【読み】 マケンシ サラフィンク
【著者】 野間みつね
【背幅】 4.7cm
【表紙込みページ数】 820p
【初版発行日等】 2018年7月17日
【判型】 A5判(上製本/菊判に近い)
【頒価】 3,500円
【サークル名】 千美生の里
【ブース】 G-19~20
【鈍器概要:250字以下】
かつてケルリ王国を恐怖のどん底に陥れた無差別殺人鬼“魔剣士”サラ=フィンク。しかし、たまたま助けてしまったケルリの第二王女ミルシリアの存在が、彼を次第に変え始める。血に飢えた魔剣ブリザードと己自身を救う手立てを求め、彼女と共に“魔道王国”ルーファラを目指す彼の旅の途上に待っていたのは……
魔剣を操る青年魔道士サラ=フィンクと亡国の元王女ミルシリア・エル・カーリー(ミルシェ)との旅の途上で起こる事共を描く、長編ファンタジー作品。
【抜粋:500字まで】
露営の火が、星闇の中で眠る青年の顔を橙く照らしていた。
青年は、まるでひどく愛しい人を抱き締めてでもいるかのようにひと振りの剣を抱え込み、焚火の側で右肩を下に丸くなっていた。軽く体に掛けただけの毛布が、規則正しく僅かな上下を繰り返している。何処かあどけないと評しても良いほど、その寝顔は穏やかだった。
ふと、カチャッという小さな金属音が、夜の静寂に響いた。
驚くべきことに、そのほんの小さな音ひとつで、青年はふっと目を開いていた。
「……何か来たのか、ブリザード?」
低い呟きがその唇から洩れる。
かさり。
草葉の擦れるような音が、背後で微かに聞こえた。
青年の――サラ=フィンクの体は、弾かれたように反応していた。実に一瞬で、彼は音の方に体を向けて立っていた。右手には炎の橙を照り返す白刃、左手にはその黒鞘が、それぞれ握られていた。
「妙な臭いだと思って来てみたら、人間か」
不意を衝けなかったと見てか、それとも初めからその気はなかったのか、嗄れた共通語と共に木立の陰からぬっと姿を現わしたのは、蝙蝠の羽持つ人面の獅子であった。サラ=フィンクはブリザードを横ざまに構えると、相手を黙って見据えた。
――「魔の血族」(102ページ)より
【Webカタログ】 https://plag.me/p/textrevo09/6314
【補欠1】
【書名】 まなざし(上)
【読み】 マナザシ ジョウ
【著者】 野間みつね
【背幅】 2.2cm
【表紙込みページ数】 332p
【初版発行日等】 2003年7月31日
【判型】 A5判
【頒価】 1,500円
【Webカタログ】 https://plag.me/p/textrevo09/150
【補欠2】
【書名】 まなざし(下)
【読み】 マナザシ ゲ
【著者】 野間みつね
【背幅】 2.4cm
【表紙込みページ数】 332p
【初版発行日等】 2008年12月28日
【判型】 A5判
【頒価】 1,500円
【Webカタログ】 https://plag.me/p/textrevo09/151