野間みつねの個人ブログです。
時には「千美生の里通信」のWeb版として、
そして時には創作活動の報告の場として……
余程に気が向いたら、書きかけの小説の断片を掲載するかもしれません。
 

2013年3月アーカイブ(古→新)

 ようやく、公開に漕ぎ着けました……。

 nikkijamの交換日記時代からも含め随分と続いてきた「里の茶店 万年貸切部屋」ですが、メンバーそれぞれ書き込むことも殆どなくなった為、里長である当方の判断で、勝手ながら開店休業という形にした次第です。
 その代わり、本宅ドメイン下で、野間個人のブログ的な場を新たに立ち上げます。

 と、交換日記ブログ側で書きました通り、この程、野間みつね個人ブログ開設と相成りました。……相変わらずコメント欄やトラックバックを閉ざしているので、厳密には「ブログ」と言い難い気もしますが……「日記」と書くと更に更に「絶対違うわい」となっちまいますし(汗)。

 そんなこんなで、名称も「茶店」から「瓦版」に変えています。
 これまで「茶店」としてきたのは、昔設置していた掲示板も含め、色んな人が立ち寄る場というイメージからですが、完全に個人の書き込みのみとなると、もう「茶店」という名称は相応《ふさわ》しくないでしょう。
 なので、近年は新刊・イベント告知やそれらの報告記事が多くなっていたことを考えて、「瓦版」としてみた次第です。

 なお、「万年貸切部屋」の中から、全てではないですが、拙作『まなざし』を完結させた年である2008年、その中でも誕生月である6月以降に野間が書いてきた記事を拾ってきて、置いています。そちらは別にブログを建ててありますので、

     
  • 向こうで記事を探すのが面倒だという方 → 検索窓あります
  •  
  • ページングがないのが嫌だという方 → ページングのプラグインを入れました
  •  
  • 連載・連続物の記事を遡って逆から読んでゆくのがかったるいという方 → アーカイブは「古→新」の並びに変更してあります
  •  
  • 個別記事の引用をしにくいのが困るという方 → 記事単位のアーカイブを作成しました
 は、どうぞ御利用ください(苦笑)。ブログ上部のナビゲーションタブをクリックすると、移動出来ます。

 ……しかし、Movable Typeを入れようと思い立ってから、もう何年経ったかな。
 最初にMTをダウンロードしてインストールしたのは、今だから打ち明けますが、2008年の春だったんですよ(汗)。
 作業に取り掛かっては止まり、取り掛かっては止まり……の連続で(しかも取り掛かるのは大体いつも水星逆行期(汗))、気が付いたら随分な年月が経過して……その間に、ブログの書き込み自体は激減し、ツイッターも始め……。これでよくぞオープンに漕ぎ着けられたものだと、今更乍らに呆れております。

 瓦版ブログの方は、「万年貸切部屋」での近年のスタイルに近い形での更新になるだろうなと予想しています。
 時々、書きかけの小説の断片なんぞを置くかもしれませんけど、あんまり期待しないでくださいませませ(汗)。

 それでは皆様、今後とも宜しくお願い申し上げます。


 またまた御報告が遅くなりましたが(汗)、『ミディアミルド物語』第7巻『縄なき繋縛《けいばく》』を、今月初めに刊行しております。
 ページ数は、表紙込みで132ページ。
 頒価は、久し振りの500円(送料別)です。
 イベントでの初売りは、来《きた》る3月24日(日)にOMMビル(大阪マーチャンダイズ・マート)で開催される「そうさく畑 収穫祭 2013」となりますので、どうぞ宜しくお願いします。
 当日の居場所は、4丁目27番地です。

『縄なき繋縛』
 また、通販の受付も、開始しております。
 送料節約で(笑)第6巻『遠きが故に』のお申し込みを控えていた方も、どうぞ宜しくお願いします。
 ただ、即座にお申し込みを頂いた場合、発送は「そうさく畑」終了以降になりますので、予め御了承ください。

 それにしても……
 またしても、ルビが必要な巻タイトルになりましたわ(汗)。
 他に巻タイトル候補となる章もあったのですが、この巻全体を見渡してみた時に、「縄なき繋縛」という言葉が、当該章を超えてこの巻全体に──この巻に登場する色んな人々の身の上に──広がっている印象があったので、敢えて、難読気味のこの章を巻タイトルに選んでみた次第です。

