ……。

「COMITIA 126」での頒布予定品

 11月25日(日)、東京ビッグサイト東4・5・6ホールにて開催される「COMITIA 126」での頒布予定リストを掲載致します。

ティア126 Z64b サークルカット
配置 : Z 64 b

 今回、有料頒布物は、『魔剣士サラ=フィンク』オンリーで臨みます。
 それ以外の作品は無料配布以外持ち込みませんので、もしも他にティア当日でのお求めを御希望の作品がございましたら、事前に別途、メールフォーム等から御連絡ください。

 また、今回、「300字企画」さんから、「第7回Text-Revolutions」で開催された300字SSポストカードラリー(第6回)「時計」の参加作品集(注:参加全作品集ではありません)を、5セット限定でお預かりしています。無料配布、早い者勝ちです(汗)。入手されたい方は、どうぞお早めに!




コミティアでは初頒布の既刊
『魔剣士サラ=フィンク』 ■ 魔剣士サラ=フィンク
 かつてケルリ王国を恐怖のどん底に陥れた無差別殺人鬼“魔剣士”サラ=フィンク。しかし、たまたま助けてしまったケルリの第二王女ミルシリアの存在が、彼を次第に変え始める。血に飢えた魔剣ブリザードと己自身を救う手立てを求め、彼女と共に“魔道王国”ルーファラを目指す彼の旅の途上に待っていたのは……
 魔剣を操る青年魔道士と亡国の元王女との旅の途上で起こる事共を描く長編ファンタジー小説。
 A5判(上製本)、820ページ、頒価3,500円。
 何年間も「出す出す詐欺」状態だった本作も、ようやく、完結刊行まで漕ぎ着けることが出来ました。
 単巻読み切りです! と胸を張るには分厚過ぎる代物になってしまいましたが、二度と同じ装幀では刷れまいと思われますので、品切れ即絶版となることは確実。もしも僅かにでも惹かれる部分がございましたら、取り敢えず押さえておいて積ん読タワーの土台に是非(違)。

 本作品に関しては、以下の記事も御参考にしていただければと存じます。
 但し、ふたつ目の記事は、展開ネタバレ満載ですので、「ネタバレがあっても、どんな感じの作品なのか事前に知りたい」という方のみどうぞ(汗)。

   ■ 『魔剣士サラ=フィンク』、遂に刊行
   ■ 【展開ネタバレ注意】 『魔剣士サラ=フィンク』各話紹介


無料配布 (他作品の試読冊子等とセット配布)
只今印刷中 ■ 『魔剣士サラ=フィンク 44/820』 無料試読冊子 新刊!
 今夏刊行した『魔剣士サラ=フィンク』から、「トータル・プロローグ」及び「砂漠の暗黒神殿」篇第2章までを収録した冊子。
 単行本刊行に伴い、これまでの「刊行準備冊子」から、こちらに移行。820ページ本の試し読みに最適。
 A5判、44ページ。
 820ページの中から44ページ、という意味で、このタイトルにしました。
 初版は、単行本の中身(カバー下)と同じミニッツGA(※色は違いますが)に、カラー印刷表紙です。
 刊行準備冊子には収録していなかった人物紹介とリファーシアの世界地図も掲載しています。
 イベントでは無料配布ですので、どうぞ遠慮なく貰っていってやってくださいませ。




 本サイト内の紙媒体他作品目録ページでは、試し読みの為の抜粋ページも設けてあります。

サイト内の試し読み掲載ページ
   ■ 魔剣士サラ=フィンク → こちらから(ページトップまたは末尾のリンクから3か所分辿れます)

 また、創作文芸見本誌会場「Happy Reading」にも、上記とは異なる場所から見本を投稿済みですので、御参考まで。

「Happy Reading」掲載ページ
   ■ 魔剣士サラ=フィンク → こちらから

 テキスト版の試し読みは短いですが、PDF版は結構がっつり提供しておりますので、出来れば、紙媒体と同じ組み方になっているそちらをダウンロードしてやっていただければ……。

