【読み】 カレノナハエイ ゼンキソウシュウヘン
【著者】 鳴原あきら
【表紙込みページ数】 344p
【背幅】(参考) 2.3cm
【初版発行日等】 2014年11月24日
【判型】 A5判
【頒価】 1,200円
【サークル名】 恋人と時限爆弾
【ブース】 F-12
【鈍器概要:250字以下】
「今日は家に帰りたくない。だってお父さん、人を殺してるかもしれないの」
少女の不安を笑い、家に帰すのは簡単だ。だが、彼女の悪い予感があたってしまったら?(第一話「明日お家に帰りたい」)
街の情報屋A(エイ)が、ありふれた日常に潜む謎を、解決したり、しなかったりする、連作推理小説集。
鳴原あきらの初期の傑作として長く愛されてきたシリーズですが、絶版になっていた初期の2冊を、合本の形で再版しています。シリーズは他2冊あり。
【抜粋:500字まで】
「お嬢さん、Aちゃんはどんな女にも親切なんだよ。いくら顔がキレイだからって、うっかりついてくとひどい目に遭う。注意しな」
Aはちょっと肩をすくめて、大げさな、という身振りをしてみせる。
しかし少女は首を振った。
「そうじゃないんです。今日は帰りたくないんです。でも、明日には帰りたいの」
思いつめた表情を強くして、
「お願いします。Aさん、自分に教えられることだったら何でも教えてあげるって言ったじゃないですか。だから、明日家に帰る方法を教えて下さい。私、怖いんです。怖いけど、それより心配なこともあって……どうしたらいいのかわからないんです。先生は、君のお母さんを殺したのはお父さんだよなんて言うし、その次の日から学校へ来なくなるし、逆に父さんにそれを言ったら、私はえみりがいなかったら生きていけないなんて言い出すし。それに、家には弟達が待ってるし……」
最後はほとんど泣き声に近かった。
「なるほど、明日お家に帰りたい、か」
Aの瞳に強い光が宿った。口唇を悪戯っぽくほころばせて、
「OK。面白いお題だ。ちょっと難しそうだけど、考えてみるよ」
――7~8ページより
【Webカタログ】 https://plag.me/p/textrevo09/4908
【参考写真】
ページ数で御申請でしたが、背幅でもエントリー出来そうな写真をお送りいただいたので、貼っておきます(笑)。