はじめに
――今日は、少しでも『魔剣士サラ=フィンク』や主人公サラ=フィンク君を知ってもらう為に、彼と一緒に旅をしているミルシェ嬢に、里長・野間みつねから直撃インタビューを敢行することにしました。ミルシリア・エル・カーリー(ミルシェ)

物語開始時点で17歳。淡い金色の髪に草色の瞳の持ち主。なお、この色の組み合わせは、旧ケルリ領の辺りでは余り珍しくもない。
攻め落とされた王城から脱出した先でサラ=フィンクに〝助けられた〟のが縁で、そのまま一緒に旅をすることになる。
多少気位の高いところもないではないが、折々にお忍びで町中を歩いていたという〝型破りな〟一面を持つせいなのか、歴史ある国の王女だったにしては随分と気さくな性格で、環境への順応性も高い。
――という訳で、宜しくお願いします。
しょうがないわねー。でも、何処までなら話していいの? サラ=フィンクって、秘密にしてること一杯あるでしょ?
出会ってから
――では、まずは順当に、サラ=フィンク君と出会った頃の印象などを。でも、付いていった先の街道で彼が狙ってたのは、大体、旅人の懐を狙うならず者だったの。斬り掛かる前には必ず「隠れてろ、邪魔だから絶対に出てくるな」って言われてたし、結局、あたしには一度も剣を向けようとはしなくて。
それに、ブリザード――あ、説明してなかったけど、サラ=フィンクの持ってる魔剣の名前ね――を抜いてない時には全然、無慈悲な無差別殺人鬼だなんて思えない人だったの。それが不思議だったわ。
勿論、全部それなりの理由があったんだけど、あたしには碌に説明してくれないんだもん。……心の中では、あたしには付いていくしかないんだってわかってたから、文句言っても付いてはいったけど。
ただ、仮に説明されても、あの時のあたしには全然理解出来なかったわねー、きっと。
変化した? しない?
――ところが、不愛想なばかりと見えていたサラ=フィンク君には、とっくに変化が生じていたわけですね(笑)。でも、サラ=フィンクが砂漠の遺跡へ行っちゃって、その時に、ああ彼は本当はあたしに気を遣ってくれてたんだ、あたしを護ってくれてたんだってわかって……それで、あたしも彼の為に何かしたいって思ったの。何にも出来ないのにね(笑)。
ただ、サラ=フィンクが不愛想で、色んなこと全然あたしに相談どころか説明すらしようとしないって辺りは、随分と後になるまで変わらなかったわ。
どうも、彼に言わせると、あたしの方が「軽く考え過ぎる」ってことらしいんだけど、でも、●●●も言ってた通り、秘密の重さって、受け取る相手によって変わるものよね(笑)。
第二部に入ってから
――第一部最終話でサラ=フィンク君の秘密と目される事柄を大体知って……以降の旅ですが、やっぱり、かなり変わりましたか?愛想が乏しいところは余り変わってない気がするんだけど、説明した方がいいなって判断したらしいことは隠さず説明してくれるようになったし、何かをするかしないかを決める時に、あたしの意思を確認してくれるようにもなったし。それって、最初の頃の彼を思えば、凄い変化よね。
あ、あと……あたしが旧ケルリへ戻りたいって望まない限り、誰が相手でもあたしを護るってハッキリ言葉にしてくれるようになったのも、変わったところかしら。
でも、後からサラ=フィンクが話してた推理の方が正しかったのかしら。レムランドの第二王子さんが実際に●●に●●●●●●●たってことは。
周囲の人々
――さて、そろそろ、サラ=フィンク君との関係性の進展について……を尋ねるとネタバレも甚だしいんで流石に自粛して、差し支えのない範囲で、旅の中で出会った方々について訊くことにしますね。伏せ字にしなければならない面々は除いておいて(汗)、印象的だったのは?誰なら伏せ字にならない? 勿論●●●は駄目なのよね、さっき伏せられたし。あと……多分、●●●●●も駄目よね、サラ=フィンクの●●●●だし。……おばばさんは? あ、ちょっとなら大丈夫? ●●●●人って、あたし達より長生きだって知識では知ってたけど、幾つになるのか、そう言えば訊いたことがなかったなあって。サラ=フィンクに訊いても教えてくれないと思うし、今度機会があったら直接おばばさんに訊いてみたいわ。
リュキアね。もー、ホント、腹立つ奴だったわ。サラ=フィンクにべったべたしてくるし。……あー、勿論あの頃は、あたしも、サラ=フィンクのこと好きか嫌いかなんて意識してなかったんだけど、でも、なーんか腹立ったのよね、あれは。
シルヴィーナさんの方も、あたしのこと面白くて好きって言ってくれてるし、もう、そこは相性なのかなーって思う。
そもそも、シルヴィーナさんって、「面白いか面白くないか」で、自分にとって価値のある相手かそうでないかを判断してるわよね(笑)。
あの人の言う愛し方って、あたしには今ひとつ理解出来なかったけど、ああいう人も居るんだなあって、何だか考えちゃった。
あ、それから、カンダスのノーグさん達! 素敵な人たちだったのに、碌にお別れも言えずに来ちゃったし、●●●と●●●●●●のこともあるから、番外編であの後を書いてね(笑)。
おしまいに
――そろそろ締めに入りますが、語り残したなぁと思うことなどありましたら。色々あって、みーんなが、それなりに〝なるようになる〟お話だから、宜しくね。
……以下、過去記事からほぼ再掲です。
『魔剣士サラ=フィンク』に関しては、以下の記事も御参考にしていただければと存じます。
但し、ふたつ目の記事は、展開ネタバレ満載ですので、「ネタバレがあっても、どんな感じの作品なのか事前に知りたい」という方のみどうぞ(汗)。
■ 『魔剣士サラ=フィンク』、遂に刊行
■ 【展開ネタバレ注意】 『魔剣士サラ=フィンク』各話紹介
サイト内の試し読み掲載ページ
■ 魔剣士サラ=フィンク → こちらから(ページトップまたは末尾のリンクから3か所分辿れます)
また、創作文芸見本誌会場「Happy Reading」にも、上記とは異なる場所から見本を投稿済みですので、御参考まで。
「Happy Reading」掲載ページ
■ 魔剣士サラ=フィンク → こちらから
テキスト版の試し読みは短いですが、PDF版は結構がっつり提供しておりますので、出来れば、紙媒体と同じ組み方になっているそちらをダウンロードしてやっていただければ……。