 で、今回は、何と言っても、〝タリー・ロファの面目ない話〟がメインです。
 ……とんでもない事故が起きている「あとがき」でも書きましたが(……と言うか、事故のせいで読めなくなってしまっている部分に書かれているのですが(汗))、この辺りは、2008年には既に書き上げていた話です。過去のブログ記事を遡れば、2008年10月の「……御免、書いちゃった(苦笑)」「結構、長くなりました」いう記事がそれですね。
 勿論、それから数年間(汗)推敲を続けていたので、当時の文章とは微妙に異なるものとなってはいるのですが、基本的な展開は全く変わっていません。そういう意味では、あのキリ番リクエストがあったせいで、タリーさんがこんなことに(爆)、というわけですな(苦笑)。

 他にも、ふたり目の主人公ケーデル・フェグラムの受難とか(里の書庫の紙媒体作品目録で、ちょっとだけ引用)、お久し振りに登場するキャラクターの「あの後どうなった?」が判明するとか、周辺で色々とございます。乞う御期待、と言うと何だか鬼・悪魔ですが(汗)、お楽しみいただければ幸いです(やっぱり鬼)。

★★★★★

 それでは、今回はこれにてー。

=== 2022/9/22 22:30 追記 ===
 読めなくなっているので好い加減で直さねば……と思い立って最新版を使ってみたのですが、ボックスの下に謎の空白が生まれるので首を捻っております。ひとまず、内容が読めることだけを優先しましたので、御寛恕ください(汗)。
=== 追記此処まで ===


 公開前に散々導入テストはしたのですが、御紹介も兼ねての公開テストエントリーを投稿しておきます。

 この瓦版ブログ上で小説を掲載する時には、縦書き表示のスグレモノ、縦書き文庫さんが提供してくださっている「nehan3」を使わせていただくことにしました。
 長文でも場所をいたずらに占拠することなく、ページ送りで表示出来る、Web向きのJavaScript製組版エンジンです。

 テストの為に流し込んだのは、『ミディアミルド物語』の或る外伝の、冒頭部分。徒然なるままに書き始めたものの、他の外伝や本伝を優先している内に放置状態になっている&物語終盤のネタバレを含んでしまうので当分外伝集には収録出来ないだろう(……そもそも、掲載部分の直後に、その将来のネタバレ話を含む箇所になるので、此処までしか載せられない(汗))代物でございます。
 なお、タイトルはあくまで、此処に掲載する為に付けた仮のものだと思ってください。
 内容的には、外伝集の果てまで読み倒している方ならば、割に美味しく感じられるのではないかと……。

 では、以下、どうぞー。

王朝六軍りくぐん憂鬱ゆううつ(抄)