 ふと思い立ち、『魔剣士サラ=フィンク』各話の導入を並べて、ちょっとだけコメントしておくことにしました。

『魔剣士サラ=フィンク』 書影/カバータイトルが箔押しで、スキャンすると黒くなってしまう為、画像を少し細工しています
『魔剣士サラ=フィンク』

 魔剣を操る青年魔道士と亡国の元王女との旅の途上で起こる事共を描く長編ファンタジー小説

 かつてケルリ王国を恐怖のどん底に陥れた無差別殺人鬼“魔剣士”サラ=フィンク。しかし、たまたま助けてしまったケルリの第二王女ミルシリアの存在が、彼を次第に変え始める。血に飢えた魔剣ブリザードと己自身を救う手立てを求め、彼女と共に〝魔道王国〟ルーファラを目指す彼の旅の途上に待っていたのは……

 当然、物語全体の展開ネタバレを含む代物になりますので、「その種のネタバレが多々あっても構わないから、大体どんな感じの話なのか事前に知っておきたい」という方向けの記事となります。
 ただ、サラ=フィンクや魔剣ブリザードに纏わる謎・秘密そのものについては、殆ど言及しておりません(笑)。
 なので、本記事を読まれた方でも、その辺りは愉しんでいただけるのではないかな……とは思っております。
 とはいえ、「ネタバレは嫌だ派なのに、うっかり見てしまったじゃないか!」という事故を避ける為、多くの部分をJavaScriptで畳んでいます(汗)。読みたい方は、大変お手数ですが、指定の箇所をクリックしてくださいませ。

 本作の全体構成は、「トータル・プロローグ」 → 第一部 → 第二部 → 「トータル・エピローグ」となっています。
 まずは、その「トータル・プロローグ」と、第一部の第二話までを、畳まずに掲載しますね……無料配布冊子や『はたとせ』収録で、ほぼ事前に公開済みですし(汗)。

 ……あ、書籍上での構成に倣って、「トータル・プロローグ」の後ろに人物紹介も入れておきます。書籍掲載分よりも、ちょっとだけ詳しめのを(笑)。



「トータル・プロローグ」
 リファーシア新暦五二〇年、夏、五大王国のひとつケルリが、若き地方領主アラン・シィ・アラスの反乱によって潰えた。辛うじて王城からは逃げ延びたものの、ならず者どもの手に落ちかけるケルリ第二王女ミルシリア・エル・カーリー。だが、突如として現われた黒ずくめの青年が、ならず者をひとり残らず斬り捨てる。〝魔剣士〟サラ=フィンク――かつて無差別殺人鬼としてケルリ王国から永久追放された筈の若者は、自分も殺されると確信したミルシリアの前で静かに剣を鞘に納め、「ブリザードは、今日のところはもう血は必要ないそうだ」という不可解な言葉を残して彼女に背を向けてしまう。
 ミルシリアは、そのまま立ち去ろうとする相手に、「あたしも連れてって!」と咄嗟に叫んでいた……。

 殆ど全て書いているような気もしますが(汗)、ええまあ、いいよね(苦笑)。



  • サラ=フィンク
  • サラ=フィンク/(c)1994 星村朱美 かつて老若男女お構いなしの無差別殺人鬼としてケルリ王国を恐怖のどん底に陥れ、〝魔剣士〟と呼ばれるようになった青年魔道士。
     物語開始時点で24歳。黒髪黒目の持ち主。但し、或る状況下に置かれると、瞳の色が……(もにょもにょ)
     とある事情から、恐るべき切れ味を誇る魔剣〝ブリザード〟を操るようになってしまった身であるが、当人はあくまで「自分は魔道士だ」という意識が強い模様である。

  • ミルシリア・エル・カーリー(ミルシェ)
  • ミルシェ/(c)1994 星村朱美 反乱で滅びたケルリ王国の第二王女。通称ミルシェ。
     物語開始時点で17歳。淡い金色の髪に草色の瞳の持ち主。なお、この色の組み合わせは、旧ケルリ領の辺りでは余り珍しくもない。
     攻め落とされた王城から脱出した先でサラ=フィンクに〝助けられた〟のが縁で、そのまま一緒に旅をすることになる。
     多少気位の高いところもないではないが、折々にお忍びで町中を歩いていたという〝型破りな〟一面を持つせいなのか、歴史ある国の王女だったにしては随分と気さくな性格で、環境への順応性も高い。



