野間みつねの個人ブログです。
時には「千美生の里通信」のWeb版として、
そして時には創作活動の報告の場として……
余程に気が向いたら、書きかけの小説の断片を掲載するかもしれません。
 

ミディアミルドって、どんな世界?

 気紛れに(汗)、『ミディアミルド物語』について、他では余り語ったことのない側面から語ってみます。



 野間みつねの看板作品である『ミディアミルド物語』は、架空の世界“ミディアミルド”の一地域を舞台に、戦乱から統一へと向かう或る一時代を描く、謂わば“架空世界の歴史物”といった趣の長編です。

 本作は、架空世界“ミディアミルド”で繰り広げられますが、この「ミディアミルド」という言葉――原義は「緑なす大地」――は、舞台になっている地域に住んでいる人達が、自分達の住む一帯をそう呼んでいる……つまりは彼らが「世界」と認識している範囲をそのように称している、という性質のものです。現代の我々がイメージする「世界」とは異なり、惑星上の全ての地域を指す言葉ではありません。……今のところは。
 彼らにとって“外世界”に当たる地域は、その文物が日常生活に入ってくることも余りない為、文明のレベルも然程高いものではない、という認識しか持てない土地です。彼らにとっては“ミディアミルド”がイコール「世界」なのです。
 ただ、異文化趣味というものも存在はしていて、主人公その2たるケーデル・フェグラムの普段の服装は、その例として描かれています。……まあ、彼があの服を選んでいる理由は異文化趣味とは異なる所にあるのですが、異文化趣味だと解釈される方が色々面倒がないので、当人、語ることは余りありません(笑)。

スタイル比較
 文明レベルは、地球で言えば、銃器が登場するには至っていないものの、火薬・初歩の火器(火矢など)を使うことは出来ていて、磁器を生成するだけの火力は出せている……という辺りをイメージしています。
 過去のログリアムナス統一王朝時代が長かったことで安定平和が続き、文化的には割合に成熟気味……と言いたいところながら、王朝滅亡後は分裂した国々の間で折々に戦が起きる時代が長期に亙っていることもあり(物語の開始時点で、王朝滅亡から大体200年以上が経過)、軍事以外では後退している側面もあります。
 出てくる品々などは“和洋中ごた混ぜ”ですが、“ミディアミルド版『三国志』”(爆)とも自称するくらいですから、やや“中”の色合が濃い気がします。

 また、所謂“超能力”に当たる能力――この世界では、「オーヴァ」と呼ばれます――を持つ者が殆どである、という世界ではあるのですが、強大なオーヴァを持つ者は稀です。傷を治せるといっても、何人かの傷口を塞いだらもう疲れてしまってそれ以上には能力行使出来なくなったり……心が読めるといっても、その日の気分や体調で精度が格段に落ちて碌に読めなくなったり……そういう、至ってささやかなレベルの能力持ちが圧倒的多数なのです(苦笑)。
 我々の感覚だと、「ちょっと他人より足が速い」とか、「ちょっと他人より高く跳べる」とか、そういった程度のものでしかありません。
 要は……戦に大きな影響を及ぼすような超能力者は殆ど居ない世界
 加えて、武家の人間が、「戦いを利する為に自らのオーヴァを能動的に使うのは恥ずべきこと」という価値観を刷り込まれて育ちます。まともな武人同士の戦いなら、例えば、念動能力で相手を金縛りにして剣を叩き付けることなどは、卑怯者の振舞として唾棄されます。……大体、一々そんなことをしていたらすぐに疲れて、自分が討たれるのがオチ(汗)。他人に力を及ぼす系統の能力の場合、自己の感覚を鋭敏化させる系統の能力よりも、行使に伴う疲労度が高くなりがちですからね。

 よって、物語の時代の戦は、剣戟によるものが主です。

 物語の舞台となる地域は、緑豊かな箇所も少なくはないが草原平原が多い、幾つかの山脈や大河で分断されてもいるが街道はそこそこ整備されているので商人や旅人の行き来は割と盛ん、という感じです。
 太陽は東から昇り、西に沈みます(爆)。一年は、12か月、360日で構成されます(笑)。※楽だなオイ
 月は、一か月で満ち欠けします。……ってゆーか、月の満ち欠けサイクルが30日です(おい)。ただ十何年かに一度の割で「稀月《まれづき》」と呼ばれるふたつ目の月が姿を現わし、沿岸部で洪水を引き起こしたりはするようです。
 気候としては、四季はあるが一部を除けば湿潤というほどでもない……基本、北に行くほど涼しくて、南に行くほど暖かい……内陸部は沿岸部に比べて乾燥しがちなものの、初夏に雨が纏まって降り続く時季があって……地球で言えば、北半球の、ざっくり東アジア一帯ですな(爆)。但し、ミディアミルドの南の方は亜熱帯ですし、北の方は亜寒帯です(汗)。
 まあ、“ミディアミルド版『三国志』”(汗)というくらいですから、後漢末から三国時代……いや、もっと下って五代十国から北宋時代ぐらいまでの中国大陸を思い浮かべていただいても余り不都合はないと思うのですが、んー、もう少し緑が残っているイメージですかねー。



 上記のようなことは、普段は表では語らず、物語そのものの中に、時には説明として、そして時には登場人物達の言動に託して、織り込んでいます。歴史物スタイルのようなもの(汗)を意識しつつ執筆しているので、敢えて「解説」風に記すこともあります。
 「本来なら物語以外の場で物語の裏面や背景について縷々語るのは反則だ」と思っている(他の方がそうすることは気にならないが、自分はそうしたくない、必要なことは可能な限り作品の中で書き切ろう、と思ってしまう)書き手ですが……字数を使えない宣伝の中では「架空世界の一地域を舞台に、戦乱から統一へ向かう或る一時代を描く、歴史群像小説」と括るしかなく(苦笑)、その「架空世界」が一体どんなイメージの場所なのか、「戦乱」が起きている「或る一時代」が一体どんな文明レベルの時代なのか、伝えることが出来ません。
 その辺りが描かれているのが作品本体だけであるという現状では、手に取ってもらえない限り、何ひとつ伝わらない、という現実(苦笑)。
 ならば、関心を持ってくださる方がおひとりでも増えるよう、たまには語っておいてもいいのかな……と思い直し、世界のイメージを斯くの如く、思い付くまま記してみた次第です。

 上記の記載で奇特にも御関心をお持ちになったという方、この辺りも御覧いただきつつ、是非、ミディアミルド世界まで足をお運びくださいませ。
 同人誌即売会での直接(たまに委託)頒布の他、自家通販も行なっています。また、架空ストアさんにも、現時点での刊行分全種を、イベント頒価と同じ頒価で(つまり、手数料は当方の持ち出しで)委託してあります。支払方法や送料の部分など、架空ストアさんの方が当方の自家通販よりも色々自由度が高いと思いますので、お勧めしておきますね(笑)。

2024年10月

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