 まさに〝漆黒しっこく部隊長〟になる為に生まれてきたようなうるしの黒髪とたまの黒い瞳。
 そう言われる、彼は、ひどく不満そうな表情をする。
「俺は、容姿で部隊長に選ばれたんじゃない」
 それが、彼の言い分であった。
 タロー・アル・ミュールゼン──王朝六軍りくぐんの各隊を率いる部隊長達の中でも、個人の驍勇ぎょうゆうでは紅赤こうせき部隊長アレヴィラ・リュ・シェコリャンと並ぶ、王朝六軍の双璧そうへきと言われている武将である。もう間もなく三十歳に手が届く筈だが、二十代半ばと言っても通用する若々しさと体力に満ち溢れている。
 彼はまた、王朝六軍の各隊を率いる部隊長達の中では比肩ひ けんする者が居ないほど、女性関係の華々しい男でもあった。もっとも、噂になる相手の半分は相手のがわから望んで寄ってくるのだし、同時に複数の関係を並行させるという付き合い方をしない男だから、遊び人という評価は当たらないだろう。ただ、所謂いわゆる〝交際期間〟が一体に短いので、女にこらしょうがないという評価は甘受せざるを得ないのではないかと客観的には思うが、それも、実は──彼の女性遍歴の背後に横たわる事情を聞いたことがある私、蒼青そうせい部隊長ユーリー・フィオ・ヴィレットだから言えることだが──当たっているとは言い難い。
「違うんだよな……うまく言えんが、どの女も、何かが、違うんだ。俺の女じゃないって言うのか……」
 彼がそう私に述懐じゅっかいしたのは、共に過ごした臥所ふしどの中であった。他の女が相手なら言えない、ユーリー相手だから言えるんだ、とも、その時に彼は言っていたが、まあ確かに、幾ら歯にきぬ着せぬ率直さが売りである彼でも、言えないだろう。抱かれたばかりの男から「お前は何か違うな、俺の女じゃないな」などと言われたら、大抵の女は腹を立てるか、泣くか、冷めるか、呆れるか、軽蔑するか……少なくとも、私のように淡々と冷静に受け止めることは難しかったに違いない。
「本当に俺の女と言える奴に出会えたら、抱いた時に、何処かで無くした自分の半身はんしんを見付けたみたいな気がするんじゃないかって、漠然と思ってるんだが」
「永遠の片割れか」
「おっ、そいつはいい表現だな。貰った。……しかし、自分で言うのも何だが、本当にそんな女が居るもんかなあ、この世の中に。これだけ女を抱いてみても会えんってことは、一生会えんと思っておく方が正しいのかもしれん」
「そう諦めたものでもあるまい」
 私は笑った。
「どれほど回り道をしても、最後に辿り着けば良い。貴官の永遠の片割れの方は彼女の方で、きっと貴官を探している」
「うーん、だとしたら、俺みたいな探し方はしないでおいてほしいな……」
我儘贅沢わがままぜいたくだな」
 私は再び含み笑った。
「自分の所業は棚に上げておいて女の側にだけ貞淑であることを求めるのは虫が過ぎるし、第一、今迄貴官が抱いてきた他の女にも、探している〝本当の片割れ〟は居ただろう」
「お前のようにか。……まあ、お前だって、俺なんざ間に合わせの男に過ぎんだろうし」
「間に合わせとは思っていないが、他の女に渡したくないと思うほどの執着はない。貴官には悪いが、誘われたら必ず応じるという都合のい女にもなってはやれぬ」
「……お前もなあ、もう少し柔らかい物言いが出来れば、アレヴィラの奴だって、少しはお前の魅力に気付いてくれように」
 そこで「柔らかい物言いをすれば」ではなく「柔らかい物言いが出来れば」という言葉を自然に選べる辺りがこの男の真骨頂しんこっちょうだろうと、私は思う。この男は、半ば無意識の手で、女の心の急所をしっかりと掴んでしまうのだ。アレヴィラ・シェコリャンに深く惹かれながらも全てを諦めている私でさえも、この男の手に心を掴まれることを拒む気になれないほどに。……大体、私がアレヴィラに惹かれていることを見抜いているのは、この男ぐらいなものである。他の者は皆、私とアレヴィラが決して相容あいいれぬ対立関係にあると思っているに違いない。
「いや、気付いてないのは、当のアレヴィラだけじゃないか? 少なくとも、シーダルの奴は、気が付いてるぞ。……まあ、あいつも、叶わぬ片想いの深さ強さなら負けてないからな、だから、お前の秘めてる想いにも気付くんだろうさ」
 シーダル・カー・ヤン翠緑すいりょく部隊長は、温厚篤実おんこうとくじつさでは人後じんごに落ちぬ人柄であるせいか、王朝六軍の双璧と呼ばれるふたりのかげに隠れてはいる。しかし、王朝六軍の六つの部隊のちょうの中で誰よりも若い二十四歳という年齢で、六軍総帥りくぐんそうすいフメラン・モタ・クリアック将軍から翠緑部隊の精鋭一万騎を任されている、冗談にも平凡とは言えない武勇の士である。そして、武術の腕のみならず知略の面でも、王朝六軍で最も用兵に優れる晧白こうはく部隊長セルト・マ・リーオンが「いざ兵を動かして敵を陥れねばならない局面に立たされると、普段の温厚さが信じられないほど悪辣あくらつになれるの武人だ。あと三年もすれば、私以上の知将になることだろう」と認めるほどの有能な将であった。