「砂漠の暗黒神殿」
 ケルリ王女の侍女ミルシェと名乗った娘と共に、アラシアと名を変えた旧ケルリの都ニフティスに滞在していたサラ=フィンクは、北西の地にある〝魔道王国〟ルーファラを目指すと告げ、出立する。無闇に人を斬ってしまわない為にと街道沿いの旅を避け、アラシアの北側に広がる〝崩壊の砂漠〟へと足を踏み入れた彼らは、やがて、大昔に滅びた古代魔道王国の遺跡へと辿り着く。だが、そこは、出会った者を必ず抹殺すると言われて恐れられている〝砂漠の蛮族〟が守る場所であった……

 サラ=フィンクの抱える秘密や、彼が携える魔剣ブリザードの秘密が、或る程度ですが明かされる話です。

「ファルシアスの黒エルフ」
 リファーシア新暦五一五年、ケルリ王国から永久追放された俺サラ=フィンクは、ケルリの西隣にある、犯罪都市として悪名高い都市国家〝盗賊たちの国〟ファルシアスに足を踏み入れた。そこでたまたま〝助けて〟しまった、ダークエルフの娘・エルシース――。初めて知った女性の温もりと優しさは、偽りの愛情すら得られなくなり飢え乾き抜いていた俺を僅かながら救ってくれたが、それは同時に、俺がこの街に留まることが出来なくなったことを意味していた。
 翌朝、彼女の住まいを離れ、ファルシアスを立ち去ろうとした俺であったが……

 サラ=フィンクの一人称で語られる、過去話。魔剣ブリザードとサラ=フィンクとの呪わしい繋がりの一端が語られ、また、彼の少年時代の境涯についての仄めかしが盛り込まれています。

 ……そろそろ展開ネタバレが混じり始めるので、暫く隠します。ネタバレが苦手な方は、前出の「暫く隠します」のクリックをお避けください。
 但し、携帯電話からの閲覧の場合、隠してある箇所が読めまくってしまうか、全く読めないかのどちらかです。御免なさい(汗)。


 此処までが、第一部です。
 「連載一回毎に、主人公周りの謎を少しずつ、(読者に向けて)明らかにする」というコンセプトの下に書き進めた各話でした。
 掲載誌では、この後ひとつ外伝を挟み、それから第二部へと進んでいますが、今般刊行した単行本では、勿論、外伝は外されています(汗)。

 では、第二部の最初の方は、畳まずに載せましょう。

「族長の器」
 ルーファラを離れて〝崩壊の砂漠〟にあるサラ一族の集落へと魔法で移動してきたサラ=フィンクとミルシェは、長老サラ=ルティイから、一族の間で起きているという〝騒動〟を聞かされる。族長位継承予定者であるサラ=フィンクの従弟サラ=アルクが、継承者の証となる魔法工芸品〝族長の器〟を、保管場所である古代遺跡から持ち帰れなかったというのだ。その器には、偉大なる先祖サラ=ファティジンの魂の欠片が封じられている。彼の血を引く者でなければ手を触れることすら出来ぬ筈の器が、一体どうして紛失していたのか?
 そうこうする内、族長サラ=アヴァスが殺害され、その弟までもが災禍に遭って命を落とすという異常事態に発展。一日も早く器の探索を成し遂げ、次代の族長を決定しなければならない――継承資格を持つふたりの若者が、サラ=ルティイの命《めい》で集落を旅立つ。外界を知る者として、サラ=フィンクは、ミルシェと共に目付け役としてふたりに同行することになるが……。

 サラ一族のごたごたがメインとなりますが、サラ=フィンクがミルシェに対して抱《いだ》いている心持ちの変化が顕著になってくるお話でもあります。

「守秘の流儀」
 リファーシア新暦五一九年初冬、俺サラ=フィンクは、ケルリの都ニフティスを久々に訪れた。魔剣ブリザードと無理なく生きてゆける土地はないものかという試行錯誤の放浪の果てに、〝混沌の国〟ミルタのあるタルティア島へ渡ろうと考えたからだ。
 港の辺りを歩いていた俺は、余り広くもない路地で、俺を「兄の敵《かたき》」と称する連中の襲撃に遭う。然程の難なく返り討ちにした直後、猫耳ハーフキトゥンの女がその路地に現われた。ブリザードが満足したばかりでもあり、無益な流血は避けたかった俺は、女に「立ち去れ」と警告する。ところが、その女は、俺が官憲から逃げ出したと見ると、思わぬ行動に出てきた――

 サラ=フィンクの一人称で語られる、過去話。ファルシアスを離れてからミルシェと出会うまでの彼が、何処でどうしていたのか……を或る程度ながら埋める作品です。
 ミルシェの瞳の色は、ケルリ辺りでは珍しくない色ということになってはいますが、このお話に登場してサラ=フィンクと関わりを持つ猫耳ハーフキトゥンのパルチャが、地味に同じ色の瞳の持ち主だったりします。……様々な積み重ねの上に、ミルシェとの出会いに至るわけですね(笑)。
 なお、この作品は、掲載誌での連載が終わってからの書き下ろしです。収録に当たり、この場所が適当と考え、挟みました。

 ……では、此処からも、暫く隠します。展開ネタバレを御覧になりたくない方は、前出の「暫く隠します」をクリックなさいませんよう。


 以上、ほぼ全話の簡単な(?)導入、そして作者からのコメントでした。
 第二部の終わり方は、作者自身では、「ハッピーエンドの皮を被っていながらも灰色の染みが残るノンハッピーエンド」だと思っているのですが、読み手の皆様はどう受け取られるのか……。

 拙《つたな》い紹介で本作に御関心を持ってくださった方、表紙込み820ページの上製本という1,090グラムの超鈍器ですが(汗)、是非ともお手に取ってやっていただければと存じます。
 直接参加イベントには売り切るまで例外なく持参致しますし、来年(2019年)の7月頃までは、委託参加のイベントにも頑張って預けますので……!
 因みに通販は、入金方法など色々な点で融通が利く「架空ストア」さんがお勧めです☆

 10月14日、愛知県名古屋市で開催された「名古屋COMITIA 53」(以下、「名ティア」)に遠征参加してきました。

帰りに寄った熱田神宮にて  ……あ、これは、帰りに寄った熱田神宮で撮らせていただいた写真です。
 奈良公園の「鹿飛び出し注意」標識もですが、こういうのが割と好きでして(笑)。

 それはさて置き。
 ……ええぇ、日帰りですよ勿論(汗)。コミケ参加の時ほどではないにせよ、始発バスで早朝出発ですよ(汗)。
 出発の折には雨が降っており、しかし東京を新幹線で出る頃には上がっていたので、あちこちで虹を見ることが出来ました。

行きの新幹線車窓から  特段の遅れもなく、予定通りに名古屋到着。
 簡単に両手が塞がるような荷物を提げたり引き摺ったりの移動でしたが、トラブルなく在来線に乗換。
 隣接参加する「猫文社」の藤木一帆さんが、JR金山駅までお車で迎えに来てくださったこともあり、初参加のイベントでしたが会場入りにまごつくこともなく……事前の下見が出来ない身には大変有難かったです(平伏)。
 藤木さんには、提出見本誌作業(後述)や設営・撤収時にも大変お世話になり、撤収後は熱田神宮にも案内していただきました。この場を借りて深く御礼を……(五体投地)

会場となった名古屋国際会議場(帰りに撮った)  ……しかし、凄いなこの像。とにかくデカかった……
 下の台座付近にいらっさる方々と比べていただければ、どれだけ大きいかがおわかりいただけるかと(汗)。