 ところが、この若きシーダル部隊長には、諸人しょじんに広く知られている〝弱点〟がある。それが、この若者が抱え込む、報われる見込みの極めて薄い恋であった。……その片恋の相手である晧白部隊のサーリャ・レレム・セドリック分隊長は、私にとっては、或る意味、無関係ではない。彼女は、随分と以前から、アレヴィラ・シェコリャンへの好意を公言しているからである。「報われることはないとわかってるし、無理に迫って迷惑を掛けるつもりもないけど、気持ちを隠すのは嫌だから」と、本人の目の前で堂々と言ってのけ、その告白の余りの直截ちょくせつさにはアレヴィラも苦笑いで「応えられなくて御免、だけど迷惑だとまでは言わないから」と応じた──と、宮廷人の噂には伝えられている。
 シーダル部隊長にとっての救いは、サーリャ分隊長がアレヴィラにならってか「おれはアレヴィラ部隊長しか眼中にないけど、シーダル部隊長の物好きな好意を嫌だなとか迷惑だなとか思うことはないよ」と、これまた公言していることだろう。……まあ、好かれた当人が「物好き」と評するのも無理はなかった。サーリャ分隊長は、美女と言うよりはむしろ美男と言うべき男っぽい顔立ちの女性で、その男同然のさっばりした言葉遣いとも相俟あいまって、男よりも女から恋われるような人物だったのである。彼ほどの武将ならそれこそ女などりであろうに、何でまたりにってあんな男女おとこおんなに惚れているのだか……というのが、宮廷内の大方の見方であった。
 ……話がずれてしまったが、そんなシーダル部隊長は、王朝六軍の他のどの部隊長とも対立することなく、穏やかに接している。しかし、当然、親密度の濃淡は存在する。金黄こんおう部隊長であるチャグ・ル・ドルトは、シーダル部隊長とは一歳違いの若さで、人当たりのさではシーダル部隊長にも負けない美男子なのだが、その〝好さ〟の質が微妙に異なるせいなのか、お互い、悪口も言わない代わりに親しくはいを交わすこともない、という間柄である。……ちなみにアレヴィラは、どうやら、ふたつ年下のチャグ部隊長を相当に嫌忌けんきしているらしい。直情径行である割に慎み深い一面も持つ男だから口に出して相手を罵ったことはないが、目も合わせないし、公務の用件がなければ口もかない、という有様である。だから、タロー部隊長などは、
「お前を嫌う気持ちを百とすれば、その百倍の強さで激しく嫌ってるだろうさ」
 と言う。彼に言わせれば、アレヴィラは、本当の本当に大嫌いな奴とは口も利かないし、そもそも存在を無視する、のだそうだ。
「ユーリーの言動に何だかんだ文句を付けて一々突っ掛かるってことは、好き嫌いはともかく、気になって気になって仕方ない女だってことだろうが、と言ってやったら、むすっとして『余計な口を出してくるのは向こうの方だ』と言い返してはきたが、否定まではしなかったからな」
 そんなタロー部隊長はと言えば、かげでも日向ひなたでも「チャグの奴は、くちばしの黄色いひななんて可愛い生き物なんかじゃあない。毛並みは黄色く光って見栄えがいいが、腹の中が真っ黒いきつねだ」とけなしてはばからない。……この評価は当たらずといえども遠からずだと、私も感じている。すこぶる人当たりがいのも、シーダル部隊長のような〝人柄の好さ〟から来るものとは異なり、心の底に秘めた野心に裏打ちされた打算から来ているのではないかと思われるふしが、ふとした折に見え隠れするからだ。
「奴の目標は、最低でも、フメラン将軍の後釜あとがまに自分が座ることだろうさ」
 最低でも──と言うが、武官にとって、六軍総帥以上の地位など、ログリアムナス王朝には存在しない。文官のちょうである宰相と同等、いや、兵権へいけんを委任されている分、宰相より上だと言われることさえある地位なのだ。……しかし、あくまで「ログリアムナス王朝には」存在しないというだけである。この世に、と言い換えれば、存在しないわけではない。だが、それはつまりはそんかんむりを頂く地位であり、それを望むということはすなわち主君に反旗をひるがえして取って代わることをするという意味に他ならない。
 とは言え、それがそんだいそれたおそれ多い考えである、と誰しもが言い切れるほどの光輝は、百年前ならともかく、現在のログリアムナス王家にははや、存在しない。
「……お前にだから言うが、正直、ログリアムナス王家は、もう駄目だと思う。今のコルギニー陛下は、余りにも、たみの暮らしや気持ちをかえりみなさ過ぎる……」 「それは、あの例の愛妾あいしょうに溺れておいでのせいではないのか?」
「うーん……あんな餓鬼みたいな女男おんなおとこに振り回されるお方だとまでは思いたくないんだがなあ……」