 サークル入場後、ちょっと困ったのは、机に貼られているのがブロックPOPのみで、スペース番号の貼紙類が見当たらなかったことですね(汗)。勿論、マップと見比べて辿っていけば(あと、追加椅子の有無で(爆))自分達のスペースは見付けられるのですが……。設営中、後から来た方々から「済みません、此処は何番ですか」と訊かれましたので、戸惑ったのは我々だけではなかったようです(苦笑)。

名ティア53 E19 全景
 とはいえ、島中背後の間隔はゆったりでしたし、何より、噂に聞いていた机の奥行60cmは本当に有難かったですよ~! この奥行がなければ、ラックを前後に配置するというディスプレイは無理でした。
 ただ、その奥行ゆえに敷き布が机上ギリギリ一杯だったことで、机の前を覆う部分が普段よりも引き上げ気味になり、前垂れポスターの掲示を諦める羽目に。……サークル名が隠れちゃうんじゃーアカンですからね(汗)。

 誤算だったのはそれくらいで、後は概ね、事前の試行通りにディスプレイ出来ました。
 『魔剣士サラ=フィンク』も、予定通り6冊の平積みタワーにしました。……取り置き分を除くと6冊しか持ち込んでいない筈だったのが、箱から取り出してみたら8冊も入っていたのは内緒だ(爆)。

 因みに、今回の工夫は、写真は撮り忘れましたが、スタンドで掲げたポスターの裏に、スペース番号POPを貼ったことでしょうか。「この裏 E-19」と。

名ティア ポスター裏POP  ……恐らく、今回、ウチのPOP類の中では最も目立っていたものと思われます(笑)。

 ディスプレイより遙かに大変だったのが、見本誌提出(汗)。
 各コミティアのように、「ウチで初めて頒布する本は原則として見本誌出してね!」というイベントに初参加する際には避けて通れない、悩ましの作業ですね(苦笑)。
 全部で32種の提出でしたが、事前に書けたのは2種のみ。あとは、見本誌置き場にいらっしゃったスタッフの方に頂いた30枚の見本誌シール(流石に相手に驚かれた)を、搬入荷物の運搬・設営の直後でぷるぷるしている手でひたすら書き書き……。隣の藤木さんが貼るのを手伝ってくださいましたが、本部への提出(※勿論、ダン箱ごと持参)に至るまでに、開場後30分以上を要しました(嘆)。
 ……で、後で見本誌コーナーを遠望したんですけれど、去年の九ティア初参加の時のように山積みにされてはおらず(爆)、普通にバラして並べられていましたね。でも……気のせいかなぁ、Eブロックの机、提出しに行った時よりも、ひとつ、増えて……ませんでした……か……?

 初参加のイベントの場合、無料配布セットがどの程度貰われていくか――が密かな着目点なのですが、結論から言うと、北海道COMITIA初回ほどではありませんでしたが、初参加イベントにしては貰われていった方でした。
 ただ、午前中は、足を止めてくださる方は殆ど皆無。イベントの後半に入ってから、動きが良くなりました。この辺り、人の動き方はコミケや本家ティアと似ているのかな……(※誤解を恐れず超単純化すると、「文芸エリアは後回し」な感じ)。あと、無配セットを受け取ってくださった方の半数ぐらいはスタンプラリーシートもお持ちでしたので、当日企画のスタンプラリーのおかげもあったかもしれないですね。
 なお、有料頒布物は、『はたとせ』や『魔剣士サラ=フィンク』といった「ごつい大物(笑)」が比較的に貰われていった他、何と、『ミディアミルド物語』本伝1巻がお迎えされてゆくという吃驚な結果に。これだけでもう「遠征した甲斐がありまくりました!」と赤の太字で書いても良いくらいです(書いた)。

 拙サークルにお立ち寄りくださった or 見本誌コーナーで拙作をお手に取ってみてくださった全ての皆様、本当に有難うございました。次回……は、直参予定の第8回Text-Revolutionsと余りにも近い日程の為、参加は見送らせていただきますが(済みません(汗))、機会がありましたらまた遠征参加させていただこうと思います。



 余談ですが、晩御飯で頂いた「かつカレーきしめん」(葱抜き)、ぶち美味かった……(写真撮り忘れた)
 油揚げ(具)の外側がカリカリだったのも、大変美味でした♪

 この記事は、タグ「#いいねの数だけ拙作の世界観を見せびらかす」を貼った以下のツイートに3つの「いいね」を頂いたことで書き記すものです。


 ……締切後に「いいね」がひとつ増えた分は、お気持ちは嬉しいもののノーカウントで……と言いたいところでしたが、折角ですので、『魔剣士サラ=フィンク』のリファーシア世界との関連で、『小説BADOMA』の世界(オリジナル設定部分)についても、項立てこそしませんが、絡める形で些少言及しておくことに致します。

 では、以下、文字ばっかりですが(汗)。





架空の世界史の延長線上にある未来世界
 『エモーショナル・サイオニック』に代表される『レジェンダリィ・クレイン』シリーズや、『600万ダラーの仕事』が属する『通り名《ランナーネーム》はムーンストーン』シリーズの舞台となっている世界。
 一応は実在の地球世界の歴史がベースになってはいるが、こちらの地球では、西暦1999年に世界規模の大混乱・大騒乱が起きており(汗)、しっちゃかめっちゃかになった世界をどさくさ紛れで纏めたアスタニアという架空の国が中心となって形成した「地球連邦」が、後に宇宙への進出に伴い「太陽系連邦」となり、太陽系外に植民惑星を持つようになってからは「銀河連邦」となっている……という世界。
 なので、公用語は「アスタニタン」という「アスタニア訛り英語」……ぶっちゃけた話、「野間みつね風・英語モドキ言語」になっている。概ね英語っぽいのだが、旧国名・人種に絡む呼び方が、「ジャパニリタン」、「イングリッタン」、「アメリッタン」、「フランタン」など、結びが「~タン」で統一されているのが最も顕著な違い。「超能力者」を意味する単語も、英語ならば「サイキック」となるだろう辺りが、「サイオニック」になっている。

 なお、この世界では超能力者は登録されねばならず、登録されると、市民ファイルコードの末尾が、「グリーン」を示す「G」になる。よって、未登録の場合、市民ファイルコード末尾が「W」のまま、という意味で「フォールス・ホワイト」と呼ばれる。勿論、この世界では犯罪。……因みに、『レジェンダリィ・クレイン』シリーズの主人公・ど反則級の超・超能力者である頼山紀博くんは、正式登録された過去があるので、これまでに印刷物(※大昔のコピー本を除く(汗))として出した作品中ではフォールス・ホワイトではない。

【参考】 一年の始まりは、現代の西暦をそのまま引き継いでいる。自転・公転周期が異なる植民惑星でも無理矢理に(汗)地球を基準とした一日24時間365日を一年とした暦を適用させていたものの、植民惑星が増えれば増えるほど面倒になってしまい、23世紀も後半になると、各惑星の自転・公転周期に合わせたローカルの暦を別に定めて併用しても良いことになっている。……なお、代表的な植民惑星であるマスタード、ペッパー、バニラ、ソイなどは、地球とほぼ変わらない自転・公転周期の惑星なので、この辺りの悩みとは縁遠い。


ミディアミルド
 言わずと知れた、『ミディアミルド物語』シリーズの舞台となっている架空の世界。
 しかし、実は上記の「架空の世界史の延長線上にある未来世界」と物理的に繋がっており、後の時代に紀博くんが降り立ったりしている(苦笑)。
 『ミディアミルド物語』本伝の舞台となっている時代の「ミディアミルド」の住人は、自分達が暮らしている文化圏の辺りしか見えていないので、「ミディアミルド=世界」なのだが、地球で言えば昔の中国程度の範囲でしかない為、将来的にも「ミディアミルド=世界」となるかどうかは……?

 物語で描いている時代は戦乱の時代であるが、その以前にログリアムナス統一王朝の平和な時代が長らく続いていた(=文化的に或る程度成熟するだけの余裕と時間があった)ことで、当該時代に確立され書物にも残されてきた「武人とは斯くあるべし」という倫理観――例えば、武器を持たない相手(特に民間人)に武器を向けて傷付けたり、戦いの際に特殊能力《オーヴァ》を用いて相手の動きを封じたりするのは卑怯卑劣の振舞である、という価値観――が、意外にしっかりと根付いている。
 その他、文明レベル等に関しては過去記事で書いたので、併せて御覧いただければ。

【参考】 一年の始まりは、冬。地球の西暦で言えば、12月からスタート。一日24時間一か月30日12か月360日が一年(安直)。水時計などを使う定時法で、真夜中が「更日《こうじつ》の刻」と呼ばれる。


リファーシア
 『魔剣士サラ=フィンク』シリーズの舞台となっている架空の世界。
 物凄~く大雑把に言うと、世界の大半を占めるオルディアーナ大陸の西側は昔の西欧風、東側は昔の中国風、その間にあるレムランド辺りは昔の波斯風、という雰囲気である。……なお、滅亡した古代ダランバース魔道王国のイメージは、科学技術が発達して以降の世界に近い(苦笑)。
 元々、掲載誌であった『芸術研究誌 AIM』の参加者なら誰でも使える共有世界《シェアードユニバース》として構築されたこともあり、敢えてゆるゆる・ざっくりにしてある部分も多い。特に、それぞれの国や土地がどんな状況なのか、については、簡単な紹介しかせず、詳細設定はその土地を舞台にした方が(不自然にならない程度に)決め、以降はそれが他の書き(描き)手にも共有される、という形になっていた。
 ただ、市販のテーブルトーク・ロールプレイングゲーム(TRPG)のルールで遊ぶことも出来るように、魔法の体系や主要な技(呪文/レベルなど)、それに伴って必要となる、世界の成り立ち・神々・世界の構造等々は、割とガッチリ作り込んである。
 この内、世界の構造は、当時執筆していた『小説BADOMA』で使っていたオリジナル設定を結構意識していた。非物質界である光世界と闇世界、準物質界である妖精世界と魔世界、そして物質界である人間世界、という構造は、ほぼそのまま。ただ、死後の魂が還る場所である星気世界や、光世界と闇世界の間に存在する「狭間の地」、妖精世界と魔世界の間に存在する竜世界は、リファーシア構築の際に付け加えた要素である。

 なお、リファーシアに於ける「魔道士」と「魔道師」の違いは、『小説BADOMA』と同じである。但し「ギルド」は、『小説BADOMA』では「魔道師ギルド」で、構成員も魔道師のみ、ギルド員であることが即ち魔道師またはその見習であることに繋がっているが、リファーシアでは「魔道士ギルド」であり、構成員も、特に資格を持たない魔道士の方が多い。
 また、リファーシアの魔道士(魔道師)が「誓約を反故にすると魔力を失う」のは、『小説BADOMA』での世界の魔道士(魔道師)がそうであるという独自設定(汗)に完璧に引き摺られているが(苦笑)、『小説BADOMA』側が「完全に」魔力を失うという取り返しの付かない結果を招いてしまうのに比べれば、リファーシア側では「一部の」魔力を永遠に失うという、若干穏やかな形になっている(笑)。

【参考】 一年の始まりは、春。地球の西暦で言えば、3月からスタート。一日24時間一か月30日12か月360日が一年(こちらも安直)。なお、同じ24時間でも、古代王国時代は時計を使った定時法で真夜中が一日の始まりという24時制であったのに対して、新暦時代は日の出日の入りを基準にして分けた昼夜を更に何となく12等分ずつにする不定時法で、日の出が一日の始まり。





 以上、「……『世界観』とは?」だったり、「見せびらかす」というほどではない内容だったりではございますが、タグへの回答でした。
 リファーシアだけが突出して長くなっているのは、『小説BADOMA』の世界への言及も絡んでいるが故ですので御寛恕くださいませ(汗)。

« 前の10件 |  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  | 

2019年6月

            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

アーカイブ


カテゴリ --- クリックでリスト開閉




里長のツイート

Twilogはこちらから。

台詞botツイート

Twilogはこちらから。