 閲覧するブラウザによってはルビがずれて表示されることもあるようですが、その辺りは御寛恕いただければ幸いです。
 フォントは、当方が紙媒体本で使用している「DF教科書体W4」を優先順位一番にしてあります。ただ、有料フォントなので、お持ちでない方の方が多いかと存じます。その場合、Windowsユーザーの方でしたら、無料でダウンロード&インストール出来る「IPA明朝」の導入をお勧めさせていただきます。何しろ「MS明朝」よりは遙かに綺麗に見えますから(笑)。

 これで、傍点が打てれば最高なんですけど……。
 今のところは、以前の「万年貸切部屋」での連載物と同様、どうしても傍点を打ちたい箇所を太字にすることで凌ぎます(苦笑)。

 こんばんは。交換日記時代の癖で、つい冒頭に「野間です」と書き込みそうになる里長です(笑)。

 本記事では、来《きた》る3月24日に開催される「そうさく畑 収穫祭 2013」での拙サークル頒布予定品について、事前に、何を持ち込むかをリストアップしておきます。
 ページ数・頒価など詳細については、本サイト内の紙媒体他作品目録ページを御参照ください。試し読みの為の抜粋ページも、刊行物毎に設けてあります。



新刊
『遠きが故に』 ■ 遠きが故に -ミディアミルド物語 6-
 マーナとレーナの国境の村ステイクで倒れ、辛うじて救出されたが仮死状態に陥ってしまったミディアム・サーガ。長老候補ソフィア・レグは、目を覚まさぬミディアムをエルの町まで移送してみたものの、快復の手立てを掴めずにいた。そこへ、ひとりの優れた薬師《くすし》がふらりとエルに姿を現わした、という知らせが飛び込んでくる……
 所謂〝ダニュア三国〟のひとつであるキャティラが舞台となる章が、初めて出てきます。

『縄なき繋縛』 ■ 縄なき繋縛《けいばく》 -ミディアミルド物語 7-
 レーナでは、長年掛けて建設してきた王城がようやく完成し、マーナでは、妾腹《しょうふく》の王子が久方振りに誕生したことに沸く──そんな年の秋、レーナ王リュウ・シェンブルグは、悲願のオーブルー奪還を企図しての親征を検討し始めていた。だが、そこへ、マーナ王ララド・オーディルが先んじてバタール方面へ親征してくるとの情報が届き……
 この巻のメインディッシュは何と言っても〝タリー・ロファの面目ない話〟でしょう。


そうさく畑では初売り
『将軍と呼ばれる迄に』 ■ 将軍と呼ばれる迄に -ミディアミルド物語外伝集 4-
 ジャナドゥ養成所が多数あることで知られるシベルリンの森、高名なジャナドゥ養成者タカナ・ルーミンの許で厳しい訓練の日々を送っていたグライン・マーリは、或る朝、養成所を訪れた金髪の青年に興味を惹かれ、樹上からその後を追い始めた……
 表題作の他、掌編「ソフラ小景」、中編「リーズルの若き鷹」、短編「歪んだ糸の物語」「暁闇」及び「奇妙な旦那様」を収録。

『駆け足、覗き見、ミディアミルド』 ■ 駆け足、覗き見、ミディアミルド -ミディアミルド物語 試し読み冊子-
 本伝1~5巻及び外伝集1、2、4巻からの抜粋を時系列に並べた、試し読みの為の冊子。
 発行時点で単行本未収録の外伝「レーナから来た青年」(但しウェブ公開版に加筆修正済み)からの抜粋も収録。

『千美生の里の歩き方』 ■ 千美生の里の歩き方 -既刊内容摘まみ食い集- 2012.11.18 ver.
 野間みつねの既刊から、長編・中編の一章または一節、若しくは短編丸ごと一本をピックアップして収録。
 収録されている作品は、以下の通り。
 ・ミディアミルド物語 & ミディアミルド物語外伝集
   離郷/鷹の子/最後の一年、最初の一日(1)
 ・まなざし & まなざし拾遺話集・傍話集
   射干玉《ぬばたま》/賭け/筆のあと
 ・その他の諸作品
   月は欠けゆく(1)/魔剣士サラ=フィンク トータル・プロローグ


既刊
■ 歳三《おれ》達の場合
 明治二年五月、箱館《はこだて》一本木関門で狙撃されて命を落とした土方歳三《ひじかた としぞう》は、不思議な輝きに包まれ微睡《まどろ》んでいたが、その輝きから「月石の民として生まれ変わる」と告げられた直後、箱館山山中の小屋で目を覚ます。そこへ、歳三の後見役として、謎の男コンミン登場。大嫌いだった男と瓜ふたつの容姿に反発しつつも彼に惹かれ始めた歳三の前に、やがて……
 男色絡みのお話も出てくるので、そーゆー話が苦手な方は、予め心の御準備を。
 そうさく畑への持参は、物凄ーっっく、久し振りです(汗)。
 昔の本なので、本文印刷用紙が上質70kgです。横に立て掛けられている他作品に比べて薄く見えますが、ページ数は表紙込み140ページありますよ(苦笑)。

■ まなざし 上
 幕末、文久三年秋、京都――壬生浪士組(後の新選組)副長土方歳三は、ある男から苦しい胸の内を告げられる。それまで男色とは縁なく生きてきた歳三は相手を拒絶するが、その夜を境に、いずれ殺さねばならぬと思い決めていたその男の思わぬ姿を知る機会が重なって……
 鳥羽伏見の戦いが終わるまでを収録。

■ まなざし 下
 鳥羽伏見の戦いで大きな犠牲を出した新選組は、都を離れ、江戸へと戻った。副長土方歳三は、新たに厩に入った癖の悪い若駒を自分の乗り馬に選び、早蕨《さわらび》と名付ける。その早蕨と遠駆けに出掛けた先で、歳三は、彼を伊東甲子太郎《いとう かしたろう》の敵《かたき》と称して勝負を迫るひとりの青年と出会うが……
 土方歳三の箱館での戦死まで+αを収録。
 付録冊子として、史実と虚構部分について書き留めた『虚実皮膜』(無料)を同梱。

■ 初音には遠く ~『まなざし』拾遺話集~
 慶応三年元日早々、参謀の伊東さんと組長の永倉さん・斎藤さんの三人が、島原へ出掛けたまま、門限を過ぎても戻ってこなかった。無断の門限破りは、新選組の内規に照らせば、幹部の場合、理由の如何《いかん》を問わず切腹。三人は切腹になるのか──中には、一昨年の山南さんの処断を思い出してしまう者もいる。私、沖田総司《おきた そうじ》も、そのひとりだ……。
 表題作の他、「花は小梅か橘か」「死神」「賭け」「月に添う影」の5本を収録。
 基本的には、本編では採り上げなかった出来事を描いた、或いは本編での出来事を別の当事者の目から見る形で描いた短編を収録した作品集。

■ 残し置く言の葉草の記 上 ~『まなざし』傍話集~
 江戸は深川佐賀町で亡き師の道場を受け継ぎ北辰一刀流の剣を指南している常陸国志筑藩浪人・伊東大蔵(旧姓鈴木)は、元治元年秋、旧知の藤堂平助の訪問を受ける。藤堂から〝新選組〟という勤王浪士の一隊の話を聞き、加盟を勧められた伊東は、その翌朝、奇妙な夢を見た……。
 「心なき人を」「逢ふまでと」「おのれのみ」「かりの旅寝の」「ふみ迷ふ」「道なたがへそ」「枕にぞきく」「われのみ深く」「筆のあと」を収録。
 『まなざし』に於ける伊東甲子太郎を語り手として描く、傍話集。

■ 残し置く言の葉草の記 中 ~『まなざし』傍話集~
 慶応二年師走、新選組屯所に詰めていた伊東甲子太郎は、自身の休息所から、覚悟していた知らせを受け取った。かねてから体調を崩して寝付いていた妾が、いよいよ危なくなったという。叶うことなら看取ってやりたいと考えた伊東が監察を通じて副長土方歳三に外泊を届け出、外出しようとしたところへ……
 「都の春も」「あらそはぬ姿ながらも」「ともに散りなん」「真心の清き心に」「いかでちぎりを結ひ留むべき」「神もゆるして」「なほまどひけり」を収録。
 『まなざし』に於ける伊東甲子太郎を語り手として描く傍話集、その弐。

■ ナブ・ナブオーヴァ -ミディアミルド物語 1-
 クデン国ヴェルナーサ村で暮らすミディアム・サーガ少年は、或る日、軍事大国の一として知られる隣国マーナで傭兵隊に所属しているという男ベーダ・アルカナと知り合う。それを切っ掛けに自分も傭兵になろうと考えるようになったミディアム少年は、やがて、母フィーナと故郷を捨てるようにして、マーナの都デラビダへと赴くが……

■ 鷹の子 -ミディアミルド物語 2-
 マーナとの戦いで、伝統ある王国フィリスは滅亡した。だが、フィリス王太子タラティレ・ジェサイアに嫁いでいたマーナ王女ディープレ・オーディルが、その忘れ形見を懐妊していた。生まれてくる赤子の命を奪えという密勅を受けたマーナの女性武人デフィラ・セドリックは、王女の保養先ヴェルナーサ村に共に滞在する……

■ ダグディグル・グルーグラス -ミディアミルド物語 3-
 掛け替えのない女性と故郷を喪った“青い炎”ミディアム・サーガ。彼が己を解放出来るのは、もはや、血塗られた戦場しかないのか。
 一方、その才幹を発揮し始めた“マーナの知将”ケーデル・フェグラム。目に見えぬ血に汚れてゆく彼の手は、一体、幾つの玉座を潰えさせるのか。
 そして、領土を拡大してゆくマーナの前に、やがて……

■ ムグロールの赤狼 -ミディアミルド物語 4-
 バルバミラの戦いで力尽きた〝恐るべき青い炎〟ミディアム・サーガ。長き眠りから目を覚ました彼の前に現われたのは、ひとりの〝少女〟であった。彼女の存在に戸惑い、その言葉に苛立ちと反発を覚えるミディアム。だが、語り続けるその〝少女〟に突如として襲い掛かってきた暴風の禍々しさに、ミディアムの体は咄嗟に動いていた……

■ マーナの知将 -ミディアミルド物語 5-
 カタゴラの戦いで大敗を喫したマーナ。唯ひとりこの戦に強硬に反対したことから自邸謹慎を命じられていた“マーナの知将《ドー・ルーム》”ケーデル・フェグラムは、改めて主君から意見を求められ、暫しの不戦策を主張するのみならず、諸人を疑心暗鬼に陥れる不穏当な進言を行う。だが、それは、真の目論見をレーナの目から隠す為の詐術に過ぎなかった……

■ 清水は未だ青く -ミディアミルド物語外伝集 1-
 マーナ王国きっての武家の名門セドリック家本家の一女デフィラは、17歳の秋、1頭の仔馬を与えられる。フィズと名付けられたその仔馬の世話や馴致に夢中になるデフィラ。自ずと剣の稽古も疎かになる中、やがて彼女は、年末恒例の将校以上自由参加闘技会に初めて参加するが……
 表題作の他、掌編「化粧」及び「死の使者」を収録。

■ 最後の一年、最初の一日 -ミディアミルド物語外伝集 2-
 俺、タリー・ロファは、マーナの近衛見習として、13歳の時から16歳の現在まで、大過なく務めてきた。17歳になる今年、いよいよ見習最後の一年を迎えた俺は、自分がこれから一年間専属従卒として付くことになる初年兵の名を近衛隊長から告げられたのだが……
 表題作の他、掌編「夜の一頁」、表題作より遙かに長い(汗)「紳士は豹変す」、短編「幻視」を収録。

■ その佳き日まで -ミディアミルド物語外伝集 3-
 マーナ近衛隊の副長であるノーマン・ティルムズ・ノーラは、さる騒動が元となり、上官の娘マリ・ジェラルカ・マーラルと婚約した。挙式までは二か月。長くもなく短くもない、恙なかるべき筈のその婚約期間は、しかし、何事もない穏やかなものとはならなかった……
 表題作の他、短編「ささやかなる陰謀」及び「命知らず」を収録。



 以上、奇特にも拙スペース(4丁目27番地)までお越しくださろうという皆様、どうぞ宜しくお願いします。

 帰京中の新幹線のぞみ号の車内からこんばんは~。
 本日開催の「そうさく畑 収穫祭 2013」、無事に終了しました。
 記憶が新しい今の内に、簡単にですが御報告を上げておきます。

 スーパー晴れ女の本領発揮で(?)、何日か前まで出ていた雨予報を蹴散らし、朝から好天、暑からず寒過ぎずのイベント日和(笑)。
 そんな朝、今回は、07:45集合の会場設営から参加してきました。
 折角前日から大阪入りするんだし、泊まるホテルも会場に近いし……ということで、思い切って行ってみたのですが……
 こっ……こ~れ~は~、それなりの年齢に達してしまった女性の身には結構な重労働です(汗)。いや、若くてピチピチの娘さん方でも、頗る厳しいでしょうけど(苦笑)。

 特に、見本誌図書館。力仕事であるだけでなく、パズルをきっちり綺麗に並べる能力が必要(爆)。協力し合わないと、まず出来ません……。サークルスペースの机を並べる作業に比べると、遙かに大変です。より一層、大事に使わせてもらおう……と心に誓いましたとも。はい。

 ただ、体を使う作業であるせいか、自然と周囲の方々と声を掛け合うことになります。結果、作業後の充実感は、単なるサークル参加時とは比べものになりませんでした。来年も、もし自分が前日泊で直接参加出来るようでしたら、頑張ってみたいと思います。スタッフ・設営ボランティアの皆さん、色々と有難うございました。
 ……明日は全身筋肉痛だな……てゆーか、既に、あっちこっち痛いんですが(汗)。

設営義勇軍バッジ  右の写真に写っているのは、設営終了後に頂いた〝粗品〟……「設営義勇軍」缶バッジです。今回原画展が開催されたひびき玲音先生のイラストの一部が使われていて、物凄い記念になりました。会場に居る間じゅう胸に付けていましたけれど、着ていたブラウスが黄色ベースのチェック柄だったので、多分殆ど目立たなかった筈(汗)。

 さて、サークル入場が始まり、自分のスペースの設営開始。

4丁目27番地スペース写真  今回は、こんな感じになりました。本来使いたかった品がイベント当日までに手に入らず、やむなく代替品を使っているので、まだ完成形ではありませんが……昨年のそうさく畑66の時と比べると結構見易くなったかな、とは思います。
 次のイベントまでに、目当ての物を入手しておきたいなあ……。

 今回の畑では、普段よりも随分と大量に同人誌を購入してみました。
 実は、いつも合体参加する「とりあたま工房」さんと一緒に、次回パンフ掲載「そうさく畑の歩き方」の書き手に立候補しましたもので(笑)。
 どれを御紹介出来るかはわからないので、どんな作品を買ったかを書くのは控えておきますが(汗)、いやー、財布が死にましたわ……。
 それにしても……つくづく、小説本専用図書館があったら(今回は設置されなかった(泣))、もっと色々捗ったんですけどねえ……(嘆)

 売り上げの方は、ぼちぼちでございました。いつも通り……に、僅かばかり上積みがあった感じかなあ。
 残念なのは、私が席を外している時に、『ミディアミルド物語』の5巻以降の続き全てをお買い上げという神様のような方がお見えになったこと。くおーっっ、そんな奇特な読者様には、是非お礼を申し上げたかったのに……。
 あと、物凄ーく久々に持ち込んだ『歳三《おれ》達の場合』が売れていったのには、吃驚仰天(汗)。おかげで(?)、素で頒価を間違え、ぴったり貰ったのに〝お釣り〟を渡しかけてしまいましたとさ(爆)。ナンタルコトジャ……
 そして、相変わらず、そうさく畑では全く出ていかない『ミディアミルド物語』の外伝集(苦笑)。いや、本伝だけ読んでも通じるように書こうと、努力はしていますけど……

 色々と思うことも多々あった今回のそうさく畑、今後の糧にしていきたいと思います。
 が、まずは、購入した本の読破だな(汗)。

 では、そろそろ東京駅が近付いてまいりましたので、御報告はこの辺で。

 そうさく畑が終わった余韻に浸る間もない26日に、5月5日(日)、東京ビッグサイト東4・5・6ホールで開催される「COMITIA 104」の配置案内が届きました。

配置場所 : 東6ホール ほ 53 b

ほ53b
東6ホール 結構、奥の方ですねえ……。
 (この左側に、東5・4ホールが広がっているんですよ……)
 各種企画展示も、宅配便受付も、ずーっっっっと果てです(汗)。
 近いのは、赤十字献血受付ぐらいなものです(苦笑)。

 当日合わせの新刊は流石にないと思いますが──そうさく畑で『ミディアミルド物語』本伝を2冊も出しましたから、スケジュール的にも費用的にも、薄い冊子でないと無理無理(汗)──先日の畑新刊2冊が、関東では初頒布となります。
 奇特にも拙スペースにお立ち寄りくださろうという皆様、どうぞ宜しくお願いします。

 日にちが近くなりましたら、そうさく畑の時と同様、持ち込む予定の頒布物記事を上げておきますね